ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

自動運転とカーシェアリング

2017年07月15日 | ITS
今までのエントリーで、将来完全自動運転の世界になったらだれも自分で車を保有しなくなるだろうと書いた。

しかし、これには解決しなければならない問題がある。
朝晩の通勤や週末の行楽はトラフィックが一方通行になる。このピーク対応が可能な台数をカーシェアが確保できるのか、もしくは確保してビジネス的に割に合うのか、ということ。オフピークでは相当数の車両が稼働しないことになる。特に大半の人が車で通勤、通学する北米ではそれが顕著になるだろう。

しかし、全てが個人所有の場合に比べれば車の稼働率は(地域差は有るにせよ)間違いなく高くなる。
保有を放棄するか否かについては、通勤時に車を呼んでもなかなか来ないというような状況ではもちろん無理がある。すべての需要を満足した上で個人所有とシェアの負担費用差がどの程度になるのか、ということがポイントになるだろう。
それに加え、もう一つ考えられる要素はたとえ個人所有であっても使わないときはシェアリングに貸し出せる、ということ。オーナーには何ら手間がかからないので広く普及する可能性がある。これで車両保有費用のいくらかを回収できるのであれば、個人所有は無くならないかもしれない。

おそらく通勤通学に関してはライドシェアがなければ対応できない。
車両にある程度のプライバシーを確保できる工夫を行う必要があるが、ビッグデータ管理で最適な同乗者、経路が選択されることで途中の寄り道についてはさほどストレスない運用ができるのではないかと思う。通勤用ライドシェア専用車両もでてくるかもしれない、

いずれにしてもこうした世界の実現には相当の年月が必要。テクノロジー的にはもう実現可能だが、社会インフラが変わるのには時間がかかる。私が目にすることはない未来だろう。