いやぁ、日が伸びましたね~春だねぇ~
で、今日は静岡県立美術館に行ってきましたよ。
ただいまの展示は、『1968年激動の時代の芸術』
1968年といえば、約50年前。
1970年が大阪万博なので、その前あたりの高度成長時代あたり、また学生運動とかが盛んだったりとか、いわゆる「団塊の世代」の青春時代?って感じですかね?
で、私は単に「現代アート」的な感覚で見に行きました。
今、
静岡市立美術館でも現代アートやってて、まぁ現代といっても80年代なんだけどね、そっちがかなりがら空きで、大体美術館に行くとよくいる「うんちくを語るおじさん」がいなかったのだ。
これは、きっと現代アートだとうんちくが語りにくいから、美術うんちくおじさんは敬遠して来ないからでは?と勝手に推測してまして、今回もそういう感じで空いてるんじゃないか?って思ったら、思ったより入ってました。
といっても、まあ通常程度かな?
で、残念ながら(?)うんちくおじさんがいました、っていうか通常よりも多かった(苦笑)
っていうのは、そういううんちくおじさんっていわゆる団塊世代のちょい上の層が多い。
今、引退してお金もまぁそこそこ、で時間があるから美術館にきてうんちく語る、さらに1968年あたりっていったら、その年代が若かりし頃でまさしくジャストの年代ではないですかっ!!!
そりゃ、うんちくおじさんが通常以上にいるわけだよ、まだまだ読みが甘いな、自分!!(爆)
いや、まぁまさしく彼らの青春時代なんで語りたくなる気持ちはよくわかるし、語るな!とは言わんが、小さな声で頼むよ!!って感じですな・・・
で、1968年ってありますが、実質はその前後70年代あたりも扱ってます。
一応美術館だから「そのあたりの芸術」に焦点を当ててるとはいえ、そのあたりの時代そのもの風俗カルチャーもかなり場所を割いてるのでね。
思うに、当時は今よりも「芸術」とその時代をとりまく物との距離感がもっと密接であり、当時の自分や周囲の主張を芸術なりなんなりで大きく訴える人が多かったんだなぁ、って思う。
今ももちろんいるけど、今よりそういう人が多いっていうか行動も派手って印象。
まぁ、その派手な部分を取り上げてるからなんだろうけどね。
今よりももっと直接的なスローガンとかプロパガンダ的な感じでございました。
ネットの普及でかえってそういう直接的な大がかりな行動が減ってきてるのかもしれんなぁ、って思ったりとかさ。
そして、なんか皆同じ方向性じゃないとダメ、的雰囲気が今より強いような気がした、芸術的なところでも。
主に反体制を芸術という手法で訴えてるのが多いんだけど、その反体制の中の流れも結構同一化を求められていて目指してる方向は同じでも手法が違う、微妙な見解が違うと反目しあって仲間でも攻撃しあって自滅、って日本赤軍とか内ゲバそーいうあたりにも通じるような気がする。。。
まぁ、語るほどよく知りませんが。
でも、日本にもこういう時代があったんだなぁ~と思ったりとか。
芸術作品もあるけど、いわゆる美術館的なそういうのよりも歴史博物館的な展示が多かったですね、雑誌とかポスターとか。
1970年の大阪万博に関しても、協力した芸術家と強硬に反対して万博破壊!的運動していた芸術家たちもいたとかで。。。
岡本太郎なんかは万博のデザインを請け負いつつも、その万博のテーマに結構反発していたっていうのを聞いたが、当時の複雑(?)な心境の一旦を感じたっていうのかね。
かなりいろいろ心労あったんじゃないかねえ?
で、万博に関しての展示はそれほどスペースなかったけど、売店では太陽の塔グッズが沢山ありました^_^;
で、基本的に私はどんなに理解できない作品みてもあんまり深く追求しないっていうか「ま、いーんじゃいですか?」って感じなんだけど、今回はどうしても気になった作品がありましてねぇ。
高松次郎という方の1969年の作品で「布の営み」っていう作品。
画像はないなんだけど、口で説明すると360cmの正方形の帆布、これが床にべたっと広げられてるのです。
ベットメイキングでシーツをベットの上に広げると、しわが大体真ん中あたりに出来ますよね?で、四隅とかをひっぱってそれを慣らして平にする、その平になる前段階のしわがビミョーによったその状態の布、それが作品なんですよ!
で、その作品の所蔵がここ県立美術館だっていうのでつい我慢しきれず近くにいた監視員の方に聞いてみた。
「これ、普段はどうやって保存してるんですか?」と。
そしたら、「普通にたたんでるみたいですよ」とお返事が。
え?このしわ具合というかたわみ具合とかは作家の意図というか計算じゃないの?って思ったら、実はそれは「偶然の産物」的な扱いでいいんだそうです。
展示する時にバサッと広げるとしわができる、それがそのまんまその時のその「布の営み」なんだそうです。
そして、時間の経過と共い空気がだんだん抜けてしわの形が変わったりする、それも作品の一部。
つまり、布のそのたるみやしわがどう入るか?っていうのはその時の空間ややる人にお任せ!っていう作品なんだって!!
へぇぇぇ~!!芸術、おそるべしっ!!って感じでございました。
寺山修司とかメメくらげもあったよ~
ガロっぽいマンガ原稿、トーン使わずに青鉛筆で塗ってあったりとか。
青って基本印刷に映らないはずだけど、やはり普通に白いとことはちょっと違って微妙に影っぽくなるのかもねぇ。
そーいや、先日見てきた藤田和日郎原画展でも、モノクロページの原稿なのに血飛沫を赤で描いてるとこがあってそれを思い出しました。
50年前って近いようで遠くもあり、現代とつながっているけどまた違うところもあり。。。
いろいろ知ってるはずの時代なのになんかこうやって改めて検証されると面白いもんですね。
今の時代もあと50年後にはこうやって語られるようになるのかねぇ??