関東大震災は、神奈川県・東京府を中心に千葉県・茨城県から静岡県東部までの内陸と沿岸に広い範囲に甚大な被害をもたらしました。カフェドミンゴのある銀座界隈はあたり一面焼失し、見る影もなく、郁弥もその犠牲者となっていまいました。
幸いにして、田園地帯にあった村岡家は全壊を免れました。
いったい東京はどうなっているで~と心配している花子のおとぅとおかぁですが、さすが地主の徳丸さんは、すでに東京に向けて物資を届ける算段をしていました。
さすが、甲府一の大地主さまですね。
さて、またまたチーム山梨の出番がきました。大八車に一杯の物資を運んできたのは、おとぅと朝市、そして武です。それにしても甲府から東京までは120Km余り、その間を大八車でいったいどれだけの時間をかけて来たっちゅずらか。まだ舗装などされているわけもなく、山あり谷ありの凸凹道ですよ。ふんとうに故郷はありがたいもんじゃんね。
そんな三人が運んできた徳丸家の物資は…。
先ずは炊き出しの”ほうとう”です。これは本当はおかぁの得意料理ですが、花子も子守と料理は子供の頃に思いきっり仕込まれているからおてのもんでしょう。9月ですからカボチャのほうとうかも知れませんね。これは、炊き出しにはもってこいの料理です。
他に、野菜類や花子の家で作っている草鞋等も運んできたようですが、ひときわを目をひくのが葡萄酒の瓶とワイングラス。炊き出しには不釣り合いな気もしますが、きっと、武が用意したのでしょう。 ”こんな時こそ、うまいもん食って、元気出しましょう!”
武にはこの葡萄酒に思い入れがありますからね。
(甲州葡萄で作った葡萄酒は、とっても口当たりがよく美味しいです。一度皆さんも武の葡萄酒を飲んでみて下さい。)
みんな、朝市のこの言葉にどれだけ元気が出たことか…。ふんとうにありがたいチーム山梨の炊き出しでした。
そして、又、大八車を牽いて120Kmという気の遠くなるような道を山梨に向けて帰るおとぅと朝市、武でした。ごくろうさんでごした!