ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

第二東名の天文学的予算について少し考える

2007年11月11日 | 高速道路
第二東名の是非のついては、あまり世論が盛り上がらないままずるずると建設が進行しており、もう引き返せないところにいるのかもしれない。

しかし、本当に10兆円という金額を消費するべきプロジェクトなのか、ということを国民はもう少し時間をかけて考えた方がいいんじゃないかと思う。
10兆といわれると、もはや金銭感覚を超越する。

そこで、ちょっと別の言い方で10兆円を表現してみるとこうなる。

・日本の国家予算(年)の1/10
・日本の自動車産業の年間売り上げの1/4
・トヨタ自動車の利益10年分
・カンボジア人の総年収15年分
・発展途上国の子供4億人の食費・教育費10年分
・世界中の地雷を撤去しても、まだあまると思われる。
 (一個除去に10万円かかっても、1億個除去できる)

注)あんまりシビアに計算した数字じゃないので突っ込まないでね。まあ、こんなもん、と思ってください。
第二東名は7兆円に仕様ダウンした、という話もありますがその場合は3割引。どっちにしたってすごい数字です。

いかに厖大な金額であるか、また金の使い道という意味では「もう一本静岡県内に東名高速を作る」よりもプライオリティが高いことが沢山ありそうだね、ということは理解いただけると思う。

ところが、インターネットをみても冷静・論理的に不要だと反論を繰りひろげているサイトはあまり多くない。
そして、推進派のサイトには必ず「東名は老朽化しているから第二東名建設は正しい」という論調での反論が提示される。

本当かよ。東名より古いアメリカのフリーウェイやドイツのアウトバーンはどうしている?
これらも老朽化はかなり深刻な問題らしいけど、古くなったからもう一本作るなんて話は聞いたことがない。
老朽化しているから新しいのを作るって事は、第二東名が出来たら東名は供用をやめるのか?
もう一個作るんじゃなくて、保守、改良を万全に行うのが普通の考え方だろう。

一方で、もう後戻りしにくいところまで来ているというのは事実だと思うが、まだやめるという選択肢はあると思う。
橋やらトンネルやらの建設中の設備に、NEXCO中日本や建設会社、自治体が見学会をやっているが、これは「もうこんなに出来ちゃってるんだから、いまさら中止なんてありえませんよ」ということを言いたいのだろう。

それだけ、やっている人間にとっても必要性について後ろめたいことがあるんじゃないの?