報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
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 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「リサにも多少の異変はある」

2024-02-19 21:00:01 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[2月28日15時00分 天候:晴 東京都墨田区菊川2丁目 愛原学探偵事務所]

 善場「今日は少し冷えますね」
 愛原「ええ。昨日は暖かったのに、三寒四温とはよく言ったものです。また少し肌寒い周期に入りましたかな」

 私は善場主任と、打ち合わせをしていた。

 善場「リフォームの件は如何ですか?」
 愛原「お陰様で、少しずつではありますが、前進しつつあります。今日も午前中、内装会社に見積もりの依頼をしてきたところなんですよ」
 善場「そうでしたか」
 愛原「何せこういう事は初めてなもので、なかなか相場というのが、インターネットでしか分からなくて……」
 善場「だいたい、50万円から100万円の間が相場でしょうね」
 愛原「やっぱり主任もそう思われますか?」
 善場「はい。幸いこのビルにはエレベーターがありますので、パーツごとに運べば材料の運搬にさほど労力は掛かりません。その為、その分の費用は安くなると思われます」
 愛原「そうですか!」
 善場「はい」
 愛原「まだ1社しか見積もりの依頼はできていないので、あと2~3社ほど見積もり依頼をしたいと思います」
 善場「その方がよろしいかと思います」

 するとそこへ、リサが帰って来た。
 今日は来訪者がある、つまり主任がいるので、事務所には寄らず、そのままエレベーターで4階へ上がって行った。

 善場「東京中央学園の春休みは、3月20日からでしたね?」
 愛原「そうです。都立高校とは、やや異なるようですね」
 善場「都立高校は3月25日からです。私立の学校法人なので、やや期間に相違があるようです」
 愛原「そうですか。予定通りに22日からということで」
 善場「ありがとうございます」

 実際の修了式は20日。
 しかし21日は春分の日で、藤野の研究施設自体が休みである為、その次の22日からとなった。
 前乗りする為、20日に八王子辺りのホテルに宿泊することになる。
 21日にしないのは、正にその日に栗原蓮華と勝負をするつもりでいるからだ。

 愛原「既に予約はしてあります。リサと2人だけかと思いきや、何でもレイチェルも一緒なんだそうですね」
 善場「栗原蓮華に対する警戒というのもありますので、御理解ください。BSAAからも、実際にBOWを移送するという実地訓練の意味合いもあるようです」
 愛原「すると、他にもBSAAが?」
 善場「実際に所長とリサに付くのはレイチェルだけですが、GPSなどで本部からの監視はあると思います」
 愛原「そういうことですか」
 善場「往復に掛かる費用については、私共に請求して頂ければ対応させて頂きます」
 愛原「分かりました」

 しばらくして、私服に着替えたリサがやってくる。

 リサ「先生、3階の冷蔵庫、“鬼ころし”が無くなったから、ここから持って行くよ?」
 愛原「分かった、そうしてくれ。後でパールに買いに行かせるから」
 リサ「分かった」

 リサは冷蔵庫の中から、パック入りの“鬼ころし”を口にした。

 

 髪の色は脱色したかのような色だったのが、“鬼ころし”を飲むことで、また黒に戻る。
 そういえば栗原蓮華も人間だった頃は、黒々とした髪だったのが、今では銀髪に変わっている。
 染めたのではなく、そのように髪色が変化したのだという。
 リサにもその現象があるということか。
 本来なら法律で禁止されている未成年飲酒に当たるが、“鬼ころし”だけは例外扱いとなっている。
 但し、泥酔するほど飲んではいけない。
 あくまで、暴走を抑える為の薬として飲んでいるだけだ。
 尚、ただの日本酒であるはずの“鬼ころし”にだけ、どうしてそのような効果があるのかは不明だし、他の鬼型BOWにも効果があるのかどうかも不明だ。
 体操服にブルマという姿にならなかったのは、善場主任がいたからだろう。
 今はパーカーと、下はデニムのショートパンツになっている。

 善場「リサ。来月は20日出発の、22日から開始です。宜しいですね?」
 リサ「分かりました」
 善場「順調に行けば、3月末には帰れるはずです」
 リサ「向こうで蓮華と決着を付けるんだね。分かった」
 善場「恐らく今のリサと栗原蓮華は互角。それでも、BSAAが全力で支援しますので、心配しないでください」
 リサ「あんな奴には負けないよ」
 愛原「だがリサ、あいつは人を何人も食ってる。大してお前は、それほど人食いをしているわけではない。その差はあるかもしれない」
 リサ「あいつは赤の他人しか食べてないでしょ?」
 愛原「?」
 リサ「わたしは先生の血液やその老廃物を時々摂取してるからね。好きな人のそれを吸うって、自分で言うのも何だけど、結構デカいよ」
 善場「さすがはリサです。そこに気づきましたか」
 リサ「うん。だから、ダンナを食ったリエは強い。私が第3形態くらいまで変化しないと勝てないくらいに」
 愛原「あれ、お前がブチギレていきなりそこまで変化したんじゃないの?」
 リサ「私もあいつも鬼だから、何となく分かるんだよ。で、私の鬼の知識を照らし合わせて、あいつの強さを推し測り、それから……」
 愛原「リサ!」
 リサ「……ただの偶然だったの」
 善場「ある程度の摂取は黙認しますが、過剰摂取は『捕食行為』と看做して、BSAAが出動することになるかもしれませんので、十分気を付けてくださいね」
 リサ「分かった。それと先生」
 善場「何だ?」
 リサ「4階のシャワールームの工事の件、レイチェルに相談してみたら、何かBSAAの工兵部隊が手伝ってくれるみたいな話になったってよ」
 愛原「ファッ!?」
 善場「BSAAが、民間業務委託者の家庭の内装工事を引き受けるですって?」
 愛原「高く取られそう……。主任、軍隊にやってもらったら高いですよね?」
 善場「……ですね。一応、確認してみます。もしかしたら、アメリカンジョークかもしれませんし」
 愛原「す、すいませんね」
 善場「いえ。それでは、3月の件、よろしくお願い致します」

 こうして、善場主任との打ち合わせは終わった。
 ……アメリカンジョークじゃなかったら、どうしよう?

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