たかたかのトレッキング

駆け足登山は卒業、これからは一日で登れる山を二日かけ自然と語らいながら自由気ままに登りたい。

心に残る思いでの山(49) 奥志賀・岩菅山(2295)

2020年05月12日 | 心に残る思い出の山

H9年11月9日

登り 2時間45分  下り1時間50分

草津へ近づくにつれ「草津・渋峠間 凍結注意」の電光掲示板が頻繁に現れる様になった。志賀ルートは11月17日から積雪で閉鎖となり翌4月末の雪解けまで待たなくてはならないのだ。

カーブを重ね標高が2000m近くまで上がると次第に風が強くなり暖房をつけているのにも関わらず体がゾクゾクした。しかしその分、頭上は全天に散りばめられた数えきれない星の数、下方には草津温泉の街の輝きが浮きあがり、山間に立ち込める雲は幻想的に青く沈んでいる。

幸いここの所、暖かい日が続いていたので道の両側の雪だけで運転には支障なく無事、発哺温泉場に付く事が出来た。温泉街を見下ろす第二駐車場に車を停め身震いするような外気の中で満点の星を仰いでいると一条の流れ星が頭上を走った。暗闇に浮かぶ街の灯りを足元にまるで宇宙に浮いている様な錯覚を起こさせる不思議な空間が今宵のネグラとなった。

翌日、発哺温泉に向かう途中、左に神々しいばかりの真っ白な北アルプスを認め思わず大声を上げ運転している雄さんを驚かせてしまったが朝一でこんな景色が目に出来たとは何と幸運な事だったろうか。

駐車場に車を置き雄さんがリフト乗り場を探しに行くと、これから始まるスキーシーズンに備えて一週間、点検作業が行われるため運行を停止しているとの事だった。  こうなれば旧登山道を登るしか無く一ノ瀬駐車場のゲレンデの前から林道に入り上条用水路の所に在る登山口に車を停めた。

後方、焼額山(やきびたいやま)スキー場の斜面コースは雪も疎らで夏山とスキーシーズンの狭間にある奥志賀をより寂しいものにしていた。 数日前に降った雪が未だ解けずに残る山道に入り旧小屋跡までの階段登りを終えると、そこからアライタ沢までは、ずっと水平動が続いたので疲れ知らずだったが行く手は雪雲が重く垂れ込め目指す岩菅山の姿を捉える事が出来ない。

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中間地点まで来ると突然、樹氷に覆われた山々が視界に飛び込んだ。それらは漸く明るくなった空の下で眩く光り輝いている。 しかし北側は相も変わらず黒雲が怪しく蠢いて今にも雪が降って来そうな気配である。

少しづつ山奥へと足を踏み入れるにつれ登山道は樹氷を仰ぎ見ながら歩く様になるが時折り強風に煽られてその破片が容赦なく頭上に降り注ぐのには “イタター(>_<)~★” 閉口した。

岩菅山

(富士山も南アルプスも目視出来たが画像には写らない)

ノッキリを登り上げると漸く行く手に「お待ちどうさま」とでも言う様に岩菅山がヴェールを脱いだ。 山肌の雪を纏った自然林が作りだしたその美しさも然る事ながら岩菅山はなかなか壮観で私達は、その水墨画の世界を風の冷たさも忘れ、しばし見とれていた。

「長くなってしまいました。山頂は次に続けたいと思いますのでコメント欄はお休み致します

コメント
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