まりはな屋

地方都市で、清貧生活  

鼻持ちならない

2003年09月22日 21時27分00秒 | 日々雑感
昨日、厳しい訓練を終えたわたし達はホテルにランチを食べに行った。

濡れたジーンズの裾に付いていた芝生を払い、

まあ服装をどうこういうほど格式ばったホテルでもないし。

本来、客商売は身なりなんかで客を選ぶべきではないとわたしは思っている。

著しく異臭を放っていたり、血まみれだというなら話は別だけど。

さて、14時くらいに入ったので、すでに客はまばらであった。

予約もしていないのに窓際のいい席に座れたほどだ。

11階にあるそのレストランは、眺望も売りのひとつである。

わたし達の隣のテーブルは若い女性の二人連れだった。

席に着いたときには意識もしなかったその二人が気になりだしたのは

聞こえてくる会話の内容のせいだ。

前菜が運ばれてくる頃、二人連れの一人(以降A)が

「あのときわたし、気持ち悪くて吐きそうだったの」と言うのが聞こえた。

なんで食事中にそんな話を。

見れば20代後半から30前半と思われる、着飾った女である。

わりとおとなしそうな連れ(以降B)に、

いかにも知的にはきはきしてますといった口調でまくしたてている。

前菜は魚介類のマリネであったが、

「うちのおじいさんとわたしは貝アレルギーで・・・」と

食べるとどんな風になるのか説明し始めた。

わたしの知人にも、食事の膳に貝がのぼると必ず

「貝に当たって大変な目に遭った話」をしてまわりを辟易させる人がいるけれど。

そのうちにBの知り合いの女性が、親子ほど年の離れた人と結婚した話になった。

するとAは「わたし、自分の父親がわたしくらいの人と結婚なんかしたら自殺しちゃうわ」

そうしてくれると父親も助かるだろうに。

世間体だか生理的嫌悪だか知らないが、父親が選んだ人なんだから

二十歳でも百歳でも勝手だろうに。

挙句に「そういう女の人って、自分の父親との関係がすごくいいか悪いかのどっちかよね、絶対」

聞きかじった心理学の当てずっぽう。

途中ウエイターを呼び、ワインの種類をたずね、フランスワインしか置いてないと聞くと

「じゃあ、いいわ」

何様なんだ、お前は。

今までどんなまずいフランスワインを飲んだか、

或いはどんなにうまいイタリア、スペイン、ドイツのワインを飲んだか知らないが

好みを正確に伝えて探してもらえばいいじゃないか。

思いもかけず口に合うフランスワインもあるかもしれない。

そして、食後はコーヒーとデザートが付くのだが、またウエイターを呼んで

「これ、紅茶に変えられるかしら?」

出来ます、と言うのを聞き

「あたしはいいんだけど、彼女が」

だったらBが自分で言えばいいだろうが。

わたしも、自他共に認めるでしゃばりだが、こんな人を馬鹿にしたでしゃばりはしない。

これじゃ、Bが可哀想だ。

その後もアメリカの医療制度がどうのとか、利口ぶった話を続け

結婚の話になると

「苗字が変わるって、女性の特権よね!」

夫婦別姓論議が活発な中、逆に新しい意見のつもり?

なんだかいちいち鼻持ちならないのだが、こういう女が

生活圏内にいなくて、本当によかったなと思った。





コメント
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