報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

当作品に登場する東京中央学園について。

2021-02-07 22:00:47 | 私立探偵 愛原学シリーズ
 東京中央学園上野高校のモデルは、バンプレスト製ホラーサウンドノベルゲーム“学校であった怖い話”の舞台となる鳴神学園。
 そのリメイク版となる“学校であった怖い話S”は、背景に実写が使われている。
 鳴神学園新校舎については千葉県松戸市にある高校で撮影が行われたとされ、私もネットで市内にある高校の画像を全て調べたところ、1つの県立高校がヒットした。
 尚、エンディングでスタッフロールはあるのだが、そこに撮影協力がクレジットされることはない。
 これは恐らく、撮影を許可する条件として、逆に公表しないような取り決めがあったのだろう。
 まあ、ホラーゲームの舞台となったならば、風評被害を受けかねないので、その理由は分かる。
 ただ、どうして千葉県松戸市の学校なのかは不明だ。
 製作スタッフの中にその関係者がいて、そのツテで撮影協力を仰いだのかもしれない。

 で、分からないのは旧校舎。
 鳴神学園には使われていない木造校舎が残っているという設定なのだが、これがどこで撮影されたものなのかということだ。
 ゲーム画面を見るに、昼間の旧校舎内廊下の写真があるのだが、そこから教室の前にぶら下がっている札には、『四年一組』と書かれているのが分かる。
 さすがにゲームが製作された1990年代半ばにあっても、木造校舎はなかなか残っていなかったと見られ、ましてやそれが高校ともなれば全滅だったのではないだろうか。
 そこで仕方なく小学校を撮影したものと思われる。
 場所についてだが、グッドエンドでエンディングを迎えると、最初に夏の昼間に撮影されたと思われる旧校舎の外観が出て来る。
 その裏手には木々の生い茂る山が見えるので、山間にある木造校舎を撮影したらしい。
 で、ゲームではその旧校舎の設定が、木造3階建てという有り得ないものになっている。
 現実にも木造3階建ての校舎は無かったのか、そのエンディングに登場する木造校舎も2階建てとなっている。
 その為か、ゲーム内では、なかなか旧校舎の全体像が出て来ることは殆ど無い。
 ましてや、“トイレの花子さん”は3階の女子トイレにいるという設定なので、尚更この話の時は旧校舎の外観が出て来ることは無いのである。

 当作品でも木造3階建て校舎は有り得ないと考え、東京中央学園では木造2階建てとした。

 それにしてもホント、あの旧校舎、木造校舎はどこで撮影されたのだろう……?
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“私立探偵 愛原学” 「旧校舎の怪」

2021-02-07 20:11:13 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[1月10日18:00.天候:曇 東京中央学園上野高校 教育資料館(旧校舎)]

 旧校舎の正面玄関の鍵は古く、まるでキーコーヒーのロゴマークのような鍵だった。
 それで中に入ると、木造校舎ならではの木の匂いが鼻をついた。
 私は木造校舎の学校に通ったことは無いが、それにも関わらず、懐かしい感じにさせてくれるのは何故だろう?

 斉藤:「電気は点くのか?」
 坂上:「一応な」

 坂上先生が廊下のスイッチを入れると、薄暗いものの蛍光灯の明かりが点いた。
 さすがの木造校舎でも、照明は蛍光灯らしい。
 そりゃそうか。
 もっとも、この建物が建った当時は分からないがな。
 何しろ、正面入口の外灯が電球だったからな。

 高橋:「先生」
 愛原:「何だ?」
 高橋:「これ、あの地下実験場のヤツと似てませんか?」
 愛原:「……そうだな。だけど、木造校舎の造りなんて、どこも似たようなものだろう。あの合宿所自体が似たようなものだったし」
 高橋:「はあ……」
 坂上:「この教室だ」

 坂上先生は1階のとある教室に入った。
 ここは机や椅子は殆ど撤去され、ショーケースなどが置かれている。
 この学園の歴史を伝えるべく、昔の教科書や制服などが展示されていた。

 坂上:「教育資料館になる前までは、使われていない昔の机や椅子が放置されていたんだがな……」
 斉藤:「この教室がどうかしたのか?」
 坂上:「この教室で、俺達は細田さんから“トイレの花子さん”についての話を聞いた。そして、いざその存在を確かめに行こうとした時、そこから黒木先生が現れて、こっ酷く怒られて追い出されたってわけさ」
 愛原:「旧校舎も見回りの対象だったんですか?」
 坂上:「今はこの建物にも機械警備が入って、学校が閉まっている時は機械警備がセットされるようになっています。もしも無断侵入があったら、センサーが働いて警備会社に自動通報され、警備員が駆け付けることになっています。お気づきになったかと思いますが、正面入口のドアに警備会社のステッカーが貼ってあったでしょう?」
 愛原:「この学校に、別に警備員が常駐しているにも関わらずですか?」
 坂上:「そうです。まあ、警備会社は同じですが」
 斉藤:「これについては、私の回の時、別の参加者の方が話してくれましたよ。まだ黒木先生が赴任してくる前の話だったそうですが、その頃は宿直の先生による見回りが行われていたそうです。もちろん、この旧校舎もその対象です。ところがある日、この旧校舎の見回りをしていた宿直の先生が謎の怪奇現象に見舞われ、重大な精神病に罹って長期入院を余儀なくされ、そのまま退職に追い込まれたという事案があったそうです。怪奇現象の内容についての真偽は確かめようがありませんが、しかしその先生が夜間の見回り中に何らかの事件・事故に巻き込まれ、重大な精神病を発症して……というのはちゃんと記録に残っています」
 坂上:「その話については私も教員になってから聞きました。それ以来、旧校舎の見回りは危険だからという理由で無くなったということです。取りあえず、戸締りの確認だけすれば良いということになりました。もっとも、臆病な人の中には、それすら嫌がる人もいたそうですが」
 愛原:「それは白井や黒木先生とは関係無いのですね?」
 斉藤:「一応は。時系列的には、黒木先生や白井が赴任してくる前の話ですので……」
 愛原:「分かりました。ここで分かったことは、黒木先生は本来見回る必要の無い旧校舎の見回りをしていたということですね?」
 坂上:「そういうことになります。ただ、私達は1階の教室で話をしていたので、戸締りの確認をしに来た黒木先生が私達の気配に気づき、それで中に入って来たという可能性も考えられます。この教室は校庭にも面していますから」
 愛原:「ああ、そうか。電気も点いていますしねぇ……」
 斉藤:「ああ、いえ。今は教育資料館として再生してますから通電していますが、私達が現役だった頃は完全に廃屋と化していたので、電気も止まっていたんですよ。私達は懐中電灯の明かりだけで、ここまで来たのです」
 愛原:「あ、そうなんですか。……なあ、リサ。さっきから何をやっているんだ?」

 リサは周りをキョロキョロと見回している。

 リサ:「この教室……何か、もう1人いるような臭いがする……」
 栗原蓮華:「私も何か変な気配を感じるの」
 愛原:「お、おいおいおい。今は怪談話をしているんじゃないぞ?」
 斉藤:「と、とにかく、あの続きと行きましょう。坂上達が黒木先生に追い出されたが為にできなかったことを……」
 坂上:「本当に行くのか?」
 斉藤:「何だ?」
 坂上:「いや、2階から上は立入禁止になっているんだ。“花子さん”は2階のトイレに出るって話だったからな」
 斉藤:「だが、キミ達はそこに行こうとしたんだろう?」
 坂上:「それはそうだが、何ぶん昔の話だ。ここには生徒もいるし、教員の自分が決まりを破るのは……」
 蓮華:「私は喋りませんよ。もし何でしたら、先生は下で待っていてください」
 坂上:「いや、そういうワケにはいかんだろう!」
 斉藤:「坂上、オマエも何か隠しているのか?」
 坂上:「いや、隠してはいない。だが、俺も“花子さん”はヤバいと思っている」

 そんなことを話しながら、私達は階段の下までやってきた。
 そこにはパーテーションが引かれており、『立入禁止』の看板がぶら下がっていた。
 教育資料館としてのスペースは1階部分だけで十分であり、2階は完全にデッドスペースになったという。

 斉藤:「そんなの行ってみないと分からんだろう?」
 蓮華:「坂上先生、私も斉藤社長の意見に一票です」
 坂上:「栗原は黙ってろ!」
 高橋:「面倒臭ェ。学校の校則がなんちゃらって言うんでしたら、無関係の俺達が行ってきますよ」
 坂上:「尚更問題だ!」

 その時だった。

 日野:「わあっ!?」

 階段の上から何かがボトッと落ちて来た。
 それは人間の手であった。

 日野:「ぎゃああああっ!!」
 坂上:「こ、これは……!?」
 愛原:「落ち着け!落ち着くんだ、日野君!これは作り物だぞ!」
 リサ:「確かに、人間の血や肉の匂いがしない」
 高橋:「人体模型の手とかじゃねーのか、これ?」
 愛原:「あ、そうだ。人体模型か!」
 リサ:「でも、これを誰かが上から落とした!上に誰かいる!」
 愛原:「人間の匂いはするか、リサ?この腕を人間が落としたのなら、人間の匂いがするはずだろう?」

 私は人体模型の腕をリサに嗅がせた。

 リサ:「……しない。ていうか、そもそも匂いがしない。どういうこと?」
 蓮華:「“花子さん”かもね」
 愛原:「どうしてリサが霧生市のアンブレラ研究所で、“トイレの花子さん”に扮していたのか分からなかった。だけど、この上に行けばその理由が分かるような気がする」

 白井がこの学校で教員をやっていた時も、この建物は存在した。
 もしかしたら白井は、科学準備室の倉庫だけでは足りず、この旧校舎にも秘密の研究室を造っていたのかもしれない。

 愛原:「坂上先生。私からも、どうかお願いします」
 坂上:「……分かりました」

 ついに坂上先生は折れた。
 そして私達は、2階に上がる階段を登った。
 木造なので、登る度にギシギシと木の板の軋む音が響く。
 そして、2階に上がった。
 腕を落としたと思われる場所には誰もいなかったが、2階では有り得ない事が起こっていた。

 坂上:「そ、そんなバカな。誰かいるのか?」

 階段からも分かる女子トイレの位置。
 そこから明かりが漏れていた。
 私達がここに入る時、鍵は外から掛かっていた。
 つまり、この建物には私達以外、誰もいないはずなのだ。
 しかも、トイレの位置は新校舎の通用口からも分かる場所にある。
 通用口を出て旧校舎に向かう時、明かりの点いている場所は無かった。
 つまりこのトイレは私達が入った後に、誰かが点けたものだ。
 しかし、それは有り得ない。
 私達が最初に入った教室は入口から一番近い所にあり、しかも入口のドアも古くて、開閉する度にギィギィ音がするのだ。
 そして、廊下も木の板なので、歩く度にギシギシと音がする。
 そんな中を何の物音も立てず、私達に気づかれずに教室の前を進み、階段に向かうなど考えにくいのだ。
 では、誰が……?

 斉藤:「確認しなくてはならんだろう?」
 坂上:「い、いや、待て。危険だ。ここは1つ、戻って警察に……」
 日野:「電気系統が古いから、何かの拍子にスイッチが入ってしまって電気が点いたとは考えられませんか?」
 高橋:「オマエ、バカか!ンなわけあるか!」
 蓮華:「いいですよ。怖い人はそこで震えててください。私が確認に行ってきます」
 坂上:「お前、日本刀で斬り付ける気か?!」
 蓮華:「さすがの私も、いきなりそんなことしませんよ。ある例外を除いてはね」

 蓮華さんは含み笑いを浮かべてリサを見た。

 リサ:「わ、私も行く」
 高橋:「あー、俺も行くぜ」
 愛原:「リサ達が行くのに、俺が行かないわけにはいかないだろう」
 斉藤:「私も確認するべきだと思う」

 それにしても、本当に“花子さん”がいるというのか?
 どうして白井伝三郎は、日本版リサ・トレヴァーを“花子さん”のようにしたのだろうか?
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“私立探偵 愛原学” 「愛原達への招待状」

2021-02-07 15:48:17 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[1月10日17:00.天候:曇 東京中央学園上野高校1F科学室]

 科学準備室の倉庫を出た時、リサが何かの気配を感じ取ったようだ。
 そして、急いで科学室へ向かう。
 その後ろを栗原蓮華さんが続いた。
 彼女も何かを感じ取ったのだろうか、麻袋から日本刀を取り出している。

 リサ:「逃げられた……!」

 科学室には誰もいなかった。
 しかし、閉めたはずの廊下への扉が半開きになっている。

 愛原:「リサ、何かいたのか?」
 リサ:「うん!私と似た気配!」
 愛原:「リサと?」
 栗原蓮華:「確かに、私も少しだけ感じました」

 蓮華さんは霊感が強いらしい。

 高橋:「先生、これ……!」

 高橋が教卓の上を指さした。

 愛原:「これは……!」

 それは白い仮面だった。
 日本版リサ・トレヴァーが着ける仮面である。

 リサ:「……番号が書いてない」

 リサはそれを手に取り、顔に着ける側を見た。
 確かに、リサの仮面には『2』という数字が印刷されているのに、これには何も書かれていなかった。

 坂上:「白い仮面か……」

 その時、学年主任で国語教師の坂上先生が何かを思い出した。

 斉藤:「何だい?」
 坂上:「いや、あの集まりの時に、トイレの怪談を話してくれた人がいたんだ」
 斉藤:「それ、もしかして、細田さんのことか?」
 坂上:「そう!細田さん!あのデップリとした体型の人!」
 斉藤:「覚えてるよ。入試の時、手の化け物に襲われたって話だろ?」
 坂上:「いや、違うよ」
 斉藤:「違う?」
 坂上:「俺の時は、旧校舎に巣くう“トイレの花子さん”のことについて話してくれたんだ」
 斉藤:「そうなのか」
 愛原:「あ、あの、すいません。ちょっといいですか?」

 私は右手を挙げて学園OB達に質問した。

 愛原:「『学校の七不思議特集』で、それに詳しい人達を集めて、1人ずつ話を聞くというスタイルだったんですよね?で、それを何回かに分けて聞く予定だった」
 斉藤:「そうですよ」
 愛原:「参加者は1回目も2回目も同じだったんですか?」
 斉藤:「基本的には別々です。ですが、詳しいことを知っている人達というのは、違う話をいくつも知っていたりするんですよ。その為、必然的に1回目と2回目で連続参加になるという人もいました。1回目と2回目で別の内容の怪談をしてくれましたね。細田さんもそうでした。私の時はこの学校の入学試験の時に遭った怖い話をしてくれましたね。細田さんは高校からこの学園に入った人なので」
 坂上:「私の時は旧校舎に巣くう“トイレの花子さん”の話をしてくれました。より臨場感を持たせる為ということで、場所を旧校舎に移したんです。そして、いざ実際に“花子さん”が出るというトイレに行こうとした時、黒木先生に見つかってしまって、そこで集まりは強制終了というわけですよ」
 愛原:「坂上先生は、どうしてこの仮面を見てその話を思い出されたんですか?」
 坂上:「細田さんの話によれば、“花子さん”というのはセーラー服におかっぱ頭をしていて、白い仮面を着けているんだそうです」
 愛原:「ええっ!?」
 高橋:「リサかよ!?」

 私と高橋はリサを見た。
 坂上先生が話してくれた“トイレの花子さん”って、まんま日本アンブレラが開発した日本版リサ・トレヴァーそのものではないか!
 もちろん、個体によって髪形は異なるが、セーラー服を着ていて白い仮面を着けているという特徴はドンピシャだ。

 愛原:「今もその“花子さん”は旧校舎に!?」
 坂上:「さあ、それはどうでしょう?」
 愛原:「細田さんって方が坂上先生に話してくれた話って、どんな内容だったんですか?」
 坂上:「えーと……。あれはまだ旧校舎が現役だった頃くらい昔の話だそうなんですが、試験で赤点を取った生徒達が補習の為に居残りをさせられていたそうなんですよ。ところが、その補習を見ていた先生は急用ができて帰ることになり、代わりの先生に頼んだらしいんですが、その先生もその生徒達のことを忘れてしまって帰ってしまったそうなんです。かくして校舎に取り残された生徒達は、“トイレの花子さん”に襲われて全員行方不明になったという話です」
 愛原:「何か、作り話っぽいですね」
 坂上:「私もそう思います。私が聞いた“トイレの花子さん”と言い、斉藤君が聞いた“トイレの手の化け物”といい、彼の話が一番信憑性は薄かったですね。もっとも、あの集まりにはもっとフザけた話をしてきた人もいましたがね」
 愛原:「実際、行方不明者はいたんですか?」
 坂上:「いやいや。私も気になって、ここの教員になってから調べてみたんですが、一度に6人も行方不明になった事件なんて無かったみたいですよ。あ、6人というのは、その補習で残されていた生徒の数なんですけどね」
 斉藤:「ただ、それと同じ時期に1人の生徒がイジメを苦に自殺していますね。確か、女子生徒だったかと思います。セーラー服というのは、この学園の昔の女子生徒の制服です。ブレザーに変わったのは、21世紀に入ってからです。意外と遅いですね」
 愛原:「で、どうします?話自体は作り話だとしても、ここにその“トイレの花子さん”が着けていたとされる白い仮面がある。私は『“花子さん”が私達への招待状代わりに、仮面を置いて行った』と見ていますが?」
 坂上:「愛原さんまで何を……」
 斉藤:「面白いじゃないですか。私は興味があります。坂上君、鍵を借りられないか?せっかく来たんだ。あの時……黒木先生に追い出されてしまって、中止になってしまった会合の続きと行こうじゃないか」
 坂上:「今では、俺も黒木先生と同じ立場なんだがねぇ……」
 斉藤:「気にならないのかい?」
 坂上:「斉藤君はそんなに気になるのか?」
 斉藤:「私が気になるのは、旧校舎の取り壊しには関係の無いはずの黒木先生がそれに猛反対し、しかも坂上君の回の時に都合良く現れたという点だ」
 愛原:「私もそこが気になっていました」
 坂上:「黒木先生もこの学校の卒業生だそうだ。だから、あの旧校舎には特別に思い入れがあるんだと聞いた」
 斉藤:「それにしてもねぇ……」
 坂上:「まあ、分かった。そこまで言うのなら、鍵を持ってこよう。ちょっと待っててくれ」

 私達は一旦科学室の外に出た。
 そして、通用口の所で待っていることにした。

 斉藤:「愛原さん。坂上の話を聞いて、何か感じませんか?」
 愛原:「そうなんです。細田さんが社長にしたという話、“新校舎に現れる手の化け物”の話。あれは栃木の日本アンブレラ地下実験場に現れたヤツにそっくりです」
 斉藤:「そして“トイレの花子さん”の姿が、何故か日本版リサ・トレヴァーにそっくりであるということ。全てが日本アンブレラに繋がっていると思いませんか?」
 愛原:「思います。五十嵐元社長にばかり目が行ってましたが、本当の黒幕は白井伝三郎でしょうか?」
 斉藤:「かもしれませんね」
 愛原:「そうなると、黒木先生は何の役なんだろう?と思いますけど……」
 斉藤:「黒木先生に関しては、アンブレラの噂は全く聞きませんでしたね。人当たりが良くて、昭和の学園ドラマに出て来る熱血教師って感じでしたけど……」
 坂上:「お待たせしました。それでは、行きましょう」

 旧校舎の鍵を持って来た坂上先生に先導され、私達は旧校舎へと向かった。
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