たにしのアブク 風綴り

86歳・たにしの爺。独り徘徊と追慕の日々は永い。

妙高からの便り「跳ね馬 今年はまだあります」

2012-05-23 06:31:42 | Lyricism

越後の朝日山に棲む雪ウサギさんから、
季節の便りが届いていました。
了解を得て、写真と共に、一部公開します。

>これは7日に撮ったものですが しっかり出るのが遅かったような気がします

>雪がいつまでも残っていて
>今週やっと田んぼに水が入って 田植えができるようになりました

>蛙が鳴き始めました

妙高高原の春から初夏への叙事シーンが浮かびますね。
 ありがとう。たにしの爺より。

メモリアムな一枚 2012年5月21日 金環日食とカウントダウン1

2012-05-22 22:09:07 | Journalism


歴史の一日を記録しました。
2012年5月21日 日本列島金環日食の天体ショー
2012年5月21日 東京スカイツリーの開業1日前

1年間カウントダウンを続けてきた駅の表示板が1になった。
金環日食の写真はテレビから、カウントダウン表示板は実写。

「舟を編む」三浦しをん著・本屋大賞

2012-05-19 15:47:10 | 本・読書

三浦しをん著「舟を編む」(光文社刊)1500円。
2012年の本屋大賞第1位の本です。

とっても面白くて、切なくて、為になる本でした。
やさしい文章で綴られた内容の深い作品です。
仕事への思いが人をつくり、その心情がまた人に伝わっていく。
前半の密度の濃さに比べ、
後半はやや情緒的になってしまったが、
とにかく素敵にいい本です。

題名から想像出来ることもありますが、あえて内容にはふれません。
読んでみる気になりましたら、書評やレビューは見ないで、
ご自身でピュアに感じてください。
今ベストセラーで書店に平積みになっています。

第12回 大使夫人のガーデニング2012

2012-05-17 07:47:30 | 社会見学


トップの写真は、会場で一番人気だった
ケニア共和国の「キングプロテア」という花です。

ホテルオークラ東京において、5月1日~6日の6日間、
チャリティーイベント「第12回 10カ国大使夫人のガーデニング」
が開催されていました。
参加国の駐日大使夫人が、それぞれの国を代表する花や木を使用し、
自国の庭園をホテルオークラ東京の宴会場内に再現していました。
 1日のオープニングには高円宮憲仁親王妃久子殿下を迎えてテープカットも行われました。
 参加している国は、
カザフスタン共和国、サウジアラビア王国、フィンランド、ドイツ連邦共和国、フィジー共和国、タイ王国、
ケニア共和国、アルゼンチン共和国、インド、ハンガリーです。

目を引いたのは、
「大自然のシンフォニー」をテーマとしたケニア共和国の庭で、
自然豊かなケニアの生態系が奏でる美しい調和を表現していました。
以下、その花園をご覧ください。









最近のケニアは花産業の成長が著しく、
同国の産業では第3位にランクされ、
「切花輸出」で外貨獲得の大きな柱になっています。

フォトチャンネルに参加10カ国の庭の一部を再現しました。



都心で出会った「ちょっとした話」

2012-05-12 00:31:46 | 社会見学


写真は外堀通りの虎ノ門交差点付近の様子です。


連休明け、あっという間の週末になりました。
今日は、ちょっとしたいい話(私の独り勝手ですけれど)をします。
超々長くなります。

今日・金曜日の昼下がり、
アメリカ大使館脇の例の天下りの殿堂「三会堂ビル」のお蕎麦屋さん「志な乃」(ここのカレー南蛮そばは絶品の味です)でランチ。
大盛りそばを食して、出てきましたら、
80歳くらいの、小柄なおばあさんが、アメ大警備の機動隊員に「虎ノ門病院」に行く路を尋ねていました。

機動隊員が方向を指しながら、説明していましたから、
「虎ノ門病院なら、脇を通りますから、私が案内しますよ」と交差点を渡り、
アメ大斜交い前の「共同通信会館」から、隣りの「JTビル」に向かいました。

歩きながら小柄なおばあさん
「サントリーホールに行ってきた。虎ノ門病院が分からなくなって」といいます。
虎ノ門病院からサントリーホールまでいくには、
ビルの谷間の坂道を歩かなければならないのに、よく行ったものだと思いながら、
「この時間、サントリーホールで何かやっていましたか」と聞くと、
「チケットを買いに行ってきた。クラシック音楽が好きでピアノリサイタルが好き」という。



写真はサントリーホール前のカラヤン広場です。


歩きながら、日曜の朝6時からNHKbsでN響が聴けますよと教えてあげると、
「知っている。よく聴いている」といいます。
虎ノ門病院へのちょっとした近道になる、「JTビル」のエントランスに入ると、
そのおばあさん「ああ、JTビル、この2階のホールでもよく音楽会をやっている」という。
確かに週1、2回、音大生によるコンサートが開かれている。

この辺「よく聴きに来るのですか、JTビル向かいの日本財団ビル日本財団ビル1階バウルームでも、
隔週無料のクラシック・コンサートをやっていますよ」と指差すと、
「えっ、どこ?」と聞くので、「よくこの辺には来るのですか?」
「何処から出てくるのですかと」問いかけると、

「長野から」と言う。
「えっ、軽井澤とか、小諸とかの長野」からと言うと、
「軽井澤」から、朝8時に出ると9時過ぎには東京に着いていると言う。

「私も長野、上田の出です」と言うと、「上田の何処」というので、
「信濃国分寺の近く」と言うと、おばあさん「私、上掘」という。
えっ、隣りの集落ではないか。同じ神川地区から出て、虎ノ門でニアミスだ。
上掘りには山崎という同級生がいると言うと、
「池田って知っている」かと、そのおばさん。

虎ノ門病院の前に来たので「ここですよと立ち止まると」、
「病院には午前中に来たので、もういいです」虎ノ門の駅に行くと言う。
病院まで戻れば、駅までの路がわかるから」と言う。

金曜日に来たら虎ノ門病院の隣りの虎ノ門2丁目タワー1階エントランスホールでもコンサートやっていますよ、と案内して、
「じゃ気をつけてと」お別れしました。

この辺の地理はこの一枚で理解できます。

虎ノ門病院には通院しているのか、知り合いのお見舞いに見えたのか分かりませんが、
見たところ80歳近いおばさんが、一人で来て、
サントリーホールのクラシックコンサートのチケットを求める。

「さすが長野県人」と、うれしくなっていました。
この話を誰かにしたくて、ブログにアップ。
郷関を出て50年も経って、いまも郷里意識過剰ですね。

ながながとご迷惑でした。

《モナ・リザ》と《聖母》がいっぱい。「レオナルド・ダ・ヴィンチ美の理想」東京展

2012-05-03 10:49:21 | 展覧会・美術展

萌える新芽と新緑が眩しい季節になっています。
カラマツ林の裸枝を芽吹きが、青点となって連なっています。
連休が終わるころになると、カラマツ林が繊細な青のカーテンにつつまれます。

痛ましい事故や事件が続いています。
危機管理を置き去りにした格安社会が招いた、人災のような運命の暗転です。

何処にも行かない、たにしの爺は、せめてもの芸術鑑賞にと、
東京は渋谷の東急Bunkamuraのザ・ミュージアムに行ってきました。
イタリア・ルネサンス期の巨匠レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452~1519)と弟子らの作品を集めた美術展。
「レオナルド・ダ・ヴィンチ美の理想」東京展(毎日新聞社など主催)が開かれています。
人類史の科学と美の巨匠ダ・ヴィンチの生の作品に初めて対面してきました。

写真はザ・ミュージアム脇のレストラン「ドゥ マゴ パリ」
パリを代表するカフェの歴史と空気をそのままに、
美術鑑賞の後は、ひとときを「ドゥ マゴ パリ」で……

<展覧会のパンフレット>によりますと―――――
《モナ・リザ》や《最後の晩餐》など世界的な名画を残した巨匠レオナルド・ダ・ヴィンチの「美の系譜」に焦点を当て、ダ・ヴィンチの作品、弟子との共作、弟子やレオナルド派と呼ばれる画家たちによって描かれた約80点もの作品、資料を通じてダ・ヴィンチの創造した「美の理想」の真髄に迫るものです。
十数点しか現存しないといわれているダ・ヴィンチの作品のうち、日本初公開となる円熟期の傑作《ほつれ髪の女》や若き日の習作《衣紋の習作》、プライベート・コレクションのため、あまり目にする機会のないもう一つの《岩窟の聖母》が一堂に、また、ダ・ヴィンチから強く影響を受けた弟子の作品、構成の画家たちによるさまざまな《モナ・リザ》など、出品作品の約9割が日本初公開となる本展は、ダ・ヴィンチの魅力を存分に堪能できるかつてない展覧会です。―――――――――と記されています。

ダ・ヴィンチといえば《モナ・リザ》と《聖母》ですね。
本物の《モナ・リザ》はパリ・ルーブル美術館門外不出の世界の至宝です。
この他にもダ・ヴィンチの作ではないか、といわれている《モナ・リザ》が描かれていることを知りました。
今回それらしき作品と、弟子らが、あるいは同時代の画家たちが制作したいくつもの《モナ・リザ》群が展示されたいました。
裸の《モナ・リザ》も何点もあり、あの謎の微笑をたたえたモナ・リザが乳房をむき出しの裸身で描かれています。
想像してみて下さい。かなりエロチックです。
《聖母》像といえば、《岩窟の聖母》も今回初来日とのことです。
聖母像は、中世西洋絵画の一大テーマで何万点もの、有名無名の数で数え切れないでしょう。

日本初公開となる《ほつれ髪の女》は、厚さ1・1センチの板に描かれたダ・ヴィンチの円熟期の傑作で、イタリアのパルマ国立美術館が所蔵する作品で、今回を含め国外出品されたのは7回目という。
ルネサンス期のイタリア・フィレンツェでは、ダ・ヴィンチを中心にした工房で、衣のひだを素描する訓練が行われ、美しい衣紋を描くことは画家の必須になっていて、美しく描くことが競われていたようです。ダ・ヴィンチは、あたかもそこに人体があるかのように衣紋を描く。その貴重な《衣紋の習作》品も2点紹介されています。

西洋絵画を見るたびに感心する、薄衣を纏う、ひだの美しさには驚かされています。
絵筆で描いたとは、とても思われない細密・精緻な透明感。今にもひらひらとそよぐような感覚に捉われるのは私だけではないでしょう。

展覧会の見所についてはここで詳しく知ることが出来ます。 
先月4月に、元東京大学教授で、国立西洋美術館館長だった西洋中世史、西洋文化史が専門の樺山紘一さんの講演会を拝聴する機会がありました。
樺山さんが美術館と所蔵作品について強調されたことは、世界の一級作品というものは、その美術館に収まるまでには相応の理由があって、その美術館にずーっと在ることに意義がある。そういう作品は世界の有名美術館には必ず在る。そのことが大事なんですと話されました。
それは樺山さんだから言えることでしょうが、そこに行かなくとも見られる、新聞社など企画展は大いに評価されていい。個人では、決して目にすることが出来ない秘宝を鑑賞できるのは、関係新聞社の事業部の交渉力によるものです。署名入り記事など、新聞記者は普段から目立ちますが、こうした催事企画を担う学芸担当記者は、普段は目立ちませんが、普段から培ってきた確かな目がこうした展覧会を成功させるのでしょう。