報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“愛原リサの日常” 「リサの下級生イジメ」

2020-10-15 19:41:01 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[10月7日17:00.天候:曇 東京都墨田区某所 東京中央学園墨田中学校・西校舎3F]

 リサが『捕食』した下級生は1人だけではなかった。
 最初に『捕食』した下級生は栗原愛里とは別人。
 その別人をトイレから連れ出した時だった。

 リサ:「!!!」

 誰も来ないはずのトイレに、栗原愛里はやってきた。

 リサ:(見られた!?)

 リサは咄嗟に最初に『捕食』した下級生を突き飛ばすと、入れ違いにやってきた栗原愛里を無理やり連れ込んだ。

 

 愛里:「な、何ですか!?」
 リサ:「見られたからには、オマエも食う!」

 

 リサは個室に入ると鍵を掛けた。

 愛里:「わ、私、何も見てません!」
 リサ:「ウソつくな!」

 リサは再びブラウスを脱ぐと、第一形態に変化しながら触手を出した。

 愛里:「ひぃぃっ!ば、化け物!?」
 リサ:「死にたくなかったら、言う事聞きな」

 リサは愛里の耳元で低い声で脅した。

 愛里:「あ……は……あ……!」

 愛里はガクガクと足を震わせていた。

 リサ:「まずは下着を脱いで」
 愛原:「た……助け……!」
 リサ:「言う事聞けば殺さないから、早く下着を脱いで……」
 愛里:「はっ……はっ……は……!」

 ジョロ……!ジョオオオオオ……!

 リサ:「ちょっ!まだ触手入れてない!なに勝手に出してんの!」

 愛里はよほど怖いのか、顔からは涙から鼻水を垂れ流し、下からは尿を失禁した。
 たちまち黒いスパッツに目立たない染みが出来て、そこから吸い切れなかった尿が愛里の足を伝って流れ落ちた。

 リサ:「ちっ!この弱虫が!」

 リサは舌打ちをして悪態をつくと、無理やりスパッツをショーツごと下ろそうとした。
 しかし、ショーツは汗でへばり付いているのか、なかなか脱げない。
 上のスパッツは先に脱がせた。
 先ほどの女子生徒がオフホワイトのジュニアショーツなら、愛里のはターコイズ系である。
 いずにせよ、まだ中学1年生女子の下着といった感じだ。

 愛里:「ば、化け物……!助けて……!お姉ちゃ……」
 リサ:「……?」

 リサは愛里の様子がさすがにおかしいと思った。
 そりゃ普通の人間が鬼の姿に変化し、しかも背中から何本も触手を出しているようなヤツに遭ったら、もう恐怖体験以外の何物でもないだろう。
 しかし、愛里はリサの方を見ていなかった。
 もっと何か、別のモノに対して怯えているようだった。

 リサ:「……っ!いいから、早く脱げって!」

 リサはしびれを切らして、触手をショーツの隙間から愛里の尿道へ突っ込ませた。
 まだ残りの老廃物が中にあることを見越してのことだ。
 体の外に尿として出てしまったものは汚らしくて吸えたものではないが、体の中にあるうちはまだ『エネルギー源』としての価値がある。

 ブブブッ!ブリュリュリュリュプッ!ブリッ!

 リサ:「うっ!?」

 今度は大便を失禁した。
 ターコイズのショーツが臀部を中心に、違う色へと変色していく。

 リサ:「何だよ、もう!!」

 リサのせいなのに、彼女は逆ギレした。
 BOWとしては目の前に食事があって、それを食べようとしたら、テーブルをひっくり返されたようなものだ。

 愛里:「……お兄ちゃ……!いやあぁあぁぁあぁ……!」
 リサ:「ふざけるな!」

 リサは尿道から触手を抜き取った。
 結局、中には何も入っていなかった。

 リサ:「あー、もうっ!ムカつく!!」

 リサは愛里を放置すると、さっさとトイレを出て行った。
 出る時、電気を消して真っ暗にしてやることも忘れない。
 因みにさっき『捕食』した女子生徒は逃げ帰ったのか、もういなくなっていた。

 リサ:(また明日、コジマかサイトーのを『捕食』させてもらおう)

[10月11日15:00.天候:曇 東京都墨田区菊川 愛原学のマンション]

 パンッ!と何かを叩く音が部屋中に響く。
 愛原がリサの頬を平手打ちしたのだ。

 愛原:「何てことをしたんだ、オマエは!!」

 リサの下級生イジメが本当だと分かった愛原がリサに体罰を与えたのだ。
 リサはそれを甘んじて受けた。

 高橋:「先生の前では『イイコ』を演じて、学校では『ワル』か。いるんスよねぇ、こういう悪いヤツ。先生、そういうバカは死ななきゃ治りませんよ?ここは1つ、俺がマグナム44でコイツの頭ぁ撃ち抜いてやりますんで……」
 愛原:「高橋は黙ってろ!」
 リサ:「あの時……頭に血が上って……どうしても抑えられなかったの……。ごめんなさい……」
 高橋:「つまり日本刀を持った小娘が、リサを退治しに来たってのは必然だったってことっスね。救い無しっス」

 栗原愛里はあの後、巡回に来た警備員によって発見されている。
 呆然自失としており、警備員の質問に全く受け答えできなかった為、救急車で搬送されたらしい。
 また、侵入してきた変質者のしわざとも考えられた為、警察も呼ばれた。
 だが、防犯カメラにはそのような人物が出入りした形跡は無く、愛里自身が受け答えできなくなってしまった為、リサが犯人だということは未だに発覚していない。
 それでも栗原蓮華はリサのことを突き止めた。
 病院に蓮華が駆け付けると、ようやく意識レベルが元に戻った愛里は蓮華に抱き付いて泣きじゃくり、学校であった怖い話をしたのだそうだ。
 そして、怒りに駆られた蓮華が駆け付けたというわけである。

 愛原:「明日、俺が行って謝って来る。当然、許してくれるとは思えないが、誠意だけは見せておきたい」
 高橋:「本人に行かせりゃいいんじゃないスか?」
 愛原:「病院は原則面会禁止だし、何とか条件を満たして例外的に1人だけ認められる有り様だ。そこへリサ1人だけ行かせてみろ。『流血の惨を見る事、必至であります』だぞ?」
 高橋:「た、確かに……」
 愛原:「栗原蓮華さんの怒りは大変なものだ。そこへリサがのこのこ1人で行ったら、病院に迷惑が掛かる」
 高橋:「病院がバイオハザードになっちゃいますね」
 愛原:「だから、まずは俺が行ってくる」
 高橋:「分かりました。また、車回しますんで……」
 愛原:「いや、いい。俺が1人で行ってくるよ」

 私はリサに向き直った。

 愛原:「リサは1年5組に行って、栗原愛里さんに謝ること。ただ、蓮華さんの話ではショックで学校を休んでるそうだけどね。リサを屋上に連れて行った日は、その為だけに登校したらしい。それと、学校側は事件そのものは把握しているわけだ。担任の先生に、自分の行いを告白するんだ。いいね?」
 リサ:「……はい」
 高橋:「これで収まりつきますかね?」
 愛原:「いや、無理だろうなぁ。民事裁判起こされたら負けるレベルだぞ?」
 高橋:「俺の知り合いの弁護士に相談してみますか?」
 愛原:「言うてそんなの、少年事件の時の弁護士だろ?」
 高橋:「『何かあったら、いつでも相談しなさい』とは言われました。一度も相談してませんけど」
 愛原:「俺の知り合いの方がいいだろ。こっちは民事裁判に強い」

 既に訴訟を起こされることを覚悟している愛原であった。

 高橋:「善場の姉ちゃんにはどうしますか?」
 愛原:「最悪、『人間を襲った』と見做されて連行されるかもしれん。俺達で何とかできる間は黙ってておこう」
 高橋:「うっス」
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“私立探偵 愛原学” 「見舞い終了後」

2020-10-15 16:03:42 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[10月11日11:00.天候:曇 東京都墨田区江東橋 東京都立墨東病院・駐車場]

 私の名前は愛原学。
 都内で小さな探偵事務所を経営している。
 栗原蓮華さんの見舞いを終えた私は、病院をあとにした。

 高橋:「先生、お疲れさまっス」
 愛原:「おう」

 駐車場に行くと、車の中で待っていた高橋が出迎えてくれた。
 車はレンタカーである。

 リサ:「お帰りなさい」
 愛原:「ああ」

 リアシートではリサが待っていた。
 私は助手席に乗り込んだ。

 高橋:「どうします?取りあえず、飯に行きますか?」
 愛原:「途中で食べて行こう」
 高橋:「了解っス。それじゃ、俺の知り合いが千葉街道沿いのラーメン屋で働いてるんで、そこで」
 愛原:「頼む」

 高橋はエンジンを掛けて車を出した。

 高橋:「で、あのJK、どんな感じでした?」
 愛原:「リサ……というよりはBOW全般への憎悪が激しい。詳しくは話してくれなかったが、まず自分は左足を食い千切られたわけだ。そして、どうも弟さんも殺されたらしいね。しかも、他に殺されている肉親もいる。確かにそれじゃ、憎しみの炎は消えないだろう」
 リサ:「……人間の左足って美味しいの?」
 高橋:「あぁ!?」
 愛原:「いや、そういう問題じゃないんだよ。今回、『リサ・トレヴァー』というBOWは男もいたということが明らかになったが、栗原さんの話では、彼女らを襲ったのは女だということだ。だから、こっちのリサが疑われたんだろう」
 高橋:「何気に、東北で俺達が戦った吉田某が犯人だったりとか?」
 愛原:「いや。お前の話では、吉田美亜は見た目20代の女性だったということだろう?栗原さん達を襲ったのは、それこそ女子中高生くらいの歳だったそうだ。BOWは体の成長、老化が遅い。霧生市のバイオハザード事件から何年か経っているが、多分見た目はそんなに変わらないだろう」

 こっちのリサがそうだ。
 いや、確かに初めて会った時より背は伸びたし、体つきも成長したように思う。
 現に、初めて会った時に着ていたセーラー服はもう小さくて着れなくなったくらいだし。
 しかしそれにしても、リサは普通の人間である斉藤絵恋さんと比べても成長は遅いのだ。
 それはどうやら人間に戻ってからもそうらしく、人間をBOW化させるGウィルスに感染者したシェリー・バーキン氏もそのワクチンを投与して人間に戻れたものの、成人してからも(アメリカ人にしては)小柄な体型であるという。
 但し、そんな見た目とは裏腹に超人的な身体能力は有しているそうだが。

 高橋:「実は日本人じゃなかったりして?」
 愛原:「ああ、有り得るなぁ!」

 旧・日本アンブレラはアメリカ本体で製造された薬品を輸入して、それを国内に販売するということをやっていた(その薬品自体は危険なものではない)。
 その輸入ルートを悪用して、BOWなども密輸入していたそうだが。

 愛原:「……いや、無いとは言い切れないが、多分可能性は薄いな」
 高橋:「そうっスか?」
 愛原:「だってアメリカ本体は、『リサ・トレヴァー』の研究をさっさと切り捨てたわけだろ?」

 アルバート・ウェスカー一派によって一時再開されたものの、Gウィルスやネメシスの素となる成分を発見された後、再び放棄されている。
 それを日本アンブレラが引き継ぎ、そうして生まれたのが、リアシートに座っている完全体である。
 今のところ完全体と言えるのは、そこの1人で、あとは量産化に失敗した駄作達だと言われているが、完全体はもう1人いるという。
 今度の仕事は、それを探すことになりそうだ。

 愛原:「外国人なんて拉致したら、すぐに大騒ぎだよ」
 高橋:「東南アジアとかだったら分かんないっスよ。入管に捕まる前に、アンブレラが捕まえるとかね」
 愛原:「しかし、日本アンブレラは10代の少年少女を対象していたんだろ?不法滞在のアジア人に、その年代のコがいるかね?」
 高橋:「うーん……さすがの俺も、そっち方面にはそんなに詳しくないので……。ただ、ヤバいヤツは少年院とか少年刑務所にいましたよ」
 愛原:「例えば?」
 高橋:「ブラジル人の10代のヤツとか、いましたけど。群馬辺りで悪さして捕まったらしいっスけど」
 愛原:「群馬かぁ……。ていうか、リサ」
 リサ:「なに?」
 愛原:「リサだって国籍は日本だけど、結局白人の血が4分の1のクォーターだってことまで分かっただろ。リサが捕まってた研究所で、外国人のコとかいたか?」
 リサ:「殆ど私達はお面を着けさせられていたから……」

 制御装置として、リサ達は白い仮面を着けさせられていた。
 これは目の所に横長に切れ目が入っているだけのシンプルなもので、おかげで着用していると素顔が隠せるものだった。

 リサ:「でも外国語喋ってるコはいなかったと思うよ」
 愛原:「そうか」
 リサ:「あ、でも金髪のコとかいたなぁ……。あれ、誰だったんだろ?」
 愛原:「番号は?ほら、左腋の下に入れ墨された番号」

 日本版リサ・トレヴァー達の左腋の下には、管理番号が入れ墨されている。
 うちのリサの場合は『2番』である。
 私達がこれから探そうとしているのは『1番』。
 『3番』以降は強化・量産化に失敗した物とされている。

 リサ:「そこまでは見ていなかった」
 愛原:「そうか……」

 今まで金髪の『リサ・トレヴァー』には会っていないので、これから会うことになるのか、或いは既にもうこの世にいないのかもしれない。

 高橋:「しかし先生。今そのJKは入院中だからいいですけど、退院したら、またこいつの命を狙うと思いますよ」
 愛原:「そうなんだよなぁ。むしろ俺がどうしてリサの面倒を看ているのか、全く理解できないって顔だった」
 高橋:「でしょうね。俺達からしてみれば、ハンターやタイラントをペットとして飼っている人間と会うようなものですよ」
 愛原:「……そういう感覚か」
 リサ:「また私、襲われちゃう?」
 愛原:「一応お前は特別な存在で、このことは日本政府も認めているから、勝手なことをすると処罰されると軽く警告しておいたんだけど……」
 高橋:「権力のチラ見せっスね。さすが先生っス」

 何か、『虎の威を借りる狐』みたいで、あんまり気持ちの良い対応とは言えないのだが……。

 愛原:「それからさ、リサ。お前、帰ったら説教な?」
 リサ:「ふえ!?」
 愛原:「そもそもどうして栗原蓮華さんが動いたのかというと、お前が栗原さんの妹さんを襲ったのがきっかけだったんだからな」
 リサ:「そ、それは……ごめんなさい」
 愛原:「しかも栗原さんから聞いたぞ。お前、本当は『捕食』していないんだってな?」
 リサ:「!!!」
 愛原:「『捕食』以上にヒドいことをお前がしたから、栗原さんが動いたんだ。そのことについて、帰ったら事情聴取だ」
 リサ:「……はい」
 高橋:「何したんスか、こいつ?まさか、先生との約束を破って……?」
 愛原:「簡単に言えば、下級生イジメだよ」
 高橋:「ほーお?コイツ、やりますねぇ……」

 次回、リサのイジメの内容を告発する!
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