先日、透明標本展に行ってきました。
水族館とかでも時々見かける機会が多くなってきた透明標本。
軟骨を青く、硬骨は赤く染める、っていう手法で、
普通に見た、外見・形状なんかだとそんなに差がないように見える魚でも、その見方にすると全く違って見える。
左側はホシザメ、右側は普通な魚←オイ
サメは軟骨で形成されている、と普通の魚との違いが視覚的に一目瞭然となるわけです。
って基礎知識はその程度で見に行きましたが、予想以上に面白かった!
作り方の過程。まずポージング?をし、固めてから体のタンパク質を脱色して透明にする。
骨格標本だとタンパク質を除去するわけだが、こちらは残したまま。
軟骨を青く染色
硬骨を赤く染色
軟骨を青く染色
硬骨を赤く染色
グリセリンを入れたケースなり瓶に詰めて完成!
グソクムシは軟骨仕様なんだねー
水族館で見かける事が多いから、見たのも当然魚類系が多いが、
両生類、
爬虫類、
鳥類もありました。
哺乳類はネズミの透明標本も。
脂肪が多いと透明になりにくい、とか昆虫では表面が退色するだけで透明にならない、とか、向き不向きもあるらしい。
理屈的には人間もできるそうですが、大きいものは難しいそうで(の前に倫理的な問題が)
まあ、そういうのはCGにお任せ、ですな。
こんな感じの、生物関連のミニ知識なんかも読み応えがありました。
貝とイカタコは出自は同じだが、イカ、タコは貝殻による防御方法を捨て、機動性を選んだ進化を進めた、って事ねー。
なんとなく、イメージ的に知ってる気的になってたモノが実は違ってる、とか。
後半は、アートチック面が多い展示
上から覗かせる展示だが、
横から見るとこんな感じ
ネコザメ
ミツクリザメ??
現代美術っぽい展示も。
これらを作った作家さん、私はてっきり美術方面の人かと思ったら、元々は漁業水産関係から入ったらしい。
科学と芸術のハイブリッド、って感じだね。
生物・命、という素材がそのままアートになる、っていう。
生物を素材としてアートにする、って言えばラットを黄色に塗ってピ○チューと称したのを現代アートとして発表してた輩もいたが、完全に異なるのは生命に対する敬意や畏怖の念が有るか無いか?って点かな?
学術的な標本として見た場合は、保存性に難がある(退色してしまうらしい)が、骨格標本だけではわかりにくい、普通のいわゆる標本だけでは見えないとこが見える、違う視点から観察出来るとこが面白い反面、透明標本だけではわからない点も決して少なくはない、ってとこも素直に認めてるとこも好感持てました。
まー、売店のお姉さん方がちょっと和気あいあいしすぎなのが気になりましたが^_^;;