1010 Radio

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冷戦は再び始まるか

2008-02-10 | ラジオ
アメリカのライス国務長官は、ダボスでの世界経済フォーラムでの開会セ
レモニーで発言した際、アメリカとロシアの間でいわゆる新しい冷戦が起き
ると言う可能性に付いて言う人が居るが、全く持ってナンセンスとしか言い
ようが無いと言明した。
この発言に関連してロシアの声の政治評論委員は、次のようにコメントして
いる。
ライス国務長官のダボスでのこうした発言は、ロシアとアメリカが対決の時
代、つまり冷戦の時代へと戻るのではないかと、あれこれ懐疑的に考えたり
している人々、人騒がせな人々、恐らくそうした騒ぎを煽っている人々に対す
る一つの答えと言える。AX
ここで指摘しておきたいのはライス国務長官は、すでにそうしたことを一度な
らず明言しているということだ。

これはもちろん重要であって、当然ながらロシア側の注意を惹かないわけに
はいかない。
しかしより重要な事はロシア指導部もまた、やはり同じ立場を取っていると言
う点で、プーチン大統領は何度もアメリカのブッシュ大統領との個人的な信頼
関係を口にしてきたのみならず、路米関係がハイレベルで保たれている点を
指摘している。

また露米双方が重要だと見なす協力の領域に付いての双方の判断、また評
価が類似していることも見逃すわけにはいかない。
先ず第一にそうした領域として挙げられるものは勿論、世界の戦略的な安定
や安全保障の諸問題だ。
ロシアとアメリカ双方は大量破壊兵器の拡散防止に向けた戦いやテロリズム
過激主義、麻薬ビジネス撲滅を目指す戦いにおける、相互行動や協力の有
効性および必要性を認識している。
さらに中東問題調整における、ロシアとアメリカの共同努力の持つ意味も、評
価し過ぎても過ぎることは無いだろう。

しかしそうした一方でロシアとアメリカの間に、意見の食い違いがあるということ
は明らかだ。
とは言え、そうした食い違いと言うものは冷戦時代、特徴的であったような根本
的で、互いに受け入れられないような矛盾の上に立ったものではない。
食い違いが生じたのは国際舞台における、アメリカ政府の一方的な行動のせい
であり、国連や国際法を無視するようなアメリカの行動であり、冷戦の勝利者と
して振舞おうとする態度が原因なのだ。
それゆえロシアのラブロフ外相は、1月23日モスクワでの記者会見で、国際問
題においてイデオロギー的にブロックに分かれるようなことにはならない様にす
べきだと発言し次のように続けた。

ロシアは世界中の国も敵視するつもりは無い。ロシアは自分を対敵に巻き込む
ようなことはしない。
ただアメリカ政府は、もはやロシアが完全な対等と互恵を基盤にしてのみ、あら
ゆる国々と協力する用意のある事を知るべきである。
そうした事をアメリカ政府が理解する様になれば、意見が食い違う領域は著しく
狭まるだろうし、協力のベースはかなり強くなるだろう。
ラブロフ外相はモスクワでの記者会見で、この様に指摘している。

「日米関係」とは何だったのか―占領期から冷戦
終結後まで


マイケル シャラー
草思社


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1月25日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル