ITSを疑う

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続 NEXCO中日本、駐車場でのETCカード決済を試行

2017年07月28日 | ITS
昨日の記事に関して、ちょっと調べてわかったこと。
2017年7月27日記事
NEXCO中日本、駐車場でのETCカード決済を試行

ETCの高速道路料金外利用については、2006年から「利用車番号サービス」が開始されている。これは車載器の固有番号(利用車番号)を使って利用情報を事業者に送る仕組みだ。この仕組であれば車載器と事業者の読取機、読取機とデータセンター間は利用車番号だけが送られ、クレカの決済情報は通信されないのでセキュリティは万全。データセンターで支払い情報とマッチングさせる。

しかし、いちいち登録しなくてはいけない、また車載器を手放した際に解約をわすれると他人に使われる、というようなデメリットが有り、ほとんど普及していない。

今回の駐車場ETCカード決済は、データセンターまでETCカードの決済情報をそのまま流す。そのままと言ってももちろん暗号化されいて、きっちりセキュリティが確保されたデータセンターで解読し決済につなぐことになる。事業者の読取機ではデータ解読は勿論、蓄積もせずスルーするだけにしてセキュリティを確保するようだ。

これを聞いて思ったのは、なんで最初からそうしなかったのか?ということ。
その説明として以下の文章がITS-TEA(旧ORSE)のサイトにあった。

「ETC開始当時と比べ、インターネットを始めとしたICT技術の進展によって、ネットワークの通信速度やシステムの処理能力及び自由度は大幅に向上しており、高速で大容量のネットワークが広範囲な地域で安価に利用できるようになってきた」

本当だろうか?少なくとも利用車番号サービスの2006年時点ならネットのスピード、容量は十分だったろうし、システム処理能力も十分だったと思う。144モデムでネットをやってた時代のことを言っているのか??

2006年当時に利用車番号を使ったのは過剰なセキュリティ対策だったんだろう。
それに無理があり普及しなかったからカード情報を通信に乗せることにした、というだけのことに思える。

やっぱり最初からそうしておけばよかったという感想しかでてこない。

しかし、それでもこれが普及するとは思えない。
事前登録もなく利用できるので利用者側には制約がなくなったが、はたしてどれほどの事業者が設備投資するだろうか?

余談だが、ETC2.0の説明にいろいろな場面で決済に使える、というのがあるが、このサービスはETC2.0である必要はない。