報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「迫りくるタイラント」

2019-09-19 18:56:32 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[8月25日03:00.天候:曇 宮城県宮城郡松島町上空 BSAA極東支部日本地区本部ヘリ機内]

 パイロット:「αチームよりHQ!スーパータイラントは未だ沈黙せず!Σチームより強奪したロケットランチャーを使い、地上部隊に対し攻撃を仕掛けているもよう!市街地に多大な被害の発生恐れあり!繰り返す!……」
 HQ:「了解。HQよりαチームにおいては地上に散開し、スーパータイラントの市街地突入を阻止せよ!……αチーム!αチーム!応答せよ!今の件、了解か!?応答せよ!」

[同日同時刻 同町内 松島中央ホテル隣接ビル屋上]

 愛原:「皆、無事か!?」
 高橋:「な、何とか……!」
 高野:「私ら、運だけはいいみたいですねぇ……」

 私の名前は愛原学。
 都内で小さな探偵事務所を経営している。
 ホテルに何か餓鬼とはまた違うトンデモナイ化け物が襲って来たと思われ、しかもそれはリサをも怯えさせる存在のようである。
 私達は取りあえず、この町からの脱出を図るべく、まずはホテル屋上と繋がっている隣のビルの屋上に避難した。
 すると、またもやヘリコプターが墜落した。
 今度は私達のホテルの屋上に墜落しやがった。
 あと一歩避難するのが遅れたら、私達はあの世へ行っていたな。
 しかし、これでもうホテルへは戻れなくなってしまった。
 ヘリの破片が私達のいる隣のビルにまで飛んでくる有り様だ。
 そしてその中に隊員が持っていたと思われる無線機が入っており、それでHQの無線が聞こえたというわけである。
 因みにHQとは作戦司令本部のこと。

 愛原:「HQ、HQ、聞こえますか?こちら松島町内にいるフツーの観光客ですけどー?」
 HQ:「愛原……?いや、ザーーーーーーーーーーーーーーーー」
 愛原:「あ!?」

 名乗ってもいないのに何故かHQが私の名前を言った。
 で、すぐに雑音に変わった。
 今のオジサンの声、どこかで聞いたような気がするんだがなぁ……?

 愛原:「観光客が5人、町内に取り残されてるんで、救助に来て欲しいんですけど?」

 しかし、帰って来るのは雑音だけだ。

 高橋:「先生の要請をスルーするとは、BSAAの連中もナメてますね」
 愛原:「それより今の司令員、俺と知り合いか?一瞬、すぐに俺だと分かったみたいだぞ?」
 高橋:「さすが先生、お顔が広い!」
 愛原:「いや、BSAAに知り合いはいなかったと思うんだが……。ゲホッゲホッ!」

 その時、ホテル屋上に墜落したヘリが炎上し、風向きが変わったのか、その煙が私達のいる方にまで飛んで来た。

 高野:「先生、そんなことより早く避難しましょう!」
 愛原:「それもそうだな!」

 

 隣のビルはホテルではなく、ただのオフィスビルか何からしい。
 ホテルと同じ5階建てのビルだ。
 こちらのビルは幸い、屋上までエレベーターで上がれるらしい。
 階段室に入ると、すぐにエレベーターもあった。
 停電はしていないので、エレベーターも動く。
 1階に止まっていたエレベーターを呼び出した。

 リサ:「! 何か来るよ!?さっきの……さっきヤツ……!」
 愛原:「何だって!?」

 ホテルを襲ったヤツか?
 どうして私達がここにいると分かったのだろう?
 てか、むしろそいつは私達に用があるのか!?
 エレベーターが屋上まで上がって来る。
 私は最初、リサの言っているそいつがエレベーターで上がって来るものと思っていたので、つい手持ちのショットガンを構えてしまった。
 しかし、エレベーターの中はもぬけの殻だ。

 高橋:「先生!階段から何かが来ます!」
 愛原:「構っている場合じゃない!早く乗るぞ!」
 高橋:「はい!」

 何かの呻き声や咆哮のようなものが聞こえたので、人間ではないだろう。
 私は全員が乗ったのを確認して、エレベーターのドアを閉めた。
 思わず閉めるボタンを連打してしまったので、私も慌てていたか。
 ドアが閉まり切る直前、そいつは屋上まで上がって来た。

 リサ:「た……タイラント君……」
 愛原:「なにっ!?」

 それはタイラントなのか!?
 しかし、リサがそう言っているということは……。
 で、さっきの無線、スーパータイラントとは……?
 その時、天井の上から何か大きな音が聞こえた。

 高橋:「先生!どうやらヤツがエレベーターのドアをこじ開けようとしているようです!」
 愛原:「何だって!?1階はまだか!?」
 高野:「まもなくです!」

 1階に到着し、ドアが開く。
 エレベーターを降りると同時に、カゴの天井から大きな音が聞こえて来た。
 エレベーターシャフトを飛び降りて来たのか!

 愛原:「急いで外へ出ろ!」

 ビルの外に出る!

 高橋:「先生!これからどうします!?」
 愛原:「電車はさすがにムリだろう!車があれば、それに乗せてもらって……!」

 と、その時だった。
 私達の前に1台の装甲車が止まった。
 もちろんそれはBSAAの車だった。

 隊員A:「愛原さんですか!?」
 愛原:「そ、そうですが……?」
 隊員A:「HQからの命令で救助に来ました!早く乗ってください!」
 愛原:「えっ!?じゃあの無線、やっぱ通じてたの!?」
 高橋:「先生、早く乗りましょう!」
 愛原:「そ、そうだな!」

 私達は早速装甲車に乗せてもらった。

 隊員A:「しっかり掴まっててください!」
 愛原:「ああ!」

 装甲車が走り出すと同時に、ビルから1体のクリーチャーが飛び出してきた。

 リサ:「タイラント君!タイラント君が!」
 隊員B:「ΘチームからHQ!スペードエリアにてA以下5名を保護!尚、その中に『リサ・トレヴァー』も含まれている!」
 リサ:「タイラント君が追って来るよ!」
 HQ:「了解!スーパータイラントの目的は、『リサ・トレヴァーの奪取』である公算が大きい!Θチームにあっては、何としてでも『リサ・トレヴァー』の強奪を阻止すること!」
 隊員B:「Θチーム、了解」
 隊員C:「発射!」

 タイラントの足は速い。
 車に追いつけられるほどだ。
 隊員Cが装甲車に装備されたガトリング砲でタイラントを撃っているが、殆ど効いていない。

 高橋:「もっと早く走れ!」
 隊員A:「これ以上は無理だ!道路が狭い上、乗り捨てられた車が邪魔だ!」

 タイラントはそんな路駐の車を薙ぎ払うようにして追い掛けてくる。

 隊員A:「うおっと!?」

 その時、対向車線から大型トレーラータイプのタンクローリーがやってきた。

 隊員A:「おい!規制線は張ってなかったのか!?」
 隊員B:「地元警察なにやってんだよ!」

 タンクローリーは対向車線を走っているタイラントに向かってクラクションを鳴らしたが、タイラントは退けず、むしろ!

 愛原:「無茶苦茶だ!あのバカ!!」

 ヘッドに体当たりして横転させると、後ろのタンクを引きちぎった。
 ヘッドは炎上したが、タンクは燃えていない。

 愛原:「お、お、おい!まさか!?」

 タイラントはデカいタンクを持ち上げると、それを私達に向かって投げつけた。

 隊員C:「しゃらくせぇ!」

 ガソリンをタダ漏れさせながら装甲車に飛んで来るタンク。
 隊員Cがそれに向かってガトリング砲を放った。
 と、同時に車がトンネルの中に入る。
 トンネルの外で、タンクが大爆発を起こした。

 隊員A:「C、やり過ぎだぞ!」
 隊員C:「あのままじゃ、俺達がタンクぶつけられてたぞ!?」
 隊員B:「まあ、あの分ならスーパータイラントも追って来れないだろう」
 愛原:「あれ、スーパータイラントだったの!?」
 隊員A:「そうですよ。だから困ってるんです」
 隊員B:「むしろその『リサ・トレヴァー』に制御してもらえませんか?」
 愛原:「いや、無理だって!」
 高野:「ちょっと!後ろ!」

 高野君が何かに気づいた。
 それで私達は後ろを振り向いたのだが、正に大きな絶望が私達に迫ろうとしていた。
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“私立探偵 愛原学” 「戒厳令」

2019-09-19 15:16:11 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[8月25日02:00.天候:曇 宮城県宮城郡松島町 松島中央ホテル]

 私の名前は愛原学。
 都内で小さな探偵事務所を経営している。
 24日は何も起こらず、私達は就寝した。
 が、日付が変わった真夜中に目が覚めた。

 愛原:「ん……?」

 何だか花火のような音がする。
 何だ?花火大会でもあるのか……?

 愛原:「高橋……?」

 見ると隣の布団に寝ていたはずの高橋がおらず、窓の前にいた。
 カーテンを少しだけ開け、しかも手には昨日使用したマグナムを手にしている。

 高橋:「先生、どうやら始まったみたいですよ?」
 愛原:「花火大会か?」

 私の珍回答に高橋は一瞬変な顔をしたが、すぐに真顔になって頷いた。

 高橋:「ええ。BSAA主催の盛大な花火大会です。会場周辺は立入禁止の超デンジャラスな花火大会ですよ。ポップコーンとビールはありますか?」
 愛原:「ポップコーンは知らんが、ビールならあそこの冷蔵庫に入ってる。ボッタクリ価格でな」
 高橋:「それでも新宿のボッタクリバーよりはマシな値段です」
 愛原:「それで、打ち上げ先はどこだ?」
 高橋:「BSAA主催の花火大会ですよ?BOWに決まってるじゃないですか」
 愛原:「ここから見えるのか?」
 高橋:「いえ、あいにくと会場は海辺のようです。街側ではありません」
 愛原:「そうか。観客も動員した(ゾンビウィルスがばら撒かれた状態の)花火大会ではなさそうだな」
 高橋:「そういうことです」

 窓の下を走る公道ではパトカーやBSAAの装甲車などが引っ切り無しに往来し、住民や観光客に戒厳令を敷いていた。
 今の日本の法律に戒厳令は無いのだが、それに代わる警告はある。
 その代表例がJアラートだが、今のところは鳴っていな……。

 愛原:「ぅおっと!?」

 私や高橋のスマホから、緊急地震速報とは違うアラームが聞こえて来た。
 緊急地震速報なら一時期嫌というほど聞かされたもので、慣れてしまった部分もあるが、今回のは違った。

 愛原:「地域がやっぱりこの町内と、両隣の市になっている」

 パトカーが呼び掛けているのと同様、この地域にいる者は外出しないようにとのことだった。

 高橋:「先生、どうします?」
 愛原:「もちろん、警告には従うさ。今はプロ集団が出張ってるわけだからな、俺達は今回は一般市民としてここに閉じこもっていよう」
 高橋:「分かりました」
 愛原:「一応、いつでも出れるようにはした方がいいな」

 私は浴衣から私服に着替えた。
 既に高橋はそうしていた。

 愛原:「あとは高野君達と合流しておこう」
 高橋:「はい」

 私は高野君の部屋に内線電話を掛けた。

 愛原:「おう、高野君か。夜中に悪いが、もう外の様子には気付いているだろう?……そう、盛大な花火大会だ。万が一のことを考えて、一緒に固まっておこうと思うんだが……」
 高野:「1階のロビーにでもいましょう。いざという時、その方が脱出できるかもしれません」
 愛原:「脱出の必要あるかな?」
 高野:「恐らくこれから出て来ると思います」
 愛原:「! そっか。そっちの部屋は海側だから、状況がもっと分かるのか。ちょっと待ってくれ。今、そっちの部屋に向か……」

 ドカーン!

 愛原:「っと!何だァ!?」
 高野:「先生!BSAAのヘリが向かい側の建物に墜落しました!!」
 愛原:「なにぃっ!?」

 これだからカプコン製のヘリはァ!

 愛原:「高野君!キミが言ってたのはこれか!?」
 高野:「そうです。どうやら、BSAAの敵の中にロケットランチャーを持ったのがいるみたいで、そいつが次々とヘリやら装甲車やらを破壊してるんです!」
 愛原:「ネメシスでもいるのか!?」
 高野:「だからむしろ脱出した方がいいと思います」
 愛原:「分かった!すぐに準備する!」

 私と高橋は部屋を出た。
 すぐに高野君達とも合流する。

 リサ:「愛原先生、強いのが……!強いのが来る……!」

 あのリサが怯えていた。

 愛原:「心配するな。リサは何も心配しなくていい」

 私はリサの頭を撫でて言った。

 愛原:「1階へ行くぞ!多分、閉鎖されているだろうがな」
 高橋:「はい!」

 私達はエレベーターに乗ると、それで1階に下りた。
 案の定、ロビーには他の宿泊客が身を寄せ合っており、正面エントランスは閉鎖されていた。

 ホテルマン:「警察から、『連絡があるまでは誰も外に出すな』と言われておりまして……」
 宿泊客A:「どういうことだよ!?ただの行方不明者の捜索じゃなかったのか!?」
 宿泊客B:「戦争でも始まったのか!?」

 BSAAがバイオハザード以外のことで動くわけが無いだろう。
 と言っても、私もここまでハードボイルドな展開になるとは思わなかったがな。

 リサ:「来る……!来る……!来ないで……!」
 斉藤:「リサさん、しっかりして!」

 リサはガタガタと震えていた。
 このままだと正体が露見してしまう。

 愛原:「しょうがない。一旦部屋に戻ろう」
 高橋:「先生?」
 愛原:「このままここにいても、外に出られないんじゃ意味が無い。BSAAがドンパチしてるってことは、政府も動いてるってことだろう。善場さんに聞いて、ちょっとどうしたらいいか確認するさ」
 高橋:「は、はい」

 私達は再びエレベーターに乗り込んだ。
 そして、5階のボタンを押してドアを閉めた時だった。
 エントランスのガラスがブチ破られる音がした。

 リサ:「来た!来た!来ちゃったーッ!!」
 斉藤:「リサさんっ!」

 リサと斉藤さんは抱き合った。

 愛原:「おい、あのタイラントを従えるリサがこんなにも怯える相手って誰だ?」
 高橋:「わ、分かりません!」

 エレベーターが上昇したので分からないが、恐らくロビーは流血の惨が起きたことだろう。
 銃を持っている私達が守れないのは申し訳無いが、こっちだって素人なのだ。
 あくまでもこれは、私達自身やクライアントを守る為。
 そのクライアント本人はここにはいないが、その娘がここにいる。
 この娘を守るのが今の私達の使命だ。

 愛原:「確かこのホテル、屋上で隣の建物に繋がってなかったか?」
 高野:「確かそうですよ!」

 ホテルの案内図で、『屋上にも避難経路があります』と書かれていた。
 このエレベーターでは行けないようだ。
 恐らく、非常階段から行くようになっているのだろう。
 私達は5階で降りると、まずは自分達の部屋に向かった。
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“私立探偵 愛原学” 「松島での一夜」 2

2019-09-17 20:57:16 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[8月24日18:00.天候:晴 宮城県宮城郡松島町 松島中央ホテル(架空のホテル)]

 私の名前は愛原学。
 都内で小さな探偵事務所を経営している。
 2泊3日の温泉旅行、2日目は日本三景・松島に泊まっている。

 板前:「それでは鯛の活造りを御覧頂きます!」
 愛原:「よっ、大将!待ってました!……それにしても、直接見るのは初めてだなぁ……」

 既にビールで乾杯し、お通しや他の料理で半分できあがっている私は板前に喝采を送った。
 板場と客席は隣接している。
 普通こういう場合、席はカウンターになっていて、客は1人ずつ板場の方を向いて座り、板前と対面するのがベタな法則だ。
 しかしこのホテルの場合、板場に接して4人用のテーブル席が設置されている。
 回転寿司のテーブル席みたいなもの。
 板前は生簀から鯛を網で掬うと、それをまな板の上に置いた。
 ビッビッと生きたまま捌かれる鯛。
 因みにこれ、オーストラリアでは法律で禁止されている。

 愛原:「日本で良かったな。オーストラリアでは法律で禁止だぞ?」
 高橋:「俺ぁ、国家権力なんざ怖くぁ無いですぜ!ヒック!」
 愛原:「おい、大丈夫か、高橋!?」
 高野:「全く。先生より先に潰れ掛かっちゃって……。捕鯨禁止といい、オーストラリアは日本の食文化が嫌いのようですね」
 愛原:「特定アジア以外にも反日国がいたか」
 高野:「というよりオーストラリアの場合、『魚よりうちのオージービーフを食え!』『白人以外皆劣等民族!』という考えですから」
 愛原:「鯨は魚類じゃないんだがな……」
 高野:「生物学上はそうですけど、漢字が既に魚へんという時点で【お察しください】」
 愛原:「まあ、それもそうか。白人の中でも更に差別主義者の集まるゲルマン系か……」

 因みにこのゲルマン民族、私達から見れば全く見分けのつかない他の白人民族も差別してるからね(スラブ系、イタリア系など)。

 高野:「そういう奴らが旧アンブレラにも集まっていたので、アジア系なんかよく人体実験の対象になっていたそうですよ」
 愛原:「それ本当か?どうして知ってる?」
 高野:「先生。私は霧生市では新聞記者だったんですよ?」
 愛原:「それは知ってる」
 高野:「前々から旧アンブレラは怪しいと思っていたので、独自に取材を進めていたんです。そしたら、あのバイオハザードですよ」
 愛原:「なるほどな」
 板前:「お客さん、もし良かったら、鯨の刺身もお造りしましょうか?お安くしておきますよ」
 愛原:「あるんかーい。でも鯨は高いだろう?」
 板前:「日本政府がついに外国に啖呵を切ってくれて、捕鯨が再開になったので、お安く提供できるようになりますよ」
 愛原:「それもそうか。しっかし、よく政府も啖呵を切ったもんだなぁ……」

 その裏にはBSAA極東支部日本地区本部の活躍があったことが大きく影響しているという。
 シーシェパードみたいにただ騒いでいるだけの連中ではなく、本当に政治的圧力を使って日本に商業捕鯨をさせなかった機関があったらしいのだが、そこがバイオテロの標的になり、幹部連中が軒並み何かしらのウィルスに感染したらしい。
 もちろんテロ組織としては、ただ単に日本に対しての利権を横取りする目的であって、別に日本を支援するつもりではなかったらしいが。
 テロ組織に攻撃されて力を失い、そのテロ組織もBSAAに潰されて日本に対する圧力が無くなり、こうして商業捕鯨再開に漕ぎつけたというわけだ。

 高野:「……というわけです」
 愛原:「キミも政府エージェントの一員じゃないだろうな!?」
 高野:「いえ、普通に週刊誌に載ってましたよ?先生、週刊誌お読みにならないんですもの」
 愛原:「悪かったな」

 鯛の活造りの他、鯨の刺身や板前のお任せで鮪やサーモンなんかも載った船盛がテーブルのど真ん中に置かれた。

 リサ:「おー!まだ生きてる!」

 鯛は体を切り刻まれても、まだピクピクと動いている。
 まあ、確かにこれだけなら可哀想と言えなくもない。
 しかしこういう食べ方ができるのも、万物の霊長の特権だからな。
 オーストラリアの白人達は、少なくとも活造りにされる魚が可哀想以前に、入植の際に虐殺した先住民族アボリジニーを可哀想と思うべきだ。

 斉藤:「何だか食べるのが勿体無いねー」
 高野:「そこを食べてあげるのが、お魚さんに対する感謝と贖罪の気持ちだからね?」
 斉藤:「はーい」
 リサ:「いただきまーす」

 少なくともうちの女性陣達は、平気でパクパク食べれるようである。

 愛原:「ほら、高橋。刺身が来たぞ。こういうのは滅多に食べれないんだから、お前も堪能しろ」
 高橋:「はーい……」

 高橋、ガチで酔っ払ってるのか、鯛のまだ生きている頭を食べようとしやがった。

 愛原:「ばかやろ!身の方を食うんだよ!」
 高橋:「生身の先生を食べていいんですか?」
 愛原:「オマエはゾンビか!」
 リサ:「愛原先生、食べちゃダメだよ、お兄ちゃん」
 高橋:「あぁ……?」
 リサ:「先生を食べるのは私!」
 斉藤:「ええーっ!?ダメよ、リサさん!食べるなら、私を食べて
 リサ:「サイトーはダメ。食べるの勿体無い」
 斉藤:「勿体無くないからぁ!」
 リサ:「愛原先生はメインディッシュ。サイトーはデザート」
 斉藤:「私がメインじゃなきゃイヤ〜!」
 愛原:「リサ、本当に食べたらBSAAと青いアンブレラがやってくるから勘弁な?」
 斉藤:「うん、分かった。魚で我慢する」
 愛原:「よし、いいコだ」
 高野:(私とマサは捕食対象ではないみたいだね……)

 高野君は安心したかのように、ビールをクイッと口に運んだ。

 愛原:「取りあえず、夕飯までは何とか無事に過ごせるだろう。問題はその後だな。鳴子の時も、深夜に襲撃されたんだから」
 高野:「未だにBSAAがこの辺りに展開しているみたいですね」
 愛原:「自衛隊よりも豪華な軍備で来られても落ち着かないんだがな」

 松島町の隣町、東松島市に航空自衛隊の基地があり、どうやらBSAAはそこを拠点に活動しているらしい。
 国連の取り決めで、BSAAが展開する時、国連加盟国の軍隊の基地や設備を借りても良いことになっているとのこと。
 あくまでも国連軍の一派であるBSAAだけであり、民間軍事会社の青いアンブレラは対象外である。

 高野:「あの餓鬼やハンターみたいなのが来たところで、BSAAの手に掛かればザコ同然だと思いますけどね」
 愛原:「そうであって欲しいものだ」

 私は鯛の活造りを口に頬張ると、ビールを口に運んだ。
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添書登山 20190916

2019-09-16 23:21:33 | 日記
 本日の私の動静。

 JR北与野駅→(埼京線各駅停車)→JR大宮駅→(京浜東北線各駅停車)→JR東京駅→(東海道新幹線“こだま”637号)→JR新富士駅→(富士急静岡バス)→JR富士駅→(身延線普通列車)→JR西富士宮駅→第一交通→大石寺→第一交通→富士急静岡バス富士宮営業所→(富士急静岡バス)→JR東京駅→(山手線内回り)→JR上野駅→(宇都宮線普通列車)→JR大宮駅→飛鳥交通(イースタン)

 本日の登山で気づいたこと。

 ①布教講演:

 栃木県那須塩原市某末寺御住職の話を結論から言うと、『信徒全員ガチ勢化キボン』。

 ②御開扉:

 御法主上人猊下が欠席され、代理の執事さん(?)がお勤めになった。
 理由の説明は無し。
 そこの顕正会員!浅井会長だって日曜勤行欠席(やっぱり説明無し)することがあるんだから、そこは文句言わせんぞ!

 ③「御山は荒れ放題で野犬だらけです!ペンペン草が生えています!」(一部学会員の主張)

 →もちろん、真っ赤なウソ。但し、第2バスターミナルの屋根が蜘蛛の巣だらけなのは何とかするべき。

 ④売店:

 “なかみせ”さんのカレーライスと“藤のや”さんのホットドッグとコーヒーはやっぱり美味い。

 ➄清貫洞:

 なかなかホラーチックな地下道。
 思わずスマホで撮影して、是非とも当作品のホラー展開時に使いたくなった。
 大型の雌のジョロウグモが小型の雄のジョロウグモを捕食する所が見られるのは多分、大石寺でここだけ。
 てか、交尾しなくても、雄グモは雌グモに食われるんだねぇ……。
 人間で良かった。

 蜘蛛が多いということは、害虫を捕食してくれているということ。おかげで、蚊や蝿は殆どいない。顕正会員の蝿を捕食してくれる蜘蛛はどこで網を張っているのやら……。

 ⑥タクシー予約:

 六壺における夕勤行終了後、下山時にタクシーを予約する場合、富士急系の石川タクシー富士はまず予約できない。予約でいっぱいだとほぼ100%の確率で断られる。これは平日だろうが休日だろうが同じ。大石寺まで迎えに行きたくないのか、それとも本当にタクシーが足りないのか不明。
 旧・篠原タクシー(現・第一交通)は予約可。
 但し、第一交通産業に組み込まれたばかりだからか、そこ専用の配車アプリには対応していない。

 こんなところかな。
 来月は支部総登山があるので、職場にはもう休みを申請してある。
 婚活を理由に御講をバックレていた罰が当たったのだと観念し、フラれてフリーになった以上、素直に参加する必要があると思った。
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“私立探偵 愛原学” 「松島での一夜」

2019-09-15 21:08:04 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[8月24日15:30.天候:晴 宮城県宮城郡松島町 松島中央ホテル(架空のホテル)]

 私と高橋は露天風呂に出た。
 こういう海沿いの観光ホテルともなると、やはり大浴場も海に向かっているものだ。

 高橋:「先生、眺めが最高ですね」
 愛原:「そうだな」
 高橋:「先生、もし宜しかったらお背中お流し致します」
 愛原:「ん、そうか?鳴子温泉に続いて申し訳ないなー」
 高橋:「いえいえ、いいんですよ」

 私達は岩風呂から出ると、洗い場に向かった。

 高橋:「それでは不肖高橋が、先生のお背中をお流し致します」
 愛原:「よろしく」

 私は高橋に背中を流してもらいながら言った。

 愛原:「それにしてもアレだな。流れが昨日と同じだな」
 高橋:「マジっスか?」
 愛原:「ああ。このホテルは鳴子中央ホテルみたいに屋上展望台みたいな所は無いが、まあこの大浴場が似たようなものか」
 高橋:「海の方から何か来るとか?」
 愛原:「かもしれないし、松島もすぐ近くに山がある。東北本線とか、そこをトンネルで通ってるからな。そっちの方から餓鬼が来るかもしれない」
 高橋:「あれ結局何だったんスかね?」
 愛原:「旧アンブレラが造って隠しておいたBOWか何かだろ。奴ら、人体実験が大好きだからな」
 高橋:「本当に気持ち悪い連中ですね」
 愛原:「まあ、そうだな。それに、さっき俺達の遊覧船をBSAAのヘリが追尾していたみたいだから、あれも気になる」
 高橋:「リサを追って来たんじゃ?」
 愛原:「いや、そんなことは無いさ。BSAAもリサのことはとっくに知ってるだろうし、それが暴走したわけでもないんだから」
 高橋:「まさか、あの船の中に別の化け物が乗っていたとか?」
 愛原:「あ……!」

 と、一瞬思ったが、すぐに私はそれを否定した。

 愛原:「いや、それも違うな。もしそうだとしたら、リサが真っ先に気づいているはずだ。あいつ、ああいうことには勘が鋭いから」
 高橋:「それもそうですね……」
 愛原:「後で善場さんに聞いてみよう。BSAAも日本国内では勝手な活動はできないから、善場さんは何か知っているはずだ」
 高橋:「よろしくお願いします」

 私達は風呂から上がると、私はコーヒー牛乳。
 高橋はスポーツドリンクを飲んだ。

 愛原:「かーっ、これだな!」
 高橋:「でも先生、本当は牛乳よりビールの方がいいんじゃないですか?」
 愛原:「ん?そうだな。だけどそれは夕食まで我慢するよ。それより、またマッサージだ。俺はマッサージを受けて来るから、高橋は先に部屋に戻っててくれ」
 高橋:「分かりました」

 私は高橋に部屋の鍵を渡した。
 マッサージコーナーに行く前に、私は善場氏に電話する。
 土曜日だが、こういう政府エージェントは私達みたいに不規則勤務だからな。

 善場:「もしもし?」
 愛原:「ああ、善場さん、お疲れさまです。愛原です」
 善場:「愛原さんですか。何の用です?」
 愛原:「いや、実は今、宮城の松島にいるんだが……」
 善場:「ええっ!もう嗅ぎ付けたんですか!?」
 愛原:「何が?いや、俺は遊覧船に乗っていたらBSAAのヘリに追尾されたんで、善場さんは何か知らないかと思って掛けたんだが……」
 善場:「BSAAが旧アンブレラの軌跡を発見したというので、今一斉検索してるんですよ?」
 愛原:「軌跡?どんな?」
 善場:「東日本大震災の被害にかこつけて、不要になった薬品やBOWを船ごと沈めたんだそうです。元々はもっと太平洋沖に船ごと遺棄するはずだったそうなんですが、そこへ震災が発生したので、ちょうど良いと爆破したそうです。それがちょうど、愛原さん達のいる松島辺りです」
 愛原:「災害も都合良く利用する連中だなぁ」

 もっとも、ちょうど大津波を被った地域で殺人事件でも発生していたんだとしたら、現場ごと無くなったということでもあるから……。

 善場:「その船が潮流のせいなのか分かりませんが、松島湾に入って来た恐れがあるということで、それで今BSAAが捜索しているんですよ」
 愛原:「でもその時積まれていたBOWなんかは、とっくに水死してるだろう?」
 善場:「……と思うんですけど、そこは分かりませんからね。霧生市のゾンビだって、あれから2年ほど経ったのに一部はまだ『生きて』いたわけですからね」
 愛原:「それもそうか。BOWって何だ?ハンターか?」
 善場:「ハンターもいますし、タイラントも乗せられていたという報告があります」
 愛原:「マジかよ。リサの出番が出て来なきゃいいが……」
 善場:「でも、タイラントを外部から制御できるのは『リサ・トレヴァー』だけです。万が一の時は愛原さんからお願いしてください」
 愛原:「分かりましたよ。でも、いいのか?街中は普通に観光客が歩いているが……」
 善場:「所詮は沈没船ですし、街に被害が出るとは考えられていないようです」
 愛原:「鳴子温泉よりは安全か」
 善場:「そうですね。あれは新アンブレラの失敗です。やはりBSAAより作戦遂行指揮官を招聘するべきでした」
 愛原:「クリス・レッドフィールドとか?」
 善場:「アメリカから招聘すると時間が掛かるので、レッドフィールド顧問でなくてもいいと思いますが……」
 愛原:「万が一のことも考えて、一応俺達は銃を使わせてもらう。特例措置よろしくですよ?」
 善場:「承知しました。くれぐれも一般市民に流れ弾が当たらないように」
 愛原:「もちろん、最新の注意は払う」

 私は電話を切った。
 何か……BOWが襲撃してくる前提で話が進んでないか?
 何だよ、せっかくゆっくりできると思ったのに……。
 今からホテル引き払うか?
 あー……それだと斉藤社長との契約違反になっちゃうか。
 まあ、どうにでもなれ。
 少なくとも青いアンブレラよりはプロ集団だから、BSAAが何とかしてくれるだろう。

 愛原:「すいませーん、マッサージお願いします」
 スタッフ:「はい、ありがとうございます。コースは如何なさいますか?」
 愛原:「ボディケア60分コースで」
 スタッフ:「かしこまりました」

 それにしても偶然だな。
 鳴子温泉では青いアンブレラ。
 松島ではBSAAと会うとは……。

 愛原:「本当に偶然なのかな?」

 私は寝台に横になってふと疑問に思った。

 スタッフ:「何ですか?」
 愛原:「あ、いや、何でもない」
 スタッフ:「それではボディケアマッサージ60分コース、開始致しますね」
 愛原:「よろしく。昨夜は随分と走り回ったもんで、足が結構キツいんだ」
 スタッフ:「足の方ですね」
 愛原:「あと重い銃持ってたこともあって、結構肩とか腰も……」
 スタッフ:「お客様、自衛隊の方ですか?」
 愛原:「あっと!……まあ、似たようなもん」
 スタッフ:「そうですか」
 愛原:「何か松島湾の方を軍隊のヘリコプターみたいなのが飛んでるが、何か知ってるかい?」
 スタッフ:「震災の行方不明者の捜索を国連軍がボランティアでやってるそうですよ」
 愛原:「そういう言い訳か」
 スタッフ:「松島の方はそんなに津波の被害は少なかったんですけど、何でも他の地域から行方不明者が流れ着いている恐れもあるからと……」
 愛原:「上手いこと言いやがるなぁ……」

 一般市民にはそのように説明しているわけか。
コメント (1)
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