とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

2012小笠原ネイチャーマラニック「5日目南島パラダイスツアー」

2012-05-09 00:03:11 | 観光
いよいよ5日目の午後には、父島を離れ東京に帰ることになるが、その前に欲張って半日のツアーに全員で参加することにした。ガイドブックには「ここを見なければ死ねない!」とまで書かれている南島へのパラダイスツアーである。この島は、厳しい制限が課せられおり、自然保護の観点により観光客の入島に際して、東京都認定の自然ガイドの同行、定められたルート以外は立ち入り禁止、1日あたりの入島人数は100人まで、上陸時間は2時間以内等のルールがある。

我々が乗船したのは、ピンク色の大型クルーザー「ピンクドルフィン号」だ。船長は米軍統治時代 を知る南スタンリー氏。父島のボスのような存在らしい。二見港の青灯台から「ピンクドルフィン号」に乗り込み、早速南島に向けて出航する。




しばらく行ったところで、船長から船内に「イルカの群れが前方に見える」と放送があった。何頭ものイルカの背びれがところどころに浮かび上がる。慌ててカメラを構えるが、動きが早くてなかなかうまく写真が撮れない。たまたま撮れたのがこの写真だ。


南島近くはかなり波が荒く、このまま進めるのか心配だったが、小笠原の海を知り尽くした船長の舵さばきで無事南島に進んでいく。




岩壁に囲まれた狭い入り江の中に入ると、驚くほど穏やかな湾になっていた。


しっかりした船着場はなく、前方には尖った岩場があるだけだ。


船のへさきを岸壁につけると一人一人慎重に上陸する。尖った岩は、ラピエと呼ばれ、石灰岩が永い年月をかけて風化してできた岩である。鋭く尖っているので怪我をすることもあり注意が必要だ。


船を湾内に停泊させると、小さなボートで船長が上陸してきた。


船長の案内の下、南島の中に入って行く。歩く道は、決められており一列にならんで進む。説明によれば、この島は、氷河期の海水面が下がっていた時期に形成されたカルスト地形が、海水面上昇によって冠水したもので「小笠原南島の沈水カルスト地形」の名称で国の天然記念物に指定されているそうだ。世界でも数少ない地形らしい。




まず最初に見たのが、扇状に広がった扇池だ。昔は、前方に見える空洞がふさがっていたのだが、波の浸食などで崩れて今の空洞が出来たらしい。もろい石灰岩なのでいつかは空洞も完全に崩れてしまう可能性があるそうだ。ガイドブックやパンフレットに良く出ている景色だが、やはり本物を見ると感動する。


白い砂浜は、珊瑚が細かく砕けたものだ。台風などで高波が押し寄せると、この砂浜が山の上に押し上げられるという。


この浜は、ウミガメの産卵場所でもあり、船長の話では前の日に産卵があったという。ウミガメの移動した跡が残っている。


これは、1000年前に絶滅したというヒロベソカタマイマイの半化石だ。地層が崩れヒロベソカタマイマイの半化石が、多数砂浜に露出しているのだ。ただし、これらを持ち帰ることは堅く禁止されている。




サンゴに付着したヒロベソカタマイマイ。


淡水と海水が交じり合う陰陽池。


南島の一番高いところから、扇池を見下ろす。これもなかなかいい眺めだ。




鮫池と停泊中のピンクドルフィン号が見える。


ほぼ2時間近くとなり帰ることになった。鮫池にもどると、その名のとおり鮫がうようよ泳いでいた。ネムリブカという鮫で、人を襲うことはないらしい。暖かい海のサンゴ礁に住み、体長2m程度に成長し、鰭の先端の白い斑点が特徴だ。それでも、海の中でこんなにもたくさんの鮫の群れにあったら怖いだろうと思った。




船に戻り、別ルートで帰る。ブタの横顔のような面白い形の岩。


これは、有名なハートロック。海側から見ると赤い岩肌がハート形に見えるためハートロックと呼ばれている。


陸からは行くことができないジニービーチ。


波でえぐれた岩穴。


マラニックで立ち寄ったジョンビーチ。海側から眺めるとまた違った雰囲気だ。


こうして、約3時間の南島パラダイスツアーが終わった。これで小笠原とはお別れとなる。

2012小笠原ネイチャーマラニック「5日目早朝散歩と父島出航編」に続く。