とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

WOWOW連続ドラマW 東野圭吾「分身」

2012-02-29 22:50:02 | ドラマ


映画並みのつくりで、見ごたえのあるドラマが定評のWOWOWの連続ドラマWでは、またもや東野圭吾作品が選ばれている。今回は、サイエンス系のサスペンス「分身」である。このところ、東野圭吾作品を映画やドラマにすると、圧倒的に注目度が高くなるといわれている。それだけ多くのファンを擁しているという証明であり、最近、東野作品を読み漁っている私としても、今回の放送も大いに注目していた。

原作となるのは、1993年に発表された「分身」である。北海道と東京で互いの存在を知らずに生きてきた容姿がまったく同じの二人の女性が、出生の秘密を探るうち、いつしかその軌跡が重なり、驚くべき真相が明らかにされるストーリーである。東野圭吾の得意な理系、医学系の題材を扱っているのが興味深い。原作は、大分前に読んでいたのでストーリーはわかっている。ドラマは、原作の雰囲気をいかに表現できているかを確認したくて見る事にした。

主演は連続ドラマW初登場の長澤まさみだ。映画『モテキ』や『岳』でいい味出していたのも記憶に新しい。今回は一人二役に挑戦、ほかには勝地涼、臼田あさ美、鈴木砂羽、手塚理美、伊武雅刀、佐野史郎などの豪華共演者がそろっている。そして、監督には女優を美しく撮ることにおいて非常に高く評価されているという永田琴が起用されている。

ストーリーを簡単に紹介する。

<ストーリー>
 札幌に住む女子大生・鞠子(長澤まさみ)は、母からなぜかあまり愛された記憶がなく、さらには、その母が火事で不審死した過去を持つ。ある日、出生の秘密を探り始めた鞠子は、自分とまったく同じ顔、姿形をした女性・双葉(長澤まさみ[二役])の存在を知った。彼女は、単なる「双子」という範疇を越え、まさに自分そのものであった。
 鞠子は、その謎を解き明かすことを決意、行く先々に立ちはだかるさまざまな人々の思惑を乗り越えながら真相に近づいていく。一方、東京では、双葉も自分の存在に疑問を持ち始めていた。そして、ついに鞠子と双葉が出会った時、生命工学の禁断の領域が姿を現わし始める…。


このドラマの見所は、主演の長澤まさみの一人二役である。鞠子は、髪は黒く、控えめで真面目な性格。双葉は、髪を茶色に染め、バンドのボーカルをやるなど活動的な性格だ。このタイプの違う二役を演じる長澤まさみの演技に注目である。また、劇中実際に歌う長澤まさみの歌がなかなかいい。ただ、一人二役という事もあり、実際二人が同じ場面に登場することはまだない。今の所、僅かな差ですれ違う場面ばかりだ。最後には、二人が対面する場面も出るだろうが、その時はCGになるのだろう。今の所、3回が終りあと2回で終わってしまう。5回で終了というのは、ちょっと早すぎる。過去のドラマのように、8回くらい放送して欲しいものだ。

このドラマのキーワードは、体外受精、クローン等である。こういった生命科学のテーマを小説の題材にするところが東野圭吾の得意なところだ。作品が発表されたのが1993年だが、クローン羊が誕生したのが1996年となっている。これだけ見ても、東野圭吾がこういったテーマを選んで小説を書いていたというのが凄い。まさに未来を予言して書かれた作品でもある。こんな事も頭に入れてドラマを見るとさらに面白くなるだろう。