昨年の暮れにリニューアルオープンされた東京・渋谷の東急Bnkamuraに行って、ル・シネマで「ミラノ、愛に生きる」とザ・ミュージアムでは「フェルメールからのラブレター展」をはしごしてきました。
(1月20日、関東地方は雪が降っていて、施設内は比較的すいていました。)
ル・シネマは好きな映画館で年に数回は通います。
いつも質の高い佳品を上映しています。
興行ランクに登場するようなCGや3Dなど、家族ご一行が押しかける映画館とは違い、
落ち着いたロビーホール、トイレもきれいで清潔。行き届いた案内ガイドが気持いいです。
そして何よりもいいのは、場内の飲食は一切禁止なことです。
「ミラノ、愛に生きる」公式サイト
私の中に眠る「激情」がいま目覚める
わたしの「扉」がいまひらく
彼との情事が、閉ざした心と身体を解放する
許されない恋が招いた美しき悲劇
上の4行は予告編のコピーです。
映画はモノトーンのイタリア・ミラノの風景から始まる。
富豪の事業家・レッキ家、実力者の義父母、会社を継ぐことになった夫と長男。
冷静で美しい女主人エンマ(ティルダ・スウィントン)はロシア生まれ。
上流階級に馴染もうと努力していたが、何か距離感を感じていた。
そんなエンマをハウス・キーパーのイダ(マリア・バイアート)は気遣い見守っている。
息子のボートレース仲間でシェフのアントニオ(エドアルド・ガブリエリーニ)が作る料理を食べてエンマは恋に落ちる。
激しい情事を通して、押し殺していた自分を解放していくエンマ。
花の咲き乱れる自然の中で繰り広げるエロスの饗宴。
透明感に充ちたエンマのふるえる肌の香気感は、
パーティの饗宴で広げられるテーブルクロスと白磁の陶器の輝きにも重なる。
富豪一家の行く末は……
上映館の少ない映画です。