報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
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 実際のものとは異なります。

“愛原リサの日常” 「リサのエスカレート」

2020-10-08 19:56:44 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[10月7日08:00.天候:晴 東京都墨田区某所 東京中央学園墨田中学校]

 リサと斉藤絵恋はいつも一緒に登下校している。
 今日も一緒に登校してきたのだが……。

 斉藤:「リサさん、ちょっとお手洗い行って来る。……触手、出す?」
 リサ:「サイトー?」
 斉藤:「じょ、冗談です!ごめんなさい!」
 リサ:「私は先に教室に行ってるね」

 リサはさっさと教室に入った。
 そして自分の席に行って、鞄を置く。

 小島奈々:「お、おはよう、愛原さん」
 リサ:「コジマ。おはよう」
 小島:「こ、この前は……どうもありがとね。これ……ほんの御礼なんだけど……」

 小島は持病の潰瘍性大腸炎に冒され、下痢と下血の症状に悩まされていた。
 その為、体重が軽く、見た目はガリガリである。
 リサのような『食人鬼』が見ても、食欲が湧きそうに無い見た目であった。
 で、そんな小島が出したのはゴディバのチョコレート。

 リサ:「おー!チョコ!……って、私、礼をされるようなこと、したっけ?」

 すると小島、周りを気にしながら耳元で囁くように答える。

 小島:「この前、愛原さんにお腹の中、『きれいに』してもらったら、急に良くなったの」
 リサ:「は?」

 何でも小島の話によると、リサに大腸内を『捕食』されてから、下痢や血便の症状が止まったのだという。
 もちろん止まり過ぎて、今度は逆に便秘になったとか、そういうことではない。

 小島:「小学生の頃からずっとこの症状に悩まされ続けて……。それがようやく終わったって思ったら、嬉しくて嬉しくて……。だから、これは御礼。愛原さんのアレ、ほんと凄いね」
 リサ:("゚д゚)ポカーン
 小島:「愛原さん、チョコレート好きだって聞いたから……。本当にこれは気持ちだからね。良かったら食べて」
 リサ:「う、うん。ありがとう」

 リサはポカンとしたまま箱を鞄にしまった。

 リサ:(私の触手、そんな病気を治す効果なんて無いと思うけど……。多分、ただの偶然……)
 斉藤:「お待たせ、リサさん。大事な話があるのよ」
 リサ:「サイトー、遅かったね。サイトーも下痢?」
 斉藤:「なワケないでしょ!トイレが混んでたの!あのトイレ、いつも混んでるから!」
 リサ:「分かった。分かったから。で、話って何?」
 斉藤:「昨日、リサさんがお腹の老廃物を全部食べてくれたから、今朝からお肌の調子がいいの。ほら、スベスベでしょう?」
 リサ:「サイトー、いつもスベスベだと思う」
 斉藤:「も、萌えぇぇぇぇっ!……そ、そうなんだけど、それより更に調子がいいのよ。リサさんのおかげね」
 リサ:「私、何もしてないけど……」
 斉藤:「はい、これ。御礼」

 斉藤は斉藤でハート形の手作りチョコレートを渡して来た。

 リサ:「今日って、バレンタインデーだったっけ?」
 斉藤:「そうそう。コロナ禍で今年のバレンタインデーが延期に……なってないから!」
 リサ:「サイトーもチョコか。うん、悪くない」
 斉藤:「『も』?『も』って何!?」
 リサ:「『藻(も)は、藻類より広く、水生の光合成真核生物全般を指す。ただし、単細胞生物など微小なものは含めないこともある。「そう」と読んだ場合は、藻類と同義に使うことが多い』ウィキペディア日本語版より」
 斉藤:「その藻じゃないよ!」
 リサ:「ハハハ、冗談」

 リサは笑った。
 今は完全に人間の姿をしているからか、牙が覗くことはなかった。

 リサ:「コジマからもらった」
 斉藤:「小島さんから?」
 リサ:「うん、ゴディバのチョコ」
 斉藤:「何で何で!?」

 リサは先ほどのやり取りを斉藤に教えた。

 斉藤:「……そういうことなの。やっぱリサさん、凄いね」
 リサ:「多分ただの偶然で、私の触手にはそんな効果は無いと思うけど……」
 斉藤:「まあいいじゃない。そういうことならもらっておけば。でも、あのコのは所詮既製品。私のは本命手作りチョコだってこと、忘れないでね?」
 リサ:「分かった」

 かつてバレンタインデーの時、斉藤から念願の手作りチョコレートをもらえた加藤はそれを口にした後、数日間学校を休むことになったらしいが。

 斉藤:「……ねえ、リサさん。今日私、少し『多い日』なの。『多い日』って辛いよね。でも、リサさんの触手で舐め取ってもらえたら、楽になれそうな気がするの」
 リサ:「うん。気のせいだと思う」
 斉藤:「そんなこと言わないで『試食』してみて!」
 リサ:「うーん……」

 リサは時間割を見た。

 リサ:「今日、体育があるね。その時、『精査』してみる」
 斉藤:「ええっ?」
 
 リサはニヤリと笑った。

 リサ:「ここでは人目があるからね」

 リサが斉藤を『精査』したのは体育の授業の前だった。
 制服から体操着に着替える際、リサが斉藤の股間の匂いを嗅いだのである。

 リサ:「うん。不合格」
 斉藤:「ええーっ!」
 リサ:「下り物は多分ダメだよ」
 斉藤:「違いが全然分かんないんだけど……」
 リサ:「分かんなくて当然。サイトーは人間、私はBOW」
 斉藤:「もっと血が出ていれば合格なの?」
 リサ:「分かんない。そういえば私、確かに人間の血は好きだけど、アソコの血が欲しいと思ったことは無かったね。自分も(生理に)なるからなのかもしれないけど」
 斉藤:「でもそれを言ったら、リサさんだってお手洗いで用を足すでしょう?」
 リサ:「だから、自分でもそれは分かんないんだって。触手が食べたいってなったらそうなだけ」
 斉藤:(リサさんの触手は別の生き物なの?)
 小島:「愛原さん、斉藤さん、早く行こう!チャイム鳴っちゃうよ!」
 リサ:「おー!」
 斉藤:「何か小島さん、急に元気になったね」
 リサ:「私のおかげ、か……」

 しかしリサは結果的に人助けになったことを喜ぶよりも、小島から下血した血液を摂取できなくなるのが残念という気持ちの方が強かった。

 リサ:「ん、なに?」

 校庭に向かうリサ。
 その背中が疼くのを感じた。
 背中に収納している触手が、何かを訴えている。

 リサ:「なるほど。あれは美味しそう」

 リサの視界に入ったのは、別の女子生徒。
 どうやら下級生らしい。
 リサは3年生なので、2年生か1年生のどちらかということになる。

 リサ:(次はあのコを『食べて』みるか……)

 リサはニヤリと笑った。
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“愛原リサの日常” 「リサの捕食行動」 2

2020-10-08 14:47:38 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[10月6日17:00.天候:曇 東京都墨田区某所 東京中央学園墨田中学校・西校舎3F女子トイレ]

 斉藤絵恋:「はぁ……はぁ……」

 すっかり日も短くなった10月。
 トイレの窓から差し込む光は弱く、トイレの中は暗い。
 ましてや、個室ともなれば尚更だ。
 リサに大腸と膀胱の老廃物を根こそぎ吸い取られた斉藤絵恋は、そのあまり超絶気持ち良さから、何度もオルガに達した。
 普通、病院でカテーテルから採尿されたり、内視鏡検査で宿便を排除されたくらいではそんなことにはならない。
 しかし、リサの触手を突っ込まれた者は皆、そのような精神状態に陥るのだという。

 リサ:「ハハ……。サイトーのでお腹いっぱいだよ。それじゃ、あとは気をつけて帰ってね」

 リサは触手を背中に収納すると、脱いだ上着を着直し、個室を出た。

 斉藤:「え……ちょっ……」

 処女でありながら何度もイッてしまい、立つことさえままならなくなってしまった絵恋は、1人暗いトイレに取り残されることとなった。

 斉藤:「いやだ……こわい……!」

 斉藤はヨロヨロと鞄を取ると、ヒョコヒョコした足取りで何とか個室のドアを開けた。

 斉藤:「あっ!」

 だがその途端、バランスを崩して転倒しかける。

 リサ:「おっと」

 しかし、個室の外にいたリサがそれを抱き止めた。
 持っていた鞄は落としてしまったが。

 斉藤:「り、リサさん……待っててくれたの?」
 リサ:「うん。一緒に帰ろう」
 斉藤:「ありがと……」

 斉藤はリサに肩を貸してもらいながら、トイレの外に出た。
 誰もいない廊下なので、廊下の照明も点灯していない。
 点いているのは非常口誘導灯と消火栓の赤ランプくらいだ。

 斉藤:「リサさん、お願いがあるの。小島さんの時はおんぶしてあげたでしょう?私にもしてほしいな」
 リサ:「……分かった」

 リサはしゃがむと、斉藤を背負った。

 リサ:「フム。斉藤の方が重い」
 斉藤:「そんな、リサさん!」
 リサ:「コジマは病気でガリガリに痩せてるからね。そりゃそうだよ」
 斉藤:「あ、いや、ま、そうだけど……」

 リサが斉藤を背負って歩き出そうとした時、リサがふと気づいた。

 リサ:「サイトー、パンツ穿いた?」
 斉藤:「あっ……!忘れてたわ」

 斉藤は一度降ろしてもらい、そこから鞄の中に入れた自分の下着を出そうとした。

 斉藤:「? おかしいわ。ここに入れたはずなのに、無い。無くなってる」
 リサ:「鞄のチャックを閉めなかったね。どこかに落ちたんじゃない?もう1回、トイレの中を探してみたら?」

 不気味なトイレの中をもう一度……。

 リサ:「私も行くから」
 斉藤:「う、うん」

 

 トイレの中に入る時、さすがに今度は照明を点けた。
 点けてみると、先ほどまでの暗くて不気味な雰囲気が幾分和らぐ。
 もっとも、それでもさすがに1人で利用するのは気が引けた。
 BOW(人間改造生物兵器)としてのリサは、全く気にも留めないようだが。

 斉藤:「ああっ!いやっ!」
 リサ:「!?」

 先ほどの個室に入って行った斉藤の叫び声がした。
 トイレの外で待っていたリサが、何事かと思って中に入る。
 本当にオバケでも出たのか?
 しかし、リサもリサで『鬼』とか『妖怪』とか『化け物』とかと形容されるBOW。
 ただ単に人間を脅かすだけのオバケなんて、オバケですら無い。
 もしも捕食してくるタイプなのなら、逆に捕食してやるだけだ。
 リサにはそれだけの力がある。

 リサ:「どうした、サイトー?」
 斉藤:「ううう……」

 斉藤は泣きそうな顔で便器を指さした。
 和式便器の中に、斉藤の下着とオーバーパンツが浮いていたのだ。
 恐らく、鞄から落ちて便器に入ってしまったのだろう。

 リサ:「あーあ……」

 リサは便器の中からサイトーの下着をつまみ上げた。
 すっかり水を吸ってビショビショになっている。

 斉藤:「汚い……。もう穿けない……」
 リサ:「少し絞ろうか」

 リサは斉藤のショーツとオーバーパンツを洗面所に持って行くと、水を流しながらまずは洗い、それから絞った。

 斉藤:「恥ずかし過ぎる……。まるでお漏らししたみたい……」
 リサ:「そんなことはない。私も悪かった。洋式トイレだと何か狭いから和式にしてみたけど。今度からは洋式トイレにする。はい」

 リサは斉藤の淡いピンク色のショーツと黒いオーバーパンツを絞ると、サイトーに渡した。

 リサ:「ちょっと待って。コンビニのレジ袋があるから、それに入れておこう」
 斉藤:「便器に落ちた下着なんて……。もう捨てるしかない。まだそんなに穿いてないのに……」
 リサ:「悪かった」

 リサは神妙な面持ちで斉藤に謝罪した。
 斉藤は涙ながらにリサに促されてトイレの外に出た。

 リサ:「! 誰だ!?」

 トイレの外に出たリサが、ギラッと両目を光らせた。
 廊下の向こう、階段の所に人の気配がしたのだ。

 斉藤:「なに!?」
 リサ:「……今、向こうに誰かいた。マズいな。見つかったかも」
 斉藤:「えぇえ……?もしかして、もう見回りの先生が?」
 リサ:「先生だったら、逆にこっちに来るよ。さっき逃げたからね。でも、グズグズしてられない。サイトー、替えのパンツは?」
 斉藤:「う、うん。一応、あるわ」

 斉藤はサニタリーショーツの入ったポーチを取り出した。

 リサ:「取りあえずそれ穿いて。さっさと離れよう」
 斉藤:「わ、分かったわ」

 さすがにリサに背負ってもらうわけにはいかず、一応手を繋いで学校を後にする2人だった。

 斉藤:(さっきの気配、一応人間だったけど、誰だろう?)

 斉藤の言う通り、教職員ではないだろう。
 もしそうなら、下校時刻になって誰もいないはずのトイレの明かりが点いていたり、リサ達の気配を察知して確認しに来るはずだからだ。

 斉藤:「リサさん、ありがとう。すごい……気持ち良かった。小島さん、こういう気持ちだったのね」
 リサ:「うん。私も、少しやり方を考えないと。コジマの場合、お尻の穴から出た血が跳ねてスカートに付いちゃったし、サイトーもパンツを便器に落としたし……」

 とはいえ、リサは……。

 リサ:(アイディア自体は悪くない。別に人間を襲って血や肉を食べたわけじゃないし、愛原先生との約束は破っていないはず。触手で老廃物を吸い取っても、割と私のエネルギーになることも分かったし。さて、今度は誰を食べようか……)

 人間としてより、BOWとしての思考が強くなっていた。
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