[10月7日08:00.天候:晴 東京都墨田区某所 東京中央学園墨田中学校]
リサと斉藤絵恋はいつも一緒に登下校している。
今日も一緒に登校してきたのだが……。
斉藤:「リサさん、ちょっとお手洗い行って来る。……触手、出す?」
リサ:「サイトー?」
斉藤:「じょ、冗談です!ごめんなさい!」
リサ:「私は先に教室に行ってるね」
リサはさっさと教室に入った。
そして自分の席に行って、鞄を置く。
小島奈々:「お、おはよう、愛原さん」
リサ:「コジマ。おはよう」
小島:「こ、この前は……どうもありがとね。これ……ほんの御礼なんだけど……」
小島は持病の潰瘍性大腸炎に冒され、下痢と下血の症状に悩まされていた。
その為、体重が軽く、見た目はガリガリである。
リサのような『食人鬼』が見ても、食欲が湧きそうに無い見た目であった。
で、そんな小島が出したのはゴディバのチョコレート。
リサ:「おー!チョコ!……って、私、礼をされるようなこと、したっけ?」
すると小島、周りを気にしながら耳元で囁くように答える。
小島:「この前、愛原さんにお腹の中、『きれいに』してもらったら、急に良くなったの」
リサ:「は?」
何でも小島の話によると、リサに大腸内を『捕食』されてから、下痢や血便の症状が止まったのだという。
もちろん止まり過ぎて、今度は逆に便秘になったとか、そういうことではない。
小島:「小学生の頃からずっとこの症状に悩まされ続けて……。それがようやく終わったって思ったら、嬉しくて嬉しくて……。だから、これは御礼。愛原さんのアレ、ほんと凄いね」
リサ:("゚д゚)ポカーン
小島:「愛原さん、チョコレート好きだって聞いたから……。本当にこれは気持ちだからね。良かったら食べて」
リサ:「う、うん。ありがとう」
リサはポカンとしたまま箱を鞄にしまった。
リサ:(私の触手、そんな病気を治す効果なんて無いと思うけど……。多分、ただの偶然……)
斉藤:「お待たせ、リサさん。大事な話があるのよ」
リサ:「サイトー、遅かったね。サイトーも下痢?」
斉藤:「なワケないでしょ!トイレが混んでたの!あのトイレ、いつも混んでるから!」
リサ:「分かった。分かったから。で、話って何?」
斉藤:「昨日、リサさんがお腹の老廃物を全部食べてくれたから、今朝からお肌の調子がいいの。ほら、スベスベでしょう?」
リサ:「サイトー、いつもスベスベだと思う」
斉藤:「も、萌えぇぇぇぇっ!……そ、そうなんだけど、それより更に調子がいいのよ。リサさんのおかげね」
リサ:「私、何もしてないけど……」
斉藤:「はい、これ。御礼」
斉藤は斉藤でハート形の手作りチョコレートを渡して来た。
リサ:「今日って、バレンタインデーだったっけ?」
斉藤:「そうそう。コロナ禍で今年のバレンタインデーが延期に……なってないから!」
リサ:「サイトーもチョコか。うん、悪くない」
斉藤:「『も』?『も』って何!?」
リサ:「『藻(も)は、藻類より広く、水生の光合成真核生物全般を指す。ただし、単細胞生物など微小なものは含めないこともある。「そう」と読んだ場合は、藻類と同義に使うことが多い』ウィキペディア日本語版より」
斉藤:「その藻じゃないよ!」
リサ:「ハハハ、冗談」
リサは笑った。
今は完全に人間の姿をしているからか、牙が覗くことはなかった。
リサ:「コジマからもらった」
斉藤:「小島さんから?」
リサ:「うん、ゴディバのチョコ」
斉藤:「何で何で!?」
リサは先ほどのやり取りを斉藤に教えた。
斉藤:「……そういうことなの。やっぱリサさん、凄いね」
リサ:「多分ただの偶然で、私の触手にはそんな効果は無いと思うけど……」
斉藤:「まあいいじゃない。そういうことならもらっておけば。でも、あのコのは所詮既製品。私のは本命手作りチョコだってこと、忘れないでね?」
リサ:「分かった」
かつてバレンタインデーの時、斉藤から念願の手作りチョコレートをもらえた加藤はそれを口にした後、数日間学校を休むことになったらしいが。
斉藤:「……ねえ、リサさん。今日私、少し『多い日』なの。『多い日』って辛いよね。でも、リサさんの触手で舐め取ってもらえたら、楽になれそうな気がするの」
リサ:「うん。気のせいだと思う」
斉藤:「そんなこと言わないで『試食』してみて!」
リサ:「うーん……」
リサは時間割を見た。
リサ:「今日、体育があるね。その時、『精査』してみる」
斉藤:「ええっ?」
リサはニヤリと笑った。
リサ:「ここでは人目があるからね」
リサが斉藤を『精査』したのは体育の授業の前だった。
制服から体操着に着替える際、リサが斉藤の股間の匂いを嗅いだのである。
リサ:「うん。不合格」
斉藤:「ええーっ!」
リサ:「下り物は多分ダメだよ」
斉藤:「違いが全然分かんないんだけど……」
リサ:「分かんなくて当然。サイトーは人間、私はBOW」
斉藤:「もっと血が出ていれば合格なの?」
リサ:「分かんない。そういえば私、確かに人間の血は好きだけど、アソコの血が欲しいと思ったことは無かったね。自分も(生理に)なるからなのかもしれないけど」
斉藤:「でもそれを言ったら、リサさんだってお手洗いで用を足すでしょう?」
リサ:「だから、自分でもそれは分かんないんだって。触手が食べたいってなったらそうなだけ」
斉藤:(リサさんの触手は別の生き物なの?)
小島:「愛原さん、斉藤さん、早く行こう!チャイム鳴っちゃうよ!」
リサ:「おー!」
斉藤:「何か小島さん、急に元気になったね」
リサ:「私のおかげ、か……」
しかしリサは結果的に人助けになったことを喜ぶよりも、小島から下血した血液を摂取できなくなるのが残念という気持ちの方が強かった。
リサ:「ん、なに?」
校庭に向かうリサ。
その背中が疼くのを感じた。
背中に収納している触手が、何かを訴えている。
リサ:「なるほど。あれは美味しそう」
リサの視界に入ったのは、別の女子生徒。
どうやら下級生らしい。
リサは3年生なので、2年生か1年生のどちらかということになる。
リサ:(次はあのコを『食べて』みるか……)
リサはニヤリと笑った。
リサと斉藤絵恋はいつも一緒に登下校している。
今日も一緒に登校してきたのだが……。
斉藤:「リサさん、ちょっとお手洗い行って来る。……触手、出す?」
リサ:「サイトー?」
斉藤:「じょ、冗談です!ごめんなさい!」
リサ:「私は先に教室に行ってるね」
リサはさっさと教室に入った。
そして自分の席に行って、鞄を置く。
小島奈々:「お、おはよう、愛原さん」
リサ:「コジマ。おはよう」
小島:「こ、この前は……どうもありがとね。これ……ほんの御礼なんだけど……」
小島は持病の潰瘍性大腸炎に冒され、下痢と下血の症状に悩まされていた。
その為、体重が軽く、見た目はガリガリである。
リサのような『食人鬼』が見ても、食欲が湧きそうに無い見た目であった。
で、そんな小島が出したのはゴディバのチョコレート。
リサ:「おー!チョコ!……って、私、礼をされるようなこと、したっけ?」
すると小島、周りを気にしながら耳元で囁くように答える。
小島:「この前、愛原さんにお腹の中、『きれいに』してもらったら、急に良くなったの」
リサ:「は?」
何でも小島の話によると、リサに大腸内を『捕食』されてから、下痢や血便の症状が止まったのだという。
もちろん止まり過ぎて、今度は逆に便秘になったとか、そういうことではない。
小島:「小学生の頃からずっとこの症状に悩まされ続けて……。それがようやく終わったって思ったら、嬉しくて嬉しくて……。だから、これは御礼。愛原さんのアレ、ほんと凄いね」
リサ:("゚д゚)ポカーン
小島:「愛原さん、チョコレート好きだって聞いたから……。本当にこれは気持ちだからね。良かったら食べて」
リサ:「う、うん。ありがとう」
リサはポカンとしたまま箱を鞄にしまった。
リサ:(私の触手、そんな病気を治す効果なんて無いと思うけど……。多分、ただの偶然……)
斉藤:「お待たせ、リサさん。大事な話があるのよ」
リサ:「サイトー、遅かったね。サイトーも下痢?」
斉藤:「なワケないでしょ!トイレが混んでたの!あのトイレ、いつも混んでるから!」
リサ:「分かった。分かったから。で、話って何?」
斉藤:「昨日、リサさんがお腹の老廃物を全部食べてくれたから、今朝からお肌の調子がいいの。ほら、スベスベでしょう?」
リサ:「サイトー、いつもスベスベだと思う」
斉藤:「も、萌えぇぇぇぇっ!……そ、そうなんだけど、それより更に調子がいいのよ。リサさんのおかげね」
リサ:「私、何もしてないけど……」
斉藤:「はい、これ。御礼」
斉藤は斉藤でハート形の手作りチョコレートを渡して来た。
リサ:「今日って、バレンタインデーだったっけ?」
斉藤:「そうそう。コロナ禍で今年のバレンタインデーが延期に……なってないから!」
リサ:「サイトーもチョコか。うん、悪くない」
斉藤:「『も』?『も』って何!?」
リサ:「『藻(も)は、藻類より広く、水生の光合成真核生物全般を指す。ただし、単細胞生物など微小なものは含めないこともある。「そう」と読んだ場合は、藻類と同義に使うことが多い』ウィキペディア日本語版より」
斉藤:「その藻じゃないよ!」
リサ:「ハハハ、冗談」
リサは笑った。
今は完全に人間の姿をしているからか、牙が覗くことはなかった。
リサ:「コジマからもらった」
斉藤:「小島さんから?」
リサ:「うん、ゴディバのチョコ」
斉藤:「何で何で!?」
リサは先ほどのやり取りを斉藤に教えた。
斉藤:「……そういうことなの。やっぱリサさん、凄いね」
リサ:「多分ただの偶然で、私の触手にはそんな効果は無いと思うけど……」
斉藤:「まあいいじゃない。そういうことならもらっておけば。でも、あのコのは所詮既製品。私のは本命手作りチョコだってこと、忘れないでね?」
リサ:「分かった」
かつてバレンタインデーの時、斉藤から念願の手作りチョコレートをもらえた加藤はそれを口にした後、数日間学校を休むことになったらしいが。
斉藤:「……ねえ、リサさん。今日私、少し『多い日』なの。『多い日』って辛いよね。でも、リサさんの触手で舐め取ってもらえたら、楽になれそうな気がするの」
リサ:「うん。気のせいだと思う」
斉藤:「そんなこと言わないで『試食』してみて!」
リサ:「うーん……」
リサは時間割を見た。
リサ:「今日、体育があるね。その時、『精査』してみる」
斉藤:「ええっ?」
リサはニヤリと笑った。
リサ:「ここでは人目があるからね」
リサが斉藤を『精査』したのは体育の授業の前だった。
制服から体操着に着替える際、リサが斉藤の股間の匂いを嗅いだのである。
リサ:「うん。不合格」
斉藤:「ええーっ!」
リサ:「下り物は多分ダメだよ」
斉藤:「違いが全然分かんないんだけど……」
リサ:「分かんなくて当然。サイトーは人間、私はBOW」
斉藤:「もっと血が出ていれば合格なの?」
リサ:「分かんない。そういえば私、確かに人間の血は好きだけど、アソコの血が欲しいと思ったことは無かったね。自分も(生理に)なるからなのかもしれないけど」
斉藤:「でもそれを言ったら、リサさんだってお手洗いで用を足すでしょう?」
リサ:「だから、自分でもそれは分かんないんだって。触手が食べたいってなったらそうなだけ」
斉藤:(リサさんの触手は別の生き物なの?)
小島:「愛原さん、斉藤さん、早く行こう!チャイム鳴っちゃうよ!」
リサ:「おー!」
斉藤:「何か小島さん、急に元気になったね」
リサ:「私のおかげ、か……」
しかしリサは結果的に人助けになったことを喜ぶよりも、小島から下血した血液を摂取できなくなるのが残念という気持ちの方が強かった。
リサ:「ん、なに?」
校庭に向かうリサ。
その背中が疼くのを感じた。
背中に収納している触手が、何かを訴えている。
リサ:「なるほど。あれは美味しそう」
リサの視界に入ったのは、別の女子生徒。
どうやら下級生らしい。
リサは3年生なので、2年生か1年生のどちらかということになる。
リサ:(次はあのコを『食べて』みるか……)
リサはニヤリと笑った。