コソボは2月17日、独立を宣言した。
これに関連してロシアの声の政治評論委員は、次のようにコメントしている。
予想されかつ懸念されていたことが現実のものとなった。
セルビアが断固として抗議し、またロシアを含む多くの国々が反対しているなか、
アルバニアの軍事主義勢力はアメリカとEUの支持を支えとしつつ、自らの主張
を実現したのだ。
コソボの独立宣言を受けて、今後どうなるのだろうか。
当然ながらセルビアは国を分割するこに同意していない。セルビアはコソボの独
立宣言は許しがたい一方的行動であるとみなしている。
コソボの独立は根拠が薄く、法的根拠の無いものだ。

ここ数日の内にコソボに対して、ある種の経済措置が講じられる可能性もある。
コソボの経済が苦しい状態にあることを考えれば、そうした経済措置が非常に有
効なもとなる可能性も在る。
コソボの失業率は40%から60%で、輸出は輸入に対して6%ほどとなっている。
さらに性急にコソボの独立を承認する国々とセルビアの関係は著しく悪化するだ
ろう。
セルビアのタディッチ大統領は、数日前に声明を表し、コソボの独立を認める国
々との外交が絶たれることは無いものの、セルビアにとってのそれらの国々の重
要性は、大きく低下するだろうと警告していた。
専門家筋はセルビアが今後アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリアその他
幾つかの国々と、一定の距離を置いていくものと見ている。
一方ロシアは国連安保理での協議を、緊急に開始する構えだった。
前回の安保理の会議では、15カ国の安保理理事国の内10カ国がコソボの独立に
反対の立場を示し、緊張した協議が継続されていた。
こうした状況は十分説明できるものだ。
何故なら広い目で見れば、問題はコソボだけに留まらないからだ。
先ず安保理決議第1244号が無視された以上、国連の権威が失衰する危機にさら
される。この決議はコソボに対するセルビアの主権を確認すると同時に、コソボ地
方の広範な自治権を保障する内容となっていた。
さらに国境の不可侵という国際法の基本原則も無視された格好となる。それだけ
ではない。国連コソボ暫定統治機構が今年6月までにその活動を終了し、その後
EUの警察と官僚たちがその任務に就くことになり、NATOの約1万7千の兵士が、そ
の支援に当たる見通しだ。
言い換えれば世界にとって、極めて危険な出来事が起こるのだ。
有力ではあるものの地域機関として位置づけられているEUとNATOに、国連が道を
譲ることになるのだ。
さらに彼らがヨーロッパ内外において、解放された悪魔つまり多くの軍事主義者達
に、対抗することが出来るかどうかという点も大いに疑問だ。
現時点でコソボの一方的な独立宣言による、あらゆる影響を予想することは困難だ。
しかし一つだけハッキリしていることがある。それは地域と世界的な安全が、深刻な
試練にさらされているということだ。
2月18日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル

これに関連してロシアの声の政治評論委員は、次のようにコメントしている。
予想されかつ懸念されていたことが現実のものとなった。
セルビアが断固として抗議し、またロシアを含む多くの国々が反対しているなか、
アルバニアの軍事主義勢力はアメリカとEUの支持を支えとしつつ、自らの主張
を実現したのだ。
コソボの独立宣言を受けて、今後どうなるのだろうか。
当然ながらセルビアは国を分割するこに同意していない。セルビアはコソボの独
立宣言は許しがたい一方的行動であるとみなしている。
コソボの独立は根拠が薄く、法的根拠の無いものだ。
ここ数日の内にコソボに対して、ある種の経済措置が講じられる可能性もある。
コソボの経済が苦しい状態にあることを考えれば、そうした経済措置が非常に有
効なもとなる可能性も在る。
コソボの失業率は40%から60%で、輸出は輸入に対して6%ほどとなっている。
さらに性急にコソボの独立を承認する国々とセルビアの関係は著しく悪化するだ
ろう。
セルビアのタディッチ大統領は、数日前に声明を表し、コソボの独立を認める国
々との外交が絶たれることは無いものの、セルビアにとってのそれらの国々の重
要性は、大きく低下するだろうと警告していた。
専門家筋はセルビアが今後アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリアその他
幾つかの国々と、一定の距離を置いていくものと見ている。
一方ロシアは国連安保理での協議を、緊急に開始する構えだった。
前回の安保理の会議では、15カ国の安保理理事国の内10カ国がコソボの独立に
反対の立場を示し、緊張した協議が継続されていた。
こうした状況は十分説明できるものだ。
何故なら広い目で見れば、問題はコソボだけに留まらないからだ。
先ず安保理決議第1244号が無視された以上、国連の権威が失衰する危機にさら
される。この決議はコソボに対するセルビアの主権を確認すると同時に、コソボ地
方の広範な自治権を保障する内容となっていた。
さらに国境の不可侵という国際法の基本原則も無視された格好となる。それだけ
ではない。国連コソボ暫定統治機構が今年6月までにその活動を終了し、その後
EUの警察と官僚たちがその任務に就くことになり、NATOの約1万7千の兵士が、そ
の支援に当たる見通しだ。
言い換えれば世界にとって、極めて危険な出来事が起こるのだ。
有力ではあるものの地域機関として位置づけられているEUとNATOに、国連が道を
譲ることになるのだ。
さらに彼らがヨーロッパ内外において、解放された悪魔つまり多くの軍事主義者達
に、対抗することが出来るかどうかという点も大いに疑問だ。
現時点でコソボの一方的な独立宣言による、あらゆる影響を予想することは困難だ。
しかし一つだけハッキリしていることがある。それは地域と世界的な安全が、深刻な
試練にさらされているということだ。
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2月18日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル
