まりはな屋

地方都市で、清貧生活  

舞い上がる

2003年09月26日 20時33分00秒 | 日々雑感
十月末によばれている結婚式のために丸井にスーツを探しに行った。

いろいろ着たい服はあったのだが、

やはりパンツスーツがいいだろうと、あちこちの店を見て回った。

丸井の店員は総じて態度が良い。

以前、テナントで勤めていた友人によると、例えテナントであっても

丸井で働く以上、東京で研修を受けなければならないのだという。

今でもそうかどうかは知らないが、

そういうこともあるかもなとうなずかせる感じの良さがある。

さて、飾ってあるスーツに惹かれて入った店の女の人も感じの良い人であった。

ところでわたしは、昔から対人恐怖症である。

子供の頃から客の多い家で育ったわたしは、人見知りもせず愛想もよかった。

その環境が逆に悪かったんだと思う。

自意識の芽生えとともに「人をうまくあしらうことに得意になっている自分」というものを

見透かされるのではないかと思うようになった。

今思えば、口に出すことと腹の中が違うなんて当たり前のことが

どうにも汚れたことに思えていたのである。

加えてわたしは、赤面症になってしまったのだ。

正確に言えば赤面恐怖症。

色が白く皮膚が薄いわたしは、気温の変化や運動やちょっと怒っただけでも

人にはっきり分かるほど顔が真っ赤になる。

なんせ、冬になると鼻の上の血管が青く透けて

「殴られたの?」と聞かれるほど皮膚が薄いんだから。

で、人から「顔、赤いよ」と指摘されるたび恥ずかしくて

「赤くなるかな」と思っただけで赤くなるようになってしまった。

若い頃はこれがつらかったけど、今は仕方ないかと思えるようになった。

だいぶコントロールがきくようになったとはいえ、今でも直ってはいない。

でも、昔の貴婦人はすぐに失神したり赤面したりするのが可憐だというので

失神と赤面の練習をしてたっていうから、まあ可憐なわたしっていうことで。

え~と、話がだいぶそれましたが試着の話に戻りましょう。

わたしはやせているけどスタイルは悪いんである。

これ、誤解している人が多いけどスタイルってのは身体のバランスが重要なので

やせている=スタイルがいいってことではなくて

ちょっと太めでもバランスさえよければスタイルよく見えるのである。

手足の長さ、上半身と下半身の大きさなど、バランスは大事だ。

わたしの場合、上半身は薄すぎて貧弱。

下半身はお尻が下がっているのに足は細い。

そして著しくO脚。

だから、細身のパンツを履くとお尻と曲がった足が格好悪く

それらをカバーするパンツを履くとウエストと足の部分がぶかぶかでおかしい。

そんなわたしの頼みの綱は「ブーツカットパンツ」だ。

太ももにはピッタリフィットするのに膝から下は広がってO脚をカバー。

わたしが持っているパンツはジーンズから何から、全部ブーツカットなのだ。

しかし、その店にはブーツカットのパンツが置いてなかったのである。

店員さんが何着も持ってきてくれるので、どれかに決めなきゃ悪いような気もするが

気に入らないのだから仕方がない。

「すみません、もう少しいろいろ探してみます」と言いながら

試着した服を次々に返したのだが、なぜかハンガーが1本余った。

「あれ、なんで余るのかしら。まだ何かお借りしてましたっけ?」

「・・・パンツをお履きになっています」

履いてるパンツ忘れてたよ。

これって、対人恐怖症で緊張していたせいじゃなくて

ただのおっちょこちょいかなぁ。





コメント
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