ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

ETCをどうするつもりなのか

2010年07月04日 | ITS
訳あって先週末土日ともETCのない車で高速道路をつかったのだが、今はもう料金所渋滞はほぼ解消されているので、たいしたストレスを感じなかった。
未だにETCをつけていない人は、もはやノンストップ通過という理由でETCをつけることはないだろう。
先週から始まった高速道路無料化はETCが無くても適用となり、さらに一旦公表された新しい料金案でもETCによる料金優遇は大幅に制限されていたことから、今後ETC普及拡大は期待できない。

この一連の動きにビジョンが見えない。何をやりたいのだろうか?

技術的には適用できたにもかかわらず、1000円割引をETCに限定したのは強引な普及策に他ならない。でもそこには、車載器の100%普及がゴールにあったはずだ。

ETC付き車への優遇に対して批判があったのは事実。ただ、それは金持ち優遇とか、天下り利権とかいうどちらかというと感情論であり、本当にITSにとって車載器の100%普及がゴールなら、そちらを修正するのが筋で、ETCを批判するのはあたらない。

では、現政権(なのか、国交省が主導しているのか)はITSにとってETC100%普及は必要ない、と判断したのだろうか?
たしかに今のETCには料金収受機能しかなく、ITSには使えない。路車協調をやる「ITS車載器」が必要になるのだが、これはETC+αの機器であり、ETCとしての利便が大前提だ。
ETC優遇を止める=DSRCをITSに活用することを止める、ということに他ならない。

なのに、DSRC路車協調で今年度に350億円をかけて路側機を設置している。
DSRCによるITSに将来があるのかないのか、きっちり議論されずに多額の税金が使われようとしている。

ETCは道路事業者にとってはITによる業務効率化だろう。
だとすると、中途半端に終わるのが最悪だ。投資はかかったが、従来業務を止めれない、ということになる。ここにもビジョンがない。