一応、まだ数本見る予定ではいますが、09年に映画館で見た映画のうちのお気に入り作品を挙げてみました。
今年は、例年よりもちょっと見ている本数少なくて、特に邦画は見逃しが多かったです。
で、まずは洋画。
『グラン・トリノ』
(クリント・イーストウッド監督・主演)
これが今年の私ベスト。
スジはシンプル系で、頑固親父と心に傷を持つ繊細な少年の出会いから友情が芽生え、深まるという定番ながらも、そこに個人レベルを超えた米の抱える過去から現在の明暗を潜ませ、何とも言えない深い味わいを感じさせる、やるね~と唸らされる一品でした。
『チェンジリング』
(クリント・イーストウッド監督アンジェリーナ・ジョリィ主演)
イーストウッド作品は今年も全部見事でした!!
普通だったら知る人ぞのみ知る小ネタ系話を当時の米の歴史社会情勢にまで広げていきつつ、現代の問題にまでつなげていかせる(しかも無理なく)イーストウッドの手腕はお見事!!20年代の浪漫さもよく出てました。
『フロスト×ニクソン』
(ロン・ハワード監督マイケル・シーン主演)
元が舞台劇という事で、密室劇系ですが全く舞台臭は感じませんでした。
政治・権力としての力、TV・マスコミの力、それをどう使うか?で善悪はその次という印象がリアルです。
ニクソンの最後の表情が素晴らしい!
昨年のアカデミー作品賞候補5作中ではこれが一番でした。
『スター・トレック』
(J・J・エイブラムス監督 クリス・パイン主演)
前シリーズからのコアなファンも納得させかつ新たな層をも取り込む相反する命題を見事クリアーした、リメイクというよりもはや新世紀の復活劇!!ですね。
表面的なところではなくスタトレの精神を大切にしたところを高評価します。続編、作って、作って~っ!!!
『3時10分、決断のとき』
(ジェームズ・マンゴールド監督 ラッセル・クロウ主演)
久々あの西部劇。砂煙や躍動する馬、銃撃戦等々、レトロ感あふれるかっこよさ!!
約120分間、支配する側される側、弱者と強者がコロコロ変化しハラハラし通しでした。
仲間や家族には言えない事が敵である相手にはつい漏らしてしまう・・・男の浪漫だねぇ~。
『カールじいさんの空飛ぶ家』
(ピート・ドクター監督 エドワード・アズナー声)
今回もPIXERはハズレなし!でした。
3Dだろスゴイでしょ、みたいなひけらかしの演出はなく、フツーに美しいところもよいです。もはや3Dでも2Dでも関係ナシ。
技術の上昇よりも映画としての円熟・深みを感じたCGアニメ版「グラントリノ」
『イングロリアス・バスターズ』
(クエンティン・タランティーノ監督ブラッド・ピッド主演)
タラちゃん節大爆発!!映画的お約束だけでなく、世間の常識や良識、結末は決まってる、という歴史物映画の常識までもブッ飛ばす無謀だけど爽快さ!!
そして、適当に乱暴に作っているようで実は緻密でマニアで、手の込んでいる何気ない会話一つ一つが泣けるというか、なんつうか。
あーまだあるけど、とりあえず一休み(笑)
で、一休みの間、一本見てきました。
「クヒオ大佐」という邦画です。
実際の事件というか人物をモチーフにした作品で、クヒオ大佐、本名ジェームズ・エリザベス・クヒオ・・・だったかな~?
ハワイ生まれの米国人で空軍パイロット、現在任務のために日本滞在中。
英国エリザベス女王の妹の夫の遠縁だか何だか、というお家柄である・・・
という経歴を語る、れっきとした日本人の結婚詐欺氏の話です。
昨今、結婚詐欺事件がちょいちょいありますが、女性の結婚詐欺はお金しぼり取った後は殺しちゃうというのに対して、男性の方はわりとまだ可愛げがあるよーな・・・(だからいいというわけじゃないが)
しかし、人の心をつかむというか、異性の心をつかむ技術はなかなか!!でしたよ、参考になります(←オイ)
まずは、最初ズバッとその人に対して否定的な事を言う。
で、失礼な奴!!とこちらに向き直ったところで、言い直す、または言い変えて、
「あ、この人は他人の本当の姿を見抜ける人なのだ、そしてそれを正直に話す人、おべんちゃらを使わない、誠実な人なんだ。」と思わせる・・・
という感じで。
騙される女性も、決して彼がアメリカ人である、軍人である、お金持ちである、から惹かれた、というだけじゃないんだよね。
どこかにある「自分の寂しさ」を感じ、わかってくれ、それを埋めてくれる・・・かもしれない人だから好きになって、好きだからこそ信じ切ってしまってお金を貢ぐ・・・んだよね。
日本人の一般的な特性として、わりと「疑う」よりも「信じる」方に重点があるというか、これって世界的には特殊な方なんだそうですが。
(欧米の契約主義は「疑う」からこそ交わすものなんだそうだ)
まぁ、そこが日本の良さである、日本人の素晴らしさである、と唱える外国人も多いそうですが、そこをついて騙すよーな人もいるわけで。
90年代が舞台で、当時は湾岸戦争、日本は人は出せない(9条との関係で)ならば金出せ!!と、散々アメリカにお金を貢ぎましたが、そういった日米関係との絡みも狙っているみたいですが・・・
個人的印象だと、その辺は表にあまり出さない方がよかったかな?という気がします。
あー当時は、アメリカは世界のキングでヒーローであった(爆)
で、映画の後、メシにしようと思って、カウンターで注文方式の軽食&カフェのお店に寄ったら、私の前に若めな男二人連れが並んでまして、そのうち一人が多分ケーキセットかなんかを頼むのに、そのケーキを選ぶのに散々悩んでいた・・・
で、ようやく決まって、じゃもう一人の連れがようやく注文を、と思ったら、なんとその男、自分の番が来てからおもむろにケーキの選択を始めるではないかっ!!
何故、相棒が悩んで注文している間に決めとかんのじゃっ!!キーッ!!
と、キレネンコ状態っ!!(←MTVアニメ「ウサビッチ」に出てくる元凶悪ギャングウサギ)
と、後ろから蹴飛ばしくなりました(爆)やらんけど、そのウダウダ男らといっしょの店にいるのがイヤになったので、他の店に行ってしまった(爆)
で、帰宅したら、こんなお年賀カードが届いてました!!
ロシア・モスクワからです!!
ロシア国営放送の「ロシアの声」の日本語課スタッフの皆さまからでした!!
ありがとうございますっ!!
2,3回メールを送っただけなのに、こーんな綺麗なカードをっ!!
この「ロシアの声」はもともとラジオ短波の番組なんですが、ネットでも聴けます。
ロシアの現地ならではのリアルな情報、あるいは日本でも放送されるようなグローバル的なニュースでも、それがロシア側からの見解・知見からの報道になるので、また見方がちょっと違っていて面白いです。
それに、現在日本で本を初めとして、最近のロシアについてのネタはほとんどがダークなフィルターがかかっているような物ばかりで(プーチン独裁政権とか)
なかなか、リアルな普通の市民や国民の姿とか、状況が伝わってこないのですが、その点、この放送は大変参考になります&いまだに「暗い・怖い」ばかりのロシアに対する日本側との差がなんとももどかしいというのか。
それにしても、やはりお年賀でもロシアだから洋風ですな(爆←当たり前~)