ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

ETCの街なか利用 つづき

2008年08月23日 | ITS
ETCの街なか利用について、先日書いた。ETCの高速道路料金決済以外への拡大ということだ。いままで散々書いてきたが、改めてその可能性があるといわれているアプリケーションをあげると、次の通りである。

・ガソリンスタンド
・駐車場
・フェリー
・ドライブスルー
・コンビニ

駐車場は10数箇所が稼動している。
フェリーも実用化されている。しかしガソリンスタンドは試験的導入、ドライブスルーやコンビニでの料金決済は始まっていない。

私は、4年前にこのブログをはじめたときから「このビジネスの拡大は無い」と主張しており、実際に4年を経過してたいした進展は無い。

しかし、なぜか関係者はまだまだやる気まんまんなのだ。

既存のETCが使える利用車番号方式についてはORSEが事業を取りまとめ、また専用ETC車載器(多機能ETC)についても今年の秋には試験販売を開始し、来年の春には一般販売を開始するという。
三菱重工も駐車場管理システムを開発した。

このビジネスにかかわる人たちは、市場環境をよく考えたほうがいい。
ガソリンスタンドはどんどんつぶれている。極力コストを削減し薄利で多売する給油所しか生き残れない。そんな中で、設備投資がかかり、決済手数料も余計にかかり、でも集客効果が不透明なETC決済を導入するメリットがあるか?
そもそもセルフのスタンドで、ETC決済にどんな消費者ベネフィットがあるか?

駐車場も利用が減ってきており、経営的には厳しい。さらに、完全ノーストップ利用における買い物割引システムが確立していないので、利用者のベネフィットはいまひとつ。
上記リンクの三菱重工のシステムのような、プライベート駐車場の入退場管理のほうが高級マンションなどでまだ採用の可能性が高いかもしれない。

ドライブスルーにしても、導入メリットは店・消費者とも、さして見出すことができない。
キャッシュレスによる処理力アップはFelicaでやればいい。

コンビニにいたっては、イメージすらわかない。
音楽ソフトの配信などか?
専用車載器の開発と普及が必要になる。これが収益モデルとして成立するとは到底思えない。