[8月25日03:00.天候:曇 宮城県宮城郡松島町上空 BSAA極東支部日本地区本部ヘリ機内]
パイロット:「αチームよりHQ!スーパータイラントは未だ沈黙せず!Σチームより強奪したロケットランチャーを使い、地上部隊に対し攻撃を仕掛けているもよう!市街地に多大な被害の発生恐れあり!繰り返す!……」
HQ:「了解。HQよりαチームにおいては地上に散開し、スーパータイラントの市街地突入を阻止せよ!……αチーム!αチーム!応答せよ!今の件、了解か!?応答せよ!」
[同日同時刻 同町内 松島中央ホテル隣接ビル屋上]
愛原:「皆、無事か!?」
高橋:「な、何とか……!」
高野:「私ら、運だけはいいみたいですねぇ……」
私の名前は愛原学。
都内で小さな探偵事務所を経営している。
ホテルに何か餓鬼とはまた違うトンデモナイ化け物が襲って来たと思われ、しかもそれはリサをも怯えさせる存在のようである。
私達は取りあえず、この町からの脱出を図るべく、まずはホテル屋上と繋がっている隣のビルの屋上に避難した。
すると、またもやヘリコプターが墜落した。
今度は私達のホテルの屋上に墜落しやがった。
あと一歩避難するのが遅れたら、私達はあの世へ行っていたな。
しかし、これでもうホテルへは戻れなくなってしまった。
ヘリの破片が私達のいる隣のビルにまで飛んでくる有り様だ。
そしてその中に隊員が持っていたと思われる無線機が入っており、それでHQの無線が聞こえたというわけである。
因みにHQとは作戦司令本部のこと。
愛原:「HQ、HQ、聞こえますか?こちら松島町内にいるフツーの観光客ですけどー?」
HQ:「愛原……?いや、ザーーーーーーーーーーーーーーーー」
愛原:「あ!?」
名乗ってもいないのに何故かHQが私の名前を言った。
で、すぐに雑音に変わった。
今のオジサンの声、どこかで聞いたような気がするんだがなぁ……?
愛原:「観光客が5人、町内に取り残されてるんで、救助に来て欲しいんですけど?」
しかし、帰って来るのは雑音だけだ。
高橋:「先生の要請をスルーするとは、BSAAの連中もナメてますね」
愛原:「それより今の司令員、俺と知り合いか?一瞬、すぐに俺だと分かったみたいだぞ?」
高橋:「さすが先生、お顔が広い!」
愛原:「いや、BSAAに知り合いはいなかったと思うんだが……。ゲホッゲホッ!」
その時、ホテル屋上に墜落したヘリが炎上し、風向きが変わったのか、その煙が私達のいる方にまで飛んで来た。
高野:「先生、そんなことより早く避難しましょう!」
愛原:「それもそうだな!」
隣のビルはホテルではなく、ただのオフィスビルか何からしい。
ホテルと同じ5階建てのビルだ。
こちらのビルは幸い、屋上までエレベーターで上がれるらしい。
階段室に入ると、すぐにエレベーターもあった。
停電はしていないので、エレベーターも動く。
1階に止まっていたエレベーターを呼び出した。
リサ:「! 何か来るよ!?さっきの……さっきヤツ……!」
愛原:「何だって!?」
ホテルを襲ったヤツか?
どうして私達がここにいると分かったのだろう?
てか、むしろそいつは私達に用があるのか!?
エレベーターが屋上まで上がって来る。
私は最初、リサの言っているそいつがエレベーターで上がって来るものと思っていたので、つい手持ちのショットガンを構えてしまった。
しかし、エレベーターの中はもぬけの殻だ。
高橋:「先生!階段から何かが来ます!」
愛原:「構っている場合じゃない!早く乗るぞ!」
高橋:「はい!」
何かの呻き声や咆哮のようなものが聞こえたので、人間ではないだろう。
私は全員が乗ったのを確認して、エレベーターのドアを閉めた。
思わず閉めるボタンを連打してしまったので、私も慌てていたか。
ドアが閉まり切る直前、そいつは屋上まで上がって来た。
リサ:「た……タイラント君……」
愛原:「なにっ!?」
それはタイラントなのか!?
しかし、リサがそう言っているということは……。
で、さっきの無線、スーパータイラントとは……?
その時、天井の上から何か大きな音が聞こえた。
高橋:「先生!どうやらヤツがエレベーターのドアをこじ開けようとしているようです!」
愛原:「何だって!?1階はまだか!?」
高野:「まもなくです!」
1階に到着し、ドアが開く。
エレベーターを降りると同時に、カゴの天井から大きな音が聞こえて来た。
エレベーターシャフトを飛び降りて来たのか!
愛原:「急いで外へ出ろ!」
ビルの外に出る!
高橋:「先生!これからどうします!?」
愛原:「電車はさすがにムリだろう!車があれば、それに乗せてもらって……!」
と、その時だった。
私達の前に1台の装甲車が止まった。
もちろんそれはBSAAの車だった。
隊員A:「愛原さんですか!?」
愛原:「そ、そうですが……?」
隊員A:「HQからの命令で救助に来ました!早く乗ってください!」
愛原:「えっ!?じゃあの無線、やっぱ通じてたの!?」
高橋:「先生、早く乗りましょう!」
愛原:「そ、そうだな!」
私達は早速装甲車に乗せてもらった。
隊員A:「しっかり掴まっててください!」
愛原:「ああ!」
装甲車が走り出すと同時に、ビルから1体のクリーチャーが飛び出してきた。
リサ:「タイラント君!タイラント君が!」
隊員B:「ΘチームからHQ!スペードエリアにてA以下5名を保護!尚、その中に『リサ・トレヴァー』も含まれている!」
リサ:「タイラント君が追って来るよ!」
HQ:「了解!スーパータイラントの目的は、『リサ・トレヴァーの奪取』である公算が大きい!Θチームにあっては、何としてでも『リサ・トレヴァー』の強奪を阻止すること!」
隊員B:「Θチーム、了解」
隊員C:「発射!」
タイラントの足は速い。
車に追いつけられるほどだ。
隊員Cが装甲車に装備されたガトリング砲でタイラントを撃っているが、殆ど効いていない。
高橋:「もっと早く走れ!」
隊員A:「これ以上は無理だ!道路が狭い上、乗り捨てられた車が邪魔だ!」
タイラントはそんな路駐の車を薙ぎ払うようにして追い掛けてくる。
隊員A:「うおっと!?」
その時、対向車線から大型トレーラータイプのタンクローリーがやってきた。
隊員A:「おい!規制線は張ってなかったのか!?」
隊員B:「地元警察なにやってんだよ!」
タンクローリーは対向車線を走っているタイラントに向かってクラクションを鳴らしたが、タイラントは退けず、むしろ!
愛原:「無茶苦茶だ!あのバカ!!」
ヘッドに体当たりして横転させると、後ろのタンクを引きちぎった。
ヘッドは炎上したが、タンクは燃えていない。
愛原:「お、お、おい!まさか!?」
タイラントはデカいタンクを持ち上げると、それを私達に向かって投げつけた。
隊員C:「しゃらくせぇ!」
ガソリンをタダ漏れさせながら装甲車に飛んで来るタンク。
隊員Cがそれに向かってガトリング砲を放った。
と、同時に車がトンネルの中に入る。
トンネルの外で、タンクが大爆発を起こした。
隊員A:「C、やり過ぎだぞ!」
隊員C:「あのままじゃ、俺達がタンクぶつけられてたぞ!?」
隊員B:「まあ、あの分ならスーパータイラントも追って来れないだろう」
愛原:「あれ、スーパータイラントだったの!?」
隊員A:「そうですよ。だから困ってるんです」
隊員B:「むしろその『リサ・トレヴァー』に制御してもらえませんか?」
愛原:「いや、無理だって!」
高野:「ちょっと!後ろ!」
高野君が何かに気づいた。
それで私達は後ろを振り向いたのだが、正に大きな絶望が私達に迫ろうとしていた。
パイロット:「αチームよりHQ!スーパータイラントは未だ沈黙せず!Σチームより強奪したロケットランチャーを使い、地上部隊に対し攻撃を仕掛けているもよう!市街地に多大な被害の発生恐れあり!繰り返す!……」
HQ:「了解。HQよりαチームにおいては地上に散開し、スーパータイラントの市街地突入を阻止せよ!……αチーム!αチーム!応答せよ!今の件、了解か!?応答せよ!」
[同日同時刻 同町内 松島中央ホテル隣接ビル屋上]
愛原:「皆、無事か!?」
高橋:「な、何とか……!」
高野:「私ら、運だけはいいみたいですねぇ……」
私の名前は愛原学。
都内で小さな探偵事務所を経営している。
ホテルに何か餓鬼とはまた違うトンデモナイ化け物が襲って来たと思われ、しかもそれはリサをも怯えさせる存在のようである。
私達は取りあえず、この町からの脱出を図るべく、まずはホテル屋上と繋がっている隣のビルの屋上に避難した。
すると、またもやヘリコプターが墜落した。
今度は私達のホテルの屋上に墜落しやがった。
あと一歩避難するのが遅れたら、私達はあの世へ行っていたな。
しかし、これでもうホテルへは戻れなくなってしまった。
ヘリの破片が私達のいる隣のビルにまで飛んでくる有り様だ。
そしてその中に隊員が持っていたと思われる無線機が入っており、それでHQの無線が聞こえたというわけである。
因みにHQとは作戦司令本部のこと。
愛原:「HQ、HQ、聞こえますか?こちら松島町内にいるフツーの観光客ですけどー?」
HQ:「愛原……?いや、ザーーーーーーーーーーーーーーーー」
愛原:「あ!?」
名乗ってもいないのに何故かHQが私の名前を言った。
で、すぐに雑音に変わった。
今のオジサンの声、どこかで聞いたような気がするんだがなぁ……?
愛原:「観光客が5人、町内に取り残されてるんで、救助に来て欲しいんですけど?」
しかし、帰って来るのは雑音だけだ。
高橋:「先生の要請をスルーするとは、BSAAの連中もナメてますね」
愛原:「それより今の司令員、俺と知り合いか?一瞬、すぐに俺だと分かったみたいだぞ?」
高橋:「さすが先生、お顔が広い!」
愛原:「いや、BSAAに知り合いはいなかったと思うんだが……。ゲホッゲホッ!」
その時、ホテル屋上に墜落したヘリが炎上し、風向きが変わったのか、その煙が私達のいる方にまで飛んで来た。
高野:「先生、そんなことより早く避難しましょう!」
愛原:「それもそうだな!」
隣のビルはホテルではなく、ただのオフィスビルか何からしい。
ホテルと同じ5階建てのビルだ。
こちらのビルは幸い、屋上までエレベーターで上がれるらしい。
階段室に入ると、すぐにエレベーターもあった。
停電はしていないので、エレベーターも動く。
1階に止まっていたエレベーターを呼び出した。
リサ:「! 何か来るよ!?さっきの……さっきヤツ……!」
愛原:「何だって!?」
ホテルを襲ったヤツか?
どうして私達がここにいると分かったのだろう?
てか、むしろそいつは私達に用があるのか!?
エレベーターが屋上まで上がって来る。
私は最初、リサの言っているそいつがエレベーターで上がって来るものと思っていたので、つい手持ちのショットガンを構えてしまった。
しかし、エレベーターの中はもぬけの殻だ。
高橋:「先生!階段から何かが来ます!」
愛原:「構っている場合じゃない!早く乗るぞ!」
高橋:「はい!」
何かの呻き声や咆哮のようなものが聞こえたので、人間ではないだろう。
私は全員が乗ったのを確認して、エレベーターのドアを閉めた。
思わず閉めるボタンを連打してしまったので、私も慌てていたか。
ドアが閉まり切る直前、そいつは屋上まで上がって来た。
リサ:「た……タイラント君……」
愛原:「なにっ!?」
それはタイラントなのか!?
しかし、リサがそう言っているということは……。
で、さっきの無線、スーパータイラントとは……?
その時、天井の上から何か大きな音が聞こえた。
高橋:「先生!どうやらヤツがエレベーターのドアをこじ開けようとしているようです!」
愛原:「何だって!?1階はまだか!?」
高野:「まもなくです!」
1階に到着し、ドアが開く。
エレベーターを降りると同時に、カゴの天井から大きな音が聞こえて来た。
エレベーターシャフトを飛び降りて来たのか!
愛原:「急いで外へ出ろ!」
ビルの外に出る!
高橋:「先生!これからどうします!?」
愛原:「電車はさすがにムリだろう!車があれば、それに乗せてもらって……!」
と、その時だった。
私達の前に1台の装甲車が止まった。
もちろんそれはBSAAの車だった。
隊員A:「愛原さんですか!?」
愛原:「そ、そうですが……?」
隊員A:「HQからの命令で救助に来ました!早く乗ってください!」
愛原:「えっ!?じゃあの無線、やっぱ通じてたの!?」
高橋:「先生、早く乗りましょう!」
愛原:「そ、そうだな!」
私達は早速装甲車に乗せてもらった。
隊員A:「しっかり掴まっててください!」
愛原:「ああ!」
装甲車が走り出すと同時に、ビルから1体のクリーチャーが飛び出してきた。
リサ:「タイラント君!タイラント君が!」
隊員B:「ΘチームからHQ!スペードエリアにてA以下5名を保護!尚、その中に『リサ・トレヴァー』も含まれている!」
リサ:「タイラント君が追って来るよ!」
HQ:「了解!スーパータイラントの目的は、『リサ・トレヴァーの奪取』である公算が大きい!Θチームにあっては、何としてでも『リサ・トレヴァー』の強奪を阻止すること!」
隊員B:「Θチーム、了解」
隊員C:「発射!」
タイラントの足は速い。
車に追いつけられるほどだ。
隊員Cが装甲車に装備されたガトリング砲でタイラントを撃っているが、殆ど効いていない。
高橋:「もっと早く走れ!」
隊員A:「これ以上は無理だ!道路が狭い上、乗り捨てられた車が邪魔だ!」
タイラントはそんな路駐の車を薙ぎ払うようにして追い掛けてくる。
隊員A:「うおっと!?」
その時、対向車線から大型トレーラータイプのタンクローリーがやってきた。
隊員A:「おい!規制線は張ってなかったのか!?」
隊員B:「地元警察なにやってんだよ!」
タンクローリーは対向車線を走っているタイラントに向かってクラクションを鳴らしたが、タイラントは退けず、むしろ!
愛原:「無茶苦茶だ!あのバカ!!」
ヘッドに体当たりして横転させると、後ろのタンクを引きちぎった。
ヘッドは炎上したが、タンクは燃えていない。
愛原:「お、お、おい!まさか!?」
タイラントはデカいタンクを持ち上げると、それを私達に向かって投げつけた。
隊員C:「しゃらくせぇ!」
ガソリンをタダ漏れさせながら装甲車に飛んで来るタンク。
隊員Cがそれに向かってガトリング砲を放った。
と、同時に車がトンネルの中に入る。
トンネルの外で、タンクが大爆発を起こした。
隊員A:「C、やり過ぎだぞ!」
隊員C:「あのままじゃ、俺達がタンクぶつけられてたぞ!?」
隊員B:「まあ、あの分ならスーパータイラントも追って来れないだろう」
愛原:「あれ、スーパータイラントだったの!?」
隊員A:「そうですよ。だから困ってるんです」
隊員B:「むしろその『リサ・トレヴァー』に制御してもらえませんか?」
愛原:「いや、無理だって!」
高野:「ちょっと!後ろ!」
高野君が何かに気づいた。
それで私達は後ろを振り向いたのだが、正に大きな絶望が私達に迫ろうとしていた。