29日の午後、年金支給額の新たな改定ルールを盛り込んだ、
年金制度改革関連法案が衆院本会議で可決され、参院へ送られました。
この法案は年金支給を減額する年金世代を痛めつける法案です。
同日、読売新聞朝刊の社説は、
「臨時国会延長 年金法案も確実に成立させよ」と題して、
与党政治家・行政の代弁をする社説を掲げていました。
この社説をWebで読んで唖然としました。
論説の内容が政府与党・行政の言い分とまったく同趣だからです。
【少子高齢化が進む中、年金制度を持続可能なものにするには、年金財政を安定させ、将来世代の給付水準を確保する必要がある。現役世代と高齢者が負担や給付減の痛みを分かち合い、公平感を維持することも欠かせない。】
と主張しているのだ。
冗談じゃない。【年金制度の持続可能】のために、
【高齢者が負担や給付減の痛み】に耐えろと言うことか。
現行年金制度がこのままでは、将来世代への支給が破綻するという。
破綻する原因は、現行支給年金が払いすぎるからだ。
ということは、これまで、政府、厚生関係筋から主張されている。
同趣旨の論調で「年金支給減額法案」の後押しをする社説を載せる。
この新聞社は、何を言っているんだろう。おかしいと思わないのか。
現在、社会的・政治的課題となっている「貧困高齢者」がさらに増えることになる。
新聞ジャーナリズムが、
政府・政治家の「言い分」を代弁するようになったらお終いだ。
徘徊老人、たにしの爺はぶつぶつ言いたい。
年金制度の機能不全を国民にシワ寄せ「痛み分け」を強要する、
新たな「年金制度」は、許容できるものでない。
現行年金制度が政府に都合良くないなら、
将来世代にも、現行並みの支給可能な年金制度に改めるべきで、
そのための抜本的な改革、国家事業施策を構築すべきです。
それが政治家・行政の仕事でしょう。
現行年金世代が【痛みを負う】のは筋が違うでしょう。
現行年金世代には「なんら、責めを負う事はないのです」
年金支給を減らすことで、制度の維持を図ろうとすることは、
「経世済民」に反する政治家放棄の怠慢ではないか。
コップに7分目くらいしかない水をすくい取って、
後から来る人のコップに入れる。なんという姑息な政治でしょう。
また同社説は、
【民進党などは、賃金の下落に連動させて給付を減額することから「年金カット法案」と批判するが、あまりに近視眼的で的外れだ】とも言う。
たにしの爺は民進党を積極支持するものではないが、
同党は「年金制度の抜本的改革」を求めているのであって、
この事に触れないで、
上記のような論説子の言い方は「あまりに短絡眼で作為的だ」
新聞ジャーナリズムは与党の旗振りに落ちたのだろうか。
なお、たにしの爺は、この新聞を定期購読したことはありません。