林道を歩いていると面白そうな斜面があったのでガサガサ入って行ったら、モダマの群落にあたりました。極太のツルが地面をうねり、バラバラになった種子入のサヤ(バラサヤ)や、剥がれた外側のサヤがアチコチに落ちています。「大昔は、この辺りも海の側だったんだな~、」とか思いながら散策していると、
その前に、話を進める上で分かりやすいように、モダマのサヤの構造を説明をしておきます。
⇓まず、大きいのだと1mくらいの巨大なのが出来ます。
外側に固いサヤ、内側にもそこそこ固いサヤ?があり、その中に種子があるという二重構造で守られています。ダイズも枝豆を食べた時に分かると思いますが、外側のサヤを摘まんで食べようとすると、もう一枚薄サヤが残っている時がありますよね。
モダマの種子は一つ一つ独立した部屋に納まっています。落ちる時は外側のサヤが捲れて薄サヤの状態で、それがバラバラに千切れて落ちて来る「バラサヤ状態」のが良くあるパターンです。たまにお店で外サヤもキレイなままの、ぶら下がってる時と同じ状態で売られているのがありますが、あれは熟す前、青いうちに付け根から切ったものです。
余談ですが、以前モダマのサヤが高く売れると言う事で、島中あちこちで取られました。そういう人達は無理やりツルを引きずり下ろしたり、ツルを切ったり無茶苦茶なやり方で取るので、バンナ公園などの身近な場所で子供などがモダマのサヤは勿論、花も見れないような状況が数年続いた事があります。
話を戻します。落ちていたバラサヤを拾って薄サヤを破いて見ると、中の種子は既に腐っていて分解が始まっていました。自然界では全てが発芽出来る訳ではない、発芽しても殆どが成長途中でダメになるのが現実です。今度は良く見てキレイなサヤのを拾って破いて見ました。
なんと! サヤの中で根が出て芽も出ていました。冬の石垣島は雨ばかりなのでそのせいでしょうか? モダマの種子は海流散布などで広がります。そのため丈夫で固いドングリの皮(殻?)みたいなのに守られています。そうでないと長い漂流生活に耐えられないからです。そして運が良ければどこかに漂着し、条件があえば固い表皮が腐って破けて(穴が開いて)発芽します。ですがこれはサヤもキレイなままだったし、固い黒皮も付いたままそのままパカッと開き芽と根が出ています。ビックリ! オイラが薄サヤを破かなければ、薄サヤさえも自力で脱いで(脱げて)いたんでしょうか?
芽(ツル)を見るとこんな若い時に既にひねりが入っていて、木肌状態なんですね。これにもビックリ!
これこれ、オイラが今まで見た事があったのはこんな感じです。薄サヤも取れ、固い皮も取れた状態。左のなんて片胚ですよ。それでも元気に育ってます。ツルの先はもうかなり伸びていて先端を見つける事が出来ないくらいでした。当たり前ですが、全てが同じなんて事はないんですね。
今回のように、本等に書いてある事や自分の知識や常識が違ってた、なんて事は自然を相手にしているといくらでもあります。現場が全てです!
#モダマ #海流散布 #リフトアップ