ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

マルチメディア放送はmmbiに

2010年09月09日 | モバイル・ウエアラブル
アナログ空き地の割り振りで、マルチメディア放送の分野ではNTT系のmmbiとKDD系のMedia FLOが争っていたが、mmbiに落ち着いたようだ。

前にも書いたけど、このビジネスの成立性には大きな疑問を持っている。

有料の携帯機器向け放送は、すでにモバHOが撤退している。ただ、これはワンセグの見通しが立っていない頃から計画をして衛星を打ち上げちゃったという事情もあったと思う。
無料のワンセグがあるのに、有料の携帯放送が成立するのか? さらに、NTTにはBeeTVという自己競合もある。

ワンセグについては、二つの評価が存在する。
・ワンセグが普及したのは、サイマル放送(12セグと同じ内容の放送)だからだ
・ワンセグがビジネスとして成立しないのは、サイマル放送から脱却できないからだ
これの結論は、携帯機器への放送事業はビジネスとして成立しない、ということだ。

前のエントリーでは、携帯メディアなんて「ヒマつぶし市場」で、それはすっかり飽和していると書いたが、その考えに変わりはない。
特に、スマートフォンがあればマルチメディアコンテンツを有料で、かつ放送で受信する理由なんてない。

2007年に先行した米国のMediaFLOは成功していない。

成功には質の高いコンテンツを継続的に提供する必要があるが、これはしんどくてお金のかかる仕事だ。

今回の決定は、財務的に劣るKDDに対して「悪いこと言わないからやめといたら」というメッセージなのかもしれない。

菅直人の雇用論

2010年09月09日 | 雑記
まえにテレビで菅総理が「雇用を増やせば仕事が増える」といったのでびっくりしたが、やはり彼の雇用に関する見識はかなり批評されている。

さすがに雇用を増やせば仕事が増えるは言い間違いだろうが、ちょっとでも経済学を知っている人間なら絶対にしない。
言いたかったのは、雇用が増えれば景気が回復するということだろうが、それとて古典的な話で、現在の消費性向をかんがえたらどんなものか。

どのような分野の雇用を増やすのか、という問いには決まって「介護など」と答えている。

介護は雇用対策というよりも、人材確保に課題がある産業だ。
すでに自民党政権のころから待遇改善面や資格取得での雇用対策を実施しているが、この仕事は志がある人材でないと続かない。単純な「現在の失業者のマッチング」という考え方には無理がある。
医療や介護に特別な思いを持たない人材を引き付けるためには待遇改善しかない。待遇改善の原資は保険であり、それは保険料の増額か国庫の負担となる。

いずれやらなければならないことは事実だが、異常な円高に見舞われている日本の景気対策として、いま最もプライオリティが高い政策なのだろうか。