たかたかのトレッキング

駆け足登山は卒業、これからは一日で登れる山を二日かけ自然と語らいながら自由気ままに登りたい。

心に残る思い出の山 那須連山 ① H11・5月

2020年10月22日 | 心に残る思い出の山

峰の茶屋より茶臼岳をスケッチ

彩色は水に溶ける色鉛筆なので水と筆が有れば何処ででもスケッチが出来ます

 

登山口より朝日岳を望む

(略)

森林限界は意外に早かった。林を抜けると突然、風景は殺伐とした溶岩礫と砂礫の道に変わり木々に遮られていた風が再び荒れ狂い始めた。登るきつさよりも風との闘いに左の茶臼岳や右の朝日岳も目に入らず、ただ よろけそうになる体を何とか持ちこたえさす事で精一杯だった。

暫く行くと吊り尾根の鞍部に峰の茶屋が小さく見えてきた。大きく広がる空の青さの何と美しい事か。

茶臼岳と対峙して建つ峰の茶屋は立派な小屋だ。ここは強風の通り道。低気圧通過時は這って歩く程と聞く。その風による事故だろうか、傍らに手向けられた萎れた花が胸を突いた。

先ずは朝日岳へ。ざれた山肌をへずり雪渓を渡る。正面には特異な山容の朝日岳が迫っていた。後ろからは茶臼岳から噴出するガスがジェット音の様に聞こえて来る。 この音! そう、Mさん宅の食事時の豚どのの鳴き声に似ている。

写真では解りずらいが後方左側の岩に窓(穴)が有り青い空が覗いている

 

自然が作り上げた岩のオブジェを楽しみながら剣ヶ峰を鎖で通過し岩と砂礫に支配された山道を登って朝日岳の肩に着いた。風と戦い浮石に注意しながらの必死の登りだった。肩から眺める朝日岳は目測20分ほど。“疲れそう!”と内心、躊躇いながら取り付いた朝日岳だった。だが掛かった時間は僅か5分だった。

朝日岳山頂

南に茶臼岳、北に三本槍岳と展望は申し分ない山頂だったが、とにかく風が強く記念写真を撮り早々に下山、肩に戻ると丁度、団体が到着したところだった。朝日岳には登らず10分の休憩をとって三本槍に向かうらしい。これは大変とばかりに私達は休まず一足先に三本槍に歩を向けた。

後方の峰は1900m峰、光輝く笹原が印象的だった

1900m峰より、これから向かう三本槍岳を背に

未だ花芽も硬いシャクナゲを分けながら歩いて行く内、気持ちが落ち着き体が浄化されて行く様な感じに包まれた。雄さんも同じ事を言っていた。  実に開放的なのだ、そんな時ウグイスが澄んだ空気を震わせた。 まぁ何て憎い演出でしょう

私カッコ付けてるのでは有りません、風が強く髪を押さえているのでございます。

続く

コメント (16)
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