報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“愛原リサの日常” 「リサのエスカレート」 3

2020-10-09 19:54:02 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[10月8日17:00.天候:雨 東京都墨田区某所 東京中央学園墨田中学校・西校舎3F女子トイレ]

 女子生徒:「あぁぁあ!な、何これぇ……!ぃやぁあぁあぁ……!」
 リサ:「黙って!声出さないで!」

 リサは1週間便秘に悩まされているというクラスメートの老廃物を触手で吸い取った。

 リサ:(さすが1週間分溜めただけのことはあるね……。濃厚で……硬い……)

 さすがのリサも吸い切れずに、触手が大腸から肛門へと抜けてしまう。

 女子生徒:「ぃやぁああああっ!出るッ!出ちゃうッ!!」

 リサよりも体の大きい女子生徒は、リサが触手を抜いたことで、大腸の奥に溜まっていた老廃物を糞便として排出した。
 よほど硬いのか、便器に落ちる度、ボチャンボチャンと、まるで池の中に石を投げ込むような音がする。

 リサ:(うっぷ……!さすがに濃厚過ぎた……!)

 リサは初めて胸焼けした。

 女子生徒:「はぁ……はぁ……。で……出ちゃった……いっぱい……1週間ぶり……」

 女子生徒は力無く、便座に腰かけた。

 リサ:「前のも抜くよ」

 リサはもう一本の触手を女子生徒の尿道に突き刺し、膀胱にまで送っていた。
 それを抜く。

 女子生徒:「きゃうン!」
 リサ:「オシッコ出る?」
 女子生徒:「も、もう……空っぽよ……。一滴も出ないわ……」
 リサ:「ん、なら良し。これで終わりね。いい?この事は誰にも内緒だよ?もしも言うようなことがあったら……分かってるよね?」
 女子生徒:「分かってる!分かってるからぁ!」
 リサ:「じゃ、早いとこ後片付けして出て」
 女子生徒:「うん!うんうんうん!」

 その様子をトイレの外から見張る者がいた。
 斉藤絵恋である。
 彼女はリサがこの時間、ここに来て『捕食行動』をすることを知っていた。
 そして、見張り役を買って出たのである。
 だが、それを見ながら、斉藤もムラムラし始めていた。

 斉藤:(私にもして欲しい。もう一度……)

〔♪♪(何故か“ハイケンスのセレナーデ” https://www.youtube.com/watch?v=8cXqwAJLQOo)♪♪。「こちらは生徒会です。まもなく下校時刻になります。校内に残っている生徒の皆さんは、速やかに学校外に出てください。……」〕

 斉藤:「う……」

 斉藤は“ハイケンスのセレナーデ”が、まるでシューベルトの“魔王”に聞こえるほどの絶望を感じた。
 そして、中にいた2人が出て来る。

 リサ:「お待たせ」
 女子生徒:「見張り役ありがとう、斉藤さん」
 斉藤:「どう致しまして」

 斉藤は不機嫌そうに答えた。

 女子生徒:「まさか斉藤さんまでグルだったなんて……」
 斉藤:「グルだなんて人聞きの悪いこと言わないで。私はリサさんの親友なんだからね。リサさんの正体くらい、前から気づいてたわよ。それより、この事は絶対に内緒にするのよ?でないともう、あなたの便秘を治してくれる人がいなくなるんだからねっ!」
 女子生徒:「もちろんだよ。斉藤さんも便秘を治してもらったクチなんだね?」
 斉藤:「わ、私は違うから!変な誤解しないでくれる!?」

 3人は校門へ向かった。

 生活指導教師:「お前達で最後だな。……また愛原か。お前、ここ最近、帰るの遅いな?」
 リサ:「すいません。ちょっと中で勉強してて……」
 生活指導教師:「これからはなるべく早く帰れよ」
 リサ:「分かりました」

 校門で待ち受けていた生活指導教師の注意を受け、3人は校門の外に出る。

 斉藤:「あー、びっくりした。たまに、あそこに小松先生が待ち受けてるのよね」
 リサ:「うん、うん」

 校門を出たところで、件の女子生徒とは別れる。

 斉藤:「ね、ねぇ、リサさん……」
 リサ:「なに?」
 斉藤:「その……私にも、してくれる?『捕食』」
 リサ:「もう学校は閉まったよ?」
 斉藤:「だからぁ……これから私の家に来ない?」
 リサ:「サイトーの家?うーん……」

 今日は木曜日なので、学校近くのマンションのことだろう。
 しかしそこには斉藤絵恋専属のメイドがいる。
 あまり変なことをすると、後で大変なことになるかもしれない。
 と、その時だった。

 リサ:「あっ、電話だ」

 リサのスマホに電話が掛かって来た。
 相手は高野である。

 リサ:「高野さん。はい、もしもし?」
 高野:「あっ、リサちゃん。今、学校?」
 リサ:「学校から帰るところ」
 高野:「そうなの。実は急な話なんだけど、愛原先生とマサ、今から出かけることになったから。泊まり掛けで」
 リサ:「ええっ!?」
 高野:「急に善場主任から、仕事の依頼が入ったの。悪いけど、今夜は留守番よろしくだって」
 リサ:「……だったら」

 リサは斉藤を見た。

 リサ:「だったら今日、サイトーの家に泊まってもいい?」
 高野:「斉藤さんち?大丈夫なの?」
 リサ:「大丈夫……?」

 リサがもう一度斉藤を見ると……。

 斉藤:「うん!うんうんうん!」

 斉藤は鼻息を荒くして何度も頷いた。

 リサ:「今一緒にいるんだけど、大丈夫みたい」
 高野:「そう。分かったわ。愛原先生には私から言っておくからね」
 リサ:「うん。ありがとう」

 リサは電話を切った。

 リサ:「愛原先生と高橋兄ちゃん、急に仕事が入ったんだって」
 斉藤:「もううちのメイドには連絡済みよ!すぐに用意するって!」

 恐らく、もう1人分の夕食などのことだろう。

 リサ:「よくよく考えてみたら、別にトイレでしなくてもいいんだ。サイトーの部屋、広いからそこでもいいよね?」
 斉藤:「もちろんよ!お腹も膀胱もパンパンにしておくからね!」
 リサ:「いや、だからそこまでしなくていいって……」

 さっきの濃厚な老廃物のせいで胸焼けを起こしたリサだが、それよりは淡白な斉藤の老廃物で緩和させようとリサは思った。

 リサ:「じゃあ私は一度帰って、着替えとか持ってくる」
 斉藤:「うん!待ってるからね!」

 リサは斉藤と別れると、1人マンションへと歩いて行った。

 リサ:(そろそろバレる頃だから、この辺りが潮時か。あとはサイトーやコジマのを定期的にもらえばいいね)
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“愛原リサの日常” 「リサのエスカレート」 2

2020-10-09 14:11:10 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[10月7日17:00.天候:曇 東京都墨田区某所 東京中央学園墨田中学校・西校舎3F女子トイレ]

 女子生徒:「ああ……あ……あ……」
 リサ:「ごちそうさま」

 リサはいつもの場所に、目を付けた下級生の女子生徒を連れ込むと『捕食』した。
 ガクッと女子生徒は腰が抜けて、蓋が閉まったままの洋式便器の上に座り込む。
 リサは女子生徒の尿道と肛門に突き刺していた触手を抜き取った。

 リサ:「あとは気を付けて帰ってよ」

 リサは触手を背中に収納すると、上着を着た。
 そして、女子生徒の顔を覗き込む。

 リサ:「このことは誰にも言っちゃダメだよ?もし言おうものなら……」
 女子生徒:「ひっ……!」
 リサ:「今度は耳の穴に触手を突っ込んで、脳髄をちゅるりってしちゃうからね」
 女子生徒:「い、言いません。絶対に言いません。だから……」
 リサ:「分かったらさっさとパンツ穿いて」
 女子生徒:「は、はい……」

 女子生徒は震える手で脱いだ下着を穿いた。

 リサ:(こういうやり方があったなんて……。皆バカだねぇ……)

 リサは他の『リサ・トレヴァー』達の顔を思い浮かべてそう思った。

 リサ:「ん?」

 リサの記憶に『1番』の姿が現れた。
 それは名前も顔も分からなかったが、リサとは違うゲージに入れられ、トラックに積まれて霧生市を出て行く記憶だった。

 リサ:(こういう記憶しか無いから、『1番』のこと、愛原先生に言えないんだよね……)

 もっと詳しい記憶があれば、話すつもりだったらしい。

 リサ:「準備できた?早く行くよ」
 女子生徒:「はい……」

 女子生徒はまだ1年生だった。
 だから下着も、まだ子供らしい白一色のものに、体操着のスパッツを穿いたものだった。

 リサ:(これなら中等部卒業までに、バレずにできそうだね……)

 だが、それでも女子達の間では噂になるものである。

[10月8日08:00.天候:雨 同中学校・東校舎1F 3年3組教室]

 女子生徒A:「ねぇ、知ってる?西校舎3Fの噂。何でもあそこにはオバケが出るんだってよー?」
 女子生徒B:「知ってる!触手を生やした化け物で、捕まると命を吸い取られるって噂」
 リサ:(ちっ、誰か垂れ流したな……!てか、命までは取ってないし!)

 そこへリサの前に現れる1人の女子生徒。
 いわゆる、ぽっちゃり体型であった。

 女子生徒C:「愛原さん、ちょっといい?」
 リサ:「なに?」
 女子生徒C:「ちょっと噂を聞いたんだけど……」
 リサ:「……!」
 女子生徒C:「リサさんって、『便秘を治すのが上手』なんだって?」
 リサ:「はあ?」
 女子生徒C:「前に誰かが便秘で悩んでた時、愛原さんが治してくれたって話を聞いたから」
 リサ:(あいつか……!?)

 リサは昨日、『捕食』した1年生の女子生徒を思い出した。
 実は彼女、3日間ほど通じが無かったと言っていた。

 女子生徒C:「私もここ最近……もう1週間近くも出てなくて……。もしリサさんがいい方法知ってるんだったら、教えてもらいたいなぁ……って」
 リサ:「フム……。まあ、いいでしょう」
 女子生徒C:「ほんと!?」
 リサ:「但し、秘密の方法だからね?放課後、誰もいない所でするからね。放課後、一緒に行こう」
 女子生徒C:「ありがとう、愛原さん!期待していいんだね?」
 リサ:「それは大丈夫。もう一度言うけど、秘密の方法だから、誰にも知られちゃいけないの。分かる?」
 女子生徒C:「分かったわ!」

 女子生徒Cは喜んでリサの席をあとにした。
 入れ替わるようにしてやってくる斉藤絵恋。

 斉藤:「ごめんなさい、リサさん。せっかくリサさんの為に溜めてたのに、全部出ちゃった。本当は放課後まで我慢してた方が良かったんだけど……」

 斉藤は自分の腹を触った。
 どうやら先ほど、通じがあったらしい。

 リサ:「別にいい。またの機会でいい」
 斉藤:「それにしても、体の中にある状態じゃなきゃダメだなんて不思議ね」
 リサ:「うん。体の中にあるからいいんであって、体の外に出たものはダメ。体の外に出たものは汚くてダメ」
 斉藤:「体の中にあっても同じだと思うんだけど、そう考えると不思議ね。外に出たものは汚らしくて気持ち悪いのに、それが出るまでは体の中にあるんだから」
 リサ:「そう。その状態で『捕食』するからいいの」
 斉藤:「今度はできるだけお腹パンパンにしてくるからね。オシッコもなるべくガマンして……」
 リサ:「サイトー、別にそこまでしてくれなくてもいいんだよ?」

 リサはさすがに首を傾げてそう言った。

 斉藤:「ねぇ、リサさん。『捕食』は例のトイレでないとダメなの?」
 リサ:「ううん。そんなことないけど……」
 斉藤:「今度、私の家に来て。その時にしてよ」
 リサ:「うん、そうだね。あとは私の家でもいいし。どうせ愛原先生達、平日は夕方まで事務所にいるから」
 斉藤:「それはいいわね!……あとね、リサさん。悪く思わないでね。そろそろ……『捕食』はやめた方がいいんじゃない?」
 リサ:「どういうこと?」
 斉藤:「何か……変な噂立っちゃってるよ。もちろん、私は何も言ってないからね。例のトイレには化け物が出るとか、それだけなんだけど、もしもその化け物の正体がリサさんだってバレたら……」
 リサ:「そう……か」
 斉藤:「私で良かったら、いつでもリサさんに『提供』するから、もう学校であんなことやめようよ」
 リサ:「フム……。少し調子に乗り過ぎたか。分かった。ただ、今日はもう先約が入ってるから、それまでにしておくね」
 斉藤:「それがいいよ。小島さんもまた調子が悪くなってきたみたいだから、小島さんもそのうち申し込みに来るだろうし」
 リサ:「おー!コジマ、また血が出た?」
 斉藤:「だから今日は学校休むんだって」
 リサ:「フム……。(まあ、元々はコジマの血を摂取する為に始めたことだし、当初の目的は達成できたからなぁ……)」

 こうしてリサには斉藤という忠告者がいたから良かった。
 だが、リサはもっと早くに止めるべきだった。
 せめて、斉藤を『捕食』した時点でやめておくべきだった。
 仏罰の手は刻々とリサに迫っていたのである。
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“私立探偵 愛原学” 「一方その頃」

2020-10-09 11:45:06 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[10月8日14:00.天候:雨 東京都港区新橋 NPO法人デイライト事務所]

 私の名前は愛原学。
 都内で小さな探偵事務所を経営している。
 今日はNPO法人デイライトの事務所で、善場主任と打ち合わせを行った。
 このNPO法人デイライトは、とある日本政府機関の外郭団体ということになっている。
 善場主任はその団体の主任ということになっているが、しかし背後にある政府機関の主任でもある。
 事務所自体は表立って行動する法人のそれのせいか、特段隠れるような場所にあるわけではない。
 新橋駅から程近い、都営バスの乗り場に近いテナントビルの中にあった。
 そこで私達は色々な話をしたのだが、その中で気になる話があったので、報告したい。

 愛原:「日本版リサ・トレヴァーが複数いる?でもそれは前々からの情報なのでは?」
 善場:「そうですね」
 愛原:「実際リサ……うちの『愛原リサ』ですが、それと再会した時、彼女は他のリサ・トレヴァーと一緒でした。確かうちのリサが2番で、そのコは『4番』と呼ばれていました」
 善場:「そう。そして宮城で高橋助手達が戦ったそいつは『6番』であることが分かりました」
 愛原:「何番までいるんですか!?」

 リサの断片的な記憶を繋ぎ合わせると、確かに何人も実験体がいたということは分かっている。

 善場:「愛原リサが連れ去られた児童養護施設の他、別の養護施設からも日本アンブレラは実験体候補の子供を『買っていた』ことが分かっています。恐らく、両手の数で数えても足りない数でしょう」
 愛原:「よくバレませんでしたね!」
 善場:「今、芋づる式に発覚していますよ。もちろん、殆どのリサ・トレヴァーは死んでいます。実験途中で死んだり、アンブレラ崩壊の際に証拠隠滅を図って殺処分されたり……」
 愛原:「それでもまだ、うちのリサ以外のリサ・トレヴァーがいると?」
 善場:「高橋助手と戦った者の存在が確認できたので、ほぼ確定です。あと、五十嵐元社長から押収した資料なども合わせまして……」
 愛原:「うーむ……」
 善場:「私が懸念しているのは、愛原リサと同じく完全体、或いはそれに近い状態ながら、制御できていない場合です。愛原リサは愛原所長を慕っておりますので、人食い禁止の約束を固く守らせていることができている状態ですが、中にはそれができていない個体もいると思われます」
 愛原:「でもそんなことしたら、すぐバレるんじゃないですか?」
 善場:「今はそうでしょう。しかし、これからということも考えられます。それと……もう1つ気になることがありまして」
 愛原:「何ですか?」
 善場:「そのリサ・トレヴァーが数を減らしているんです。何か心当たりはありますか?」
 愛原:「は?いや、仰ってる意味がよく分かりませんが。多いと思ったら、今度は減っているとはこれ如何に?」
 善場:「実は西日本の方で、リサ・トレヴァーと思われる死体が2体ほど見つかりました。番号は『3番』と『5番』ですね。それも、刀で斬られた跡があります。首を刎ねられて死んでいました」
 愛原:「刀でリサ・トレヴァーを斬り殺した!?」
 高橋:「パネェっすね!?どこのサムライですか!?」
 愛原:「緋村剣心みたいなのがいるのか……」
 高橋:「いや、竈門炭治郎かもしれませんよ」
 善場:「もちろん相手はBOWです。BOWの掃討行為は国連でも認められ、合法です。武器の使用も認められています。皆さんに銃の所持は許可しているものの、発砲対象においてはBOWまたは『感染者』のみに限定されていることからも分かりますね?例え強盗などであっても、発砲は認められません」
 愛原:「そこは正当防衛として認めて頂きたいものですね。相手は強盗なんだから」
 善場:「その代わり、銃刀法で処罰されますよ。許可条件違反ということで」
 愛原:「日本の法律の甘さを改めて見たような気がします」
 善場:「それより、愛原所長方はその刀を振るった者に心当たりは無いのですね?」
 愛原:「無いですね。斉藤絵恋さんが剣道の方だったらそっちに聞いてみますが、彼女は空手だし……」
 高橋:「そういや俺達、西日本の方には行ったことないっスね」
 愛原:「仕事の依頼が無いんだからしょうがないだろう。東北だって、宮城などの南東北がせいぜいだっただろう?」
 高橋:「それもそうっスね」

 他に存在の確認はできるものの、その所在は明らかになっていないのが『1番』『7番』~『10番』らしい。
 『11番』以降は資料には出て来るものの、所在が確認できないことから、現在の所は死亡扱いされている。
 特に『1番』は脅威的らしい。
 資料にも、『完全体として売り出せる状態』として、うちのリサの『2番』と、どこかにいる『1番』が挙げられているからだ。

 愛原:「その『1番』、もうとっくに外国に売られているなんてことは……」
 善場:「可能性は無いとは言い切れませんが、日本アンブレラは『輸入』はしていても、『輸出』は殆どしていないのです。ですので、国内にいる公算は大きいと思われます」

 要するに日本アンブレラは、リサ・トレヴァーの完全体を造ることには成功したものの、それを量産化することには失敗したというわけだ。
 うちのリサでさえラスボスクラスなのに、それがどこかにもう1人いるとは……。
 私の所みたいに、人食いをしないという約束の元に、どこかで普通の人間として生活してくれていればいいのだが。
 いや、してるのかもしれない。
 だってこうして、政府特務機関ですら所在が確認できないというのだから。

[同日16:00.天候:雨 東京都墨田区菊川 愛原学探偵事務所]

 私と高橋は降りしきる雨の中、事務所へ戻った。

 高野:「あ、先生。お帰りなさい」
 愛原:「ただいま。いやー、参ったよ。話長くってさぁ……」
 高野:「でも、それだけ重要な話だったってことですよね?」
 愛原:「まあ、そうなんだけどな。……リサはいないのか」
 高野:「まだですね。最近、忙しいみたいですね。前はよく学校が終わったら、すぐこちらに寄ってたのに……」
 愛原:「高校進学が近いからかな?」
 高橋:「でも先生、リサのガッコ、高校受験無いんスよね?」
 愛原:「中高一貫校だからな。でも、それでも高等部に上がる際の考査くらいあるだろ。いくら受験が無いったって、中等部の成績が悪かったら、そうおいそれとは上げらんないだろうし」
 高野:「リサちゃん、成績がいいから大丈夫ですよ」
 愛原:「まあな」

 この時、まだ私は知らなかった。
 リサの『放課後の活動』を……。

 高橋:「竈門炭次郎じゃなかったら、冨岡義勇みたいなヤツっすかね?」
 愛原:「だからお前……」
 高野:「何の話ですか?」
 愛原:「いや、実はさ……」

 私は善場主任との話を高野君にも話した。
 しかし、高野君もリサ・トレヴァーを刀で斬り倒した者の心当たりは無いとのことだった。
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