同時通訳者、作家の米原万理さん56歳の夭折
「不実な美女か 貞淑な醜女か」
<これほど知的な刺激を受けた本はない。>
講演会の際、お目に掛かったとき、上記の本について話すと、米原さんは「お仕事はなに」と聞かれた。
「××××」と答えると「そう」と言って、持参した本にサインして下さった。
その後、米原さんの著作を何冊か読んだ。どの本もとにかく面白い。軽妙で洒脱でしかも真理を含んだ文章に、何度も啓発され刺激を受けたものでした。
ロシア語同時通訳の凄さはもとより、幼年時代をチェコのプラハで、ソ連の学校に通って過ごしたことによって得た戦後「東欧社会の真実」をエッセイ、小説、物語として本質を見事に描き出していることでしょう。
また、人間の本性を、ユーモアあふれるシモネタで語る天才でもあった。
この春まで、NHKラジオで(水曜日の午前)最近、読んだ本を取り上げ、この本の何処が素晴らしいのか、ユニークな視点で紹介しているのを、何回か聞いたことがある。
私には聞いたこともないような本が多かった。
訃報:米原万里さん56歳 死去=ロシア語通訳、作家