ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

安全運転講習

2010年09月18日 | 雑記
先日交通安全講習を受講した。
その中で放映されたビデオ。予防安全運転に関するもので、危険を予測しながら運転しましょうという内容。これは尤もなことだと思う。

大手タクシー会社が装着してるドライブレコーダーに記録された事故の場面を見ながら解説するもので、子供が跳ね飛ばされるような結構ショッキング(とはいっても軽傷だろうが)なものだった。

その中で、これはどうなの、と思ったのが以下のケース。

若干左にカーブしている道路にある交差点。
タクシーは右折車線に停止し、右折しようとしている。
対向車線にも右折待ちの車が止まっているが、道が左にカーブしているため対向の直進車は右折待ち車の陰に入って全く見えない。
案の定、タクシーは対向車が来ないと判断して右折をし、右直事故になる。

その後、状況をイラスト化して説明するが、その時には(意図的にか)道路は直線で表現され、単純に「対向右折待ち車の死角に気をつけろ」というような内容。

なぜ警察はこの交差点を右折矢印信号式にしないのか?カーブの途中にある交差点では、この危険は自明のことだ。こうした状況を放置することは人災に近い。
こうした例がいまだに沢山あるのではないか?

ITSでは、「右折車に対して直進車の情報を通信で車載機器に表示する」なんでまどろっこしい事を考えているようだが、そんなことを言う前に「今できる事故防止改善」がいくらでもある。

googleはカーナビを変えるのか

2010年09月18日 | ITS
googleが無料カーナビサービスを日本でも始める。
アメリカではすでにアンドロイド搭載のスマホ向けに提供されている。
8月にロスで体験したが、音声入力、音声案内に対応しており実用性に全く問題ないと感じた。

日本では昨日からベータ版の提供が始まったわけだが、これがカーナビ市場にどういった影響をもたらすのだろうか。

ワンブロックが100m以上あり全ての通りに名前がついているアメリカと、ワンブロック2-30mで小さい通りには名前がなく、繁華街ではGPS捕捉が難しくなる日本では状況が随分ちがう。
日本のカーナビメーカー・地図メーカーはこうした難しい状況の中、10年にわたり改良をしてきているわけで、使い勝手ではまだまだ大きな差があるだろう。

しかし、googleは無料。カーナビとの競合よりも、PNDがシェアを落とすという見方がある。
しかし、(少なくとも現時点では)PNDの中心的なユーザーは「アンドロイド搭載のスマホ」ともっとも遠いところにいる人たちだから、あまり影響はないかもしれない。

ということで、当面は大きな市場構造の変化はないだろう。

しかし、今後はわからない。
ポイントはプラットフォーム、「みちびき」とgoogle ストリートビュー。

・googleはいつまでアンドロイドにこだわるのだろうか?

この機能はアンドロイドに提供されていおり、iPhoneへの対応は「未定」という。
ユーザー数を増やしたければ当然iPhone対応している。アメリカでもそれをしていないということは、当面はアンドロイドOS普及のためのキラーコンテンツとしたいのだろう。
言うまでもなく、iPhone対応がされれば利用可能ユーザーが飛躍的に拡大する。

・みちびき
天頂衛星により、繁華街でのGSP捕捉は飛躍的に改善する。またみちびきが搭載するWAASという補正システムにGPS側が対応することで、精度が向上する。
これらにより、GSP単独機能のナビでも精度的には問題なく使用できるようなる可能性が高い。

・ストリートビュー
カーナビの使い勝手はGPS精度だけではなく、実際の道路情報に基づいた案内であり、これは長年の蓄積と地道なアップデートが必要になる。
一方、googleはgoogleストリートの情報を持っている。案内画面に実写をだすことができるし、案内情報の作成も自社のデータから行える。
これはgoogleの強みだ。

いずれにしても、googleはカーナビ機能を「無料」で提供するわけで、今後相当なインパクトがあるだろう。