大正15年、歩は疫痢で死んでしまいました。
花子の悲しみはいかばかりでしょうか…。
あんなに海に行きたがっていた歩君。
お母様に似て、想像の翼を広げお話しを作ってしまう歩君。
お父様に似て、絵が好きで王子と乞食を上手に描いてしまう歩君。
疫痢は、赤痢菌が腸に感染することで起きる感染症で、当時は多くの子どもが亡くなりました。
「アユムシス」電報を受け取った蓮子のお姑は、「母親にとって子供のを亡くすことは、心臓を捥がれるほどつらいこと」と言って、すぐに蓮子を花子の所に向わせます。
浪子さんはさすが武士の家柄です。いざと言う時は頼りになります。
”あすよりの 淋しき胸を思ひやる
心に悲し 夜の雨の音”
花子にとって蓮子という腹心の友は、どんなにか心の支えになったことでしょう。
今日は、8月13日、迎盆です。花子のように、幼くして子供を失った家族は、歩君の死を自分のことのようにつらい思いで見たことでしょうね。
”歩君は虹になったのです。”
そしてお空で、雨雲さんと一緒に楽しくお喋りをしたり、絵を描いていることでしょう。