フェレル式ダンク！

映画のスタッフに“ＥＸＥＣＵＴＩＶＥ ＰＲＯＤＵＣＥＲ”というお仕事があります。日本語訳は“製作総指揮”。有名なのは、ＴＶ「ＣＳＩ」シリーズや「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズのジェリー・ブラッカイマー。「マトリックス」シリーズのジョエル・シルバーも。

他にも、ジョージ・ルーカスやスティーヴン・スピルバーグもそうですね。作品の脚本を読み、プロットを見て、その作品がヒットしそうか判断します。つまり映画のＧＯサインを出すんですね。資金集めをしたり、現場で直接、演出の指示もするようです。

映画は監督のものでも、まして俳優のものでもなく、製作総指揮者のものなんだとか。確かに有名映画人の名前があると、安心して見ちゃいます。さてこの人の場合は？ケント・オルターマン。「ダイヤモンド・イン・パラダイス」（０４）「ヒストリー・オブ・バイオレンス」（０５）「リトル・チルドレン」（０６）

うむ、いずれも話題になったしヒットしたし、私のお気に入りです。で、そのオルターマンが初監督に挑んだのが、「俺たちダンクシューター」（０８）！！ええっ、今までと全然、路線が違うじゃないの！？

そうなんです。主役は「俺たちフィギュアスケーター」（０７）で、チャズ・マイケル・マイケルズを演じた、ウィル・フェレル。むむ、タイトルまで大ヒットにあやかって、真似しちゃったんですね～。いいけど。

１９７０年代アメリカには、ＮＢＡ（ナショナル・バスケットボール・アソシエーション）と、ＡＢＡ（アメリカン・バスケットボール・アソシエーション）の２つのリーグが存在していました。ＡＢＡ（１９６７～７６）は、個性的な選手たちが観客を魅了し、華麗なる（？）ダンクシュートを決めていたエンタメ系。

目立ちたがり屋の一発屋ミュージシャン、ジャッキー・ムーン（フェレル）は、ヒット曲の印税を元手に“フリント・トロピックス”を買収、選手と監督を兼任していました。やり手～！しかし弱小チームの成績は最下位目指してまっしぐら。お粗末プレーに客席は、ガ～ラガラ。

そんな時、ＮＢＡがＡＢＡの上位４チームを吸収すると発表。じゃあ～残りのチームは？リーグ解散と共に、当然消滅。あらら。やむなくジャッキーは、元ＮＢＡ選手のモニックス（ウディ・ハレルソン）をスカウト。アフロヘアが自慢の点取り屋クラレンス（アンドレ・ベンジャミン）も大奮起。

果たしてトロピックスは、上位４チームに残れるのか？「リトル・チルドレン」のロニー役で、アカデミー賞助演男優賞にノミネートされたジャッキー・アール・ヘイリーも出演。セクシーなウィル・フェレルにメロメロになるかも！見るぞ！