ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

ITSビジネスモデル化 残された一縷の望み

2006年02月25日 | ITS
ITSが「ビジネス」として成立しなさそうだ、ということはすでに官民の関係者にはうすうすわかってきていることだろう。
そのなかで、最後の望みとも言えるものがDSRCサービス利用と動的経路案内システム「P-DRGS」だ。

実際、ITS情報通信システム推進会議はその年一回のシンポジウムで一昨年はDSRC,昨年はP-DRGSをメインテーマに据えている。

この二つのビジネスのについて考えよう。

このブログで一貫して指摘してきたことだが、DSRCサービス利用は絶対に開花しないだろう。

ひとつ例をあげよう。
上記シンポジウムで女性モータージャーナリストの岩永るみ子氏が
「女性は便利に敏感でおっくうはいや。特に駐車場の料金所など苦手でおっくう、といった意識を持つので、女性へのアプローチとしては有効と思われる。」
と発言されている。これを聞いて心強くした関係者もいるかもしれない。

しかし、車で仕事をしている一部の方を除いて、女性ドライバーが頻繁に有料駐車場を利用するケースは少ない。ロードサイドのショッピングセンター等は基本的に無料だ。
そして、それ以上に重要なことは車載器の価格だ。
一般に女性は「ハレ」の出費に対しては男性よりも財布の紐がゆるい。しかし日常的な出来事に関しては「便利」よりも「価格」に敏感だ。
パソコンの多少の不便を解消すために男共が買ってくる5千円程度のガラクタは、必ず無駄使いといって責められることになる。

一縷の望みはP-DRGSだ。
しかし、これについてはそのビジネスモデルを相当慎重に進めていく必要があるだろう。