報恩坊の怪しい偽作家!

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 実際のものとは異なります。

“愛原リサの日常” 「久しぶりの登校」

2024-12-25 15:11:43 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[6月17日08時00分 天候:晴 東京都台東区上野 東京中央学園上野高校]

 愛原「さあ、着いた」
 リサ「むふー!」
 愛原「俺は職員室に行って来るから、オマエは教室に向かえ」
 リサ「了解」

 リサと愛原が学校の敷地内に入った時だった。

 レイチェル「Hey,frieze!!」

 背後からレイチェルの鋭い声が聞こえた。
 振り向くと、制服姿のレイチェルがリサと愛原に向けて、ハンドガンを構えていた。
 アメリカ陸軍でも使用されているM17だろう。
 9口径のオートマチック拳銃だが、それでリサを殺せるだろうか?

 リサ「……政府から、BSAAは撤退しろと言われたはずだけど?」
 愛原「おい、レイチェル!ここでそういう騒ぎは……」

 するとレイチェルは銃を下ろした。

 レイチェル「フェイク(偽情報)に踊らされた、こちらの負けですよ」
 愛原「俺達が悪魔に魂を売ったなんて、ガッツリ偽情報だからな?BSAAに拘束される謂れは無いぞ?」
 レイチェル「ええ、分かっています」
 愛原「その誤解は解けたようだが、本来は戦闘訓練を受けに行くはずのキミがそれを休んで学校に来るということは、今日は何かあるということだな?」
 レイチェル「軍機です」
 愛原「キミはまだ訓練兵だ。その訓練兵は参加できない作戦が、近いうちに決行されるということだな?」

 愛原の質問に、レイチェルは青い瞳を見開いたが、すぐに元に戻した。

 レイチェル「軍機です」
 愛原「……分かった。それだけで十分だ。それじゃリサ、俺は職員室に行ってくるから」
 リサ「う、うん」
 レイチェル「さすがは、バイオハザードをいくつも潜り抜けたモサです。BSAAの隊員になれるかもしれませんね?」
 リサ「モサ?……ああ、猛者ね!……それは、わたしもそう思う。だけど、先生は探偵の仕事が好きだから、BSAAには入らないと思うよ?」
 レイチェル「BSAAにもスパイの仕事はありますが、ザンネンです」

 リサはレイチェルと一緒に、昇降口に向かった。

 リサ「校舎の修理は進んでるみたいだね」
 レイチェル「夏休み前には終わるみたいですよ。BOW(生物兵器)は破壊が好きですね」
 リサ「いやあ……ハハ……」(←壊した本人)

 校舎の中に入り、教室へと入る。

 淀橋「おー、魔王様のお出まし~!」
 小島「おはよう、リサとレイチェル。リサ、大丈夫?レイチェルに蜂の巣にされてない?」
 リサ「美味しい蜂蜜は取れないからムリ」
 淀橋「魔王様はバズーカでも死なないから」
 リサ「ロケットランチャー食らったら、さすがにマズいけどね」
 レイチェル「訓練生の立場では、非常時以外、ロケットランチャーの使用は認められていません」
 リサ「うん。……いや、それ、そのハンドガンもでしょ!?」
 淀橋「使う前提で話すから、思わず騙されるね」
 レイチェル「Oh,sorry!」

[同日08時35分 天候:晴 同学校1階・3年3組]

 坂上「……というわけで、愛原リサさんが、1ヶ月の停学を終えて今日から復帰致します。皆さん、仲良くしてあげてください」
 リサ「へへ、どうも……。この度は、とんだお騒がせを……」
 男子生徒A「先生!それじゃ転校生の紹介っスよ!」

 さしものリサも、さすがに同級生達には詫びを入れた。

 リサ「今後は2度とああいうことの無いようにしますんで……ドモドモ……」
 男子生徒B「魔王様入場のテーマ、ON!」(自分のスマホから音楽を流す)

 https://www.youtube.com/watch?v=BayW7aXI0zI

 リサ「……尚、下校チャイム後の女子トイレの使用に関しては、安全の保障はしないので、ご承知おきを」

 リサ、両目の瞳を赤くボウッと光らせる。

 坂上「いや、下校のチャイム鳴ったら帰れよ?」
 リサ「さ、サーセン」
 坂上「お前もフザけるな!」
 男子生徒B「サーセンw」
 坂上「まあ、いい。愛原は今後、気をつけるように」
 リサ「はい」
 坂上「これ以上停学になったら、留年必至だからな?」
 リサ「はーい」

 リサは席に戻った。

 坂上「続いて、今日の予定をお知らせします。昨日は爆弾騒ぎで授業が中止になりましたが、この埋め合わせは今日はしないで、来週の土曜日に行われるかもしれません」
 淀橋「えー?来週休みだったのに……」
 坂上「今日しないのは、急な事になって皆さんの準備が大変なのと、午後からは臨時のPTA総会が行われるからです。なので、今日は特に授業が終わったらすぐに帰るように。……ああ、生徒会並びに、設営ボランティア志願の人は、残って会場設営の協力をお願いします」
 リサ「多分、それわたしだ」
 レイチェル「私も手伝いますよ」
 リサ「悪いねー」

[同日13時00分 天候:晴 同地区 ウェンディーズ・ファーストキッチン上野浅草口店]

 授業は予定通り、昼までで終わった。
 臨時PTA総会の会場設営の手伝いをしたリサとレイチェルは、それが終わるまで昼食を取りに行った。
 参加者の案内などは教職員や生徒会がやるので、リサ達は一旦御役御免となった。
 総会が終わったら、今度は片付けを手伝うことになる。
 それまで休憩だ。
 土曜日は学食が開いていないので、一旦学校の外に出て昼食である。

 リサ「体育の後で設営って、これは絶対お腹空くよ!」
 レイチェル「それはそうですね」
 リサ「体力自慢のわたし達でないとできないね」
 レイチェル「そう……ですかね」

 カウンター席に2人並んで、ハンバーガーを頬張る。
 結局、何だかんだ言って仲の良い2人である。

 リサ「今日は何があるの?」
 レイチェル「ですから、機密です」
 リサ「ちぇっ、ケチ……」
 レイチェル「仮に何かあるにしても、この日本ではないので安心してください」
 リサ「外国で何かあるんだ?」

 レイチェルはそれ以上答えなかった。
 しかし、レイチェルが片耳に着けているインカムからは、こういう音声が流れていた。
 日本語に訳すると、こう。

 『ヒデキ・サイトウはロシア国内を移動中!尚、移動にはシベリア鉄道を使用していると思われる!列車を捕捉したいところだが、ロシア政府からの妨害を受けている!』
 『プーチン大統領に抗議せよ!……クソッ、日本政府はヒヨって好き勝手にさせてくれるのに!!』
 『さすがの日本政府も、先日の我々の行動には文句言ってきたがなw』
 『ロシアのエージェントは!?エージェントを使え!一般乗客を装って、列車に乗せるんだ!』
 『ダメです!ロシア政府に、軒並みスパイ容疑で拘束されてます!!』
 『なにいっ!?プーチン大統領、何を考えている!?国連の決め事を破る気か!?』
 『一応、ロシアは常任理事国のはずなんですがねぇ……』

 レイチェル「色々とあるんですよ。色々とネ……」
 リサ「ふーん……?」

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