たにしのアブク 風綴り

87歳になります。独り徘徊と追慕の日々は永く切ない。

美術館の森で 高樹の花 ユリノキ

2009-05-16 08:07:40 | 展覧会・美術展

阿修羅の像を拝観して平成館を出ると、雨は上っていた。
東京国立博物館の広場に大きなユリノキ(百合の木)があった。
葉の茂った20メートルを超す円形樹だ。
花は高い枝の上の、半纏に似た茂った葉の間に咲いている。



枝を引っ張って何とか一枚撮ったが、
花の中は見れなかった。
花形はチューリップに似ていると思いませんか。
花言葉は「田園の幸福」だそうです。

このあと国立西洋美術館の「ルーヴル美術館展」に回ったが、
入場まで2時間と聞いて日を改めることにした。
聞くところによると夕方が空いているらしい。

国宝 阿修羅の像を拝観しました

2009-05-06 11:48:32 | 展覧会・美術展

連休を使って東京・上野の美術館巡りをしました。

奈良朝に建立された興福寺創建1300年を記念して、
所蔵の国宝・阿修羅像が八部衆像と十大弟子像などともに、
東京国立博物館平成館で露出展示されています。

とくに阿修羅像については、それぞれ表情の異なる3っつの顔と、
6本の祈りの手をはじめ、全身を周回して拝観できました。

カタログには、阿修羅の表情は静かに自分の心を見つめ懺悔する姿を表したものと解説されています。
NHKで近く阿修羅像の歴史と美について特集するようです。


入館までに40分の行列待ちがあって、
入場規制もされていましたが、
やはり館内はかなりの込みようでした。

夕陽に染まる 国立新美術館でアートな気分

2008-12-13 10:31:27 | 展覧会・美術展

激動の20世紀を絵画を通して、人間探求と非人間的な殺戮・戦争を告発してきた巨匠パブロ・ピカソ。その生涯をたどるに絵画展「巨匠ピカソ 愛と創造の軌跡」が、この国立新美術館で開かれていた。

美術館は地下1階から3階まで各フロアーを歩くと、なんとも云えない教養的な気分に浸れる。



各階にはフレンチレストランやカフェがあって、どこも空席待ちの人の列であった。

1階の屋外テラスに1席あったので、一人でコーヒーを味わった。



晩秋の西日が建物を染めて、美術館そのものがアートであった。
正面のエントランスを出ると、6本木の東京ミッドタウンのホテルが目に飛び込んできた。



私はそっちには行かないで、青山方面へのプラタナスの続く道を歩いた。
たそがれタニシの東京ルポは侘しい。

東京で観たフェルメールの絵画・その①

2008-10-20 06:24:33 | 展覧会・美術展

連休を使って東京・上野の東京都美術館に行ってきた。
昨年秋の国立新美術館で観た「牛乳を注ぐ女」に続いて、
今秋の東京都美術館で観た「小路」など、
7点のフェルメールの本物絵画を鑑賞した。

フェルメールの本物絵画は全部で32点しかない。
(この他真贋未定が4点)これらの作品が
世界中の美術館に点在している。
日本に居ながら8作品に逢えるなんて、
もう2度とないだろう。

フェルメール展~光の天才画家とデルフトの巨匠たち
が12月14日まで開かれている。
休日のせいもあって、会場は混んでいた。
入るころは待ち時間はなかったが、
出てみたら入り口は行列「待ち時間40分」の表示。

1階は17世紀オランダの風俗画家たちの作品が20数点あったが、
パスしてフェルメール作品展示の2階へ。
5重くらいに人の列が、作品の前に並びほとんど動かない。

ようやく最初の絵の前に来て、音声ガイドを操作しても音が出ない。
取りかに戻ったらまた並び直しになる。
絵の脇にいた警備の女性に話し、係りに連絡し取り替えてもらい、
ようやく落ち着く。

始めの作品は「マルタとマリアの家のキリスト」
現存作品のうち、最も年代の古いとされる作品だ。



フェルメールの絵画的主題が風俗画に移行する前の、
時期の書かれた宗教を題材にした物語画である。
比較的大きな作品だった。

ひざまずく女性の赤い着衣の光、
パンを勧める婦人の黄色のスカートの光を強調し、
三人を鮮やかに描き出している。

なお、このフェルメール鑑賞ブログを書くについては、
昨年秋に国立新美術館で「牛乳を注ぐ女」を観たさい、
幸運にもフェルメール研究の第一人者・小林頼子教授の講演を拝聴する機会に
恵まれた。その後、氏の研究論考本を幾つか読ませていただき、そのメモを基
にしていることを、お断りしておきます。


お知らせ
この「フェルメール関連記事」は、別館を立ち上げました。
ただ今、製作途中です。こちらをご覧下さい。


東京で観たフェルメールの絵画



上野の森に吹く「スペインの誇り」至宝の風

2006-04-19 22:35:32 | 展覧会・美術展
ティツィアーノ、エル・グレコ、ルーベンス、ベラスケス、ムリーリョ、ゴヤ
プラド美術館展 巨匠たちの殿堂を見た

久方ぶりに上京、上野の森を歩いた。目的は東京都美術館で開催されている上記の美術展を見たかったからだ。

世界屈指の美術館として知られるスペイン・マドリードのプラド美術館。その珠玉のコレクションから、ベラスケス、エル・グレコ、ムリーリョ、ティツィアーノ、ゴヤなど52人の画家の絵画81点が運び込まれた一大美術展という触れ込み。

イタリア・ルネサンスを代表する巨匠ティツイアーノの《アモールと音楽にくつろぐヴィーナス》を含む4点、光と色彩の魔術師ベラスケスの5点、バロックの巨星ルーベンスの3点、美の革命家ゴヤの7点は、今回のハイライトです。=パンフから

開催PRのうたい文句「スペインの誇り」とはいえ、超一級品が少なかった。ゴヤの主要作品がない。ピカソは一点もない。
エル・グレコの「十字架を背負うキリスト」があったのが良かった。この作品、こんなに小さな絵だったのかな。
10年前、マドリード・プラド美術館で「スペインの至宝」に対面したときの興奮とは、ほど遠いものだった。まあ、無理もないよね。

写真上から①ティツィアーノ・ヴェチェッリオ<アモールと音楽にくつろぐヴィーナス>②エル・グレコ<十字架を抱くキリスト>③ゴヤフランシスコ・デ<ビリャフランカ公爵夫人マリア・トマサ・デ・パラフォクス>④アントリーネス・ホセ<マグラダマのマリアの被昇天>
プラド美術館展
本物は本場で見たり聞いたりするに限る。
たにしの教訓。

上野公園は春の修学旅行の季節、幾つもの違ったセーラー服、学生服の生徒たちが、引率先生について公園内に集まっていた。ウン十年前のたにしたちの姿も同じだったのかな。
上野公園と修学旅行のつながりは、何なのだろう。