ロシア経済は優先性の変更が必要とされている。
原料ベースからハイテク中心へ移行する時期が来ている。
あらゆるスペシャリストたちが、さまざま客観的要因を挙げて、強
く移行を呼びかけている。
しかし一方で現状を変えることで、はじめ複雑な利益バランスが
崩れるだろうし、また経済の変革は大変なお金が掛かるだろうと
理解する必要があるということを、主な論拠として、この移行に反
対する人々もいる。
厳密に言うと石油、天然ガス、木材などの原料輸出から得られる
収入が、予算の大部分を占めるような国家発展モデルは、そう悪
いものではない。
このモデルはこれまでも、そして現在も生き残りのための大きな力
を発揮している。
ですから多くの人々は予算や政治生活及び私生活の慣れ親しんだ
体制、社会的安定を維持し実際的には、経済の近代化を止めたほ
うがいいのではないかと考えている。
これに関連して産業後社会調査センター所長は、著しい量の天然資
源を有していること事態が、その国の近代化ポテンシャルに、非常
にネガティヴな影響を及ぼしていると述べ、さらに次の様にコメントし
ている。
「経済発展のレベルや速度と、そして天然資源の保有量との関係は、
それほど顕著なものではない。
これまでも様々な時期に多くの国が、農業や原料を主体とする経済か
ら、工業中心の経済へと移行に成功してきた。
原料依存型の問題点は、絶対に変えられないものではない。
それどころか資源の生産、輸出から得られるお金は、産業を一新する
ためにも使われうるものだ。
これは先ず第一に、国のエリート達が主導権を握り、政治的枠組みを
作っていく必要があるのだ」
センター所長は、この様にコメントしている。
多くの専門家は経済近代化の際に重要なのは、資源輸出からの収入
を最適な形で利用することである。という意見で一致している。
ここでは原料が輸出にも輸入にも充分であるという原因が、重要な役
割を果たしている。
いわば資源を販売して得られる収入は、全ての人を満たすものでなけ
ればならないのだ。
こういった意味でロシアの状況は、もちろんまさに石油が全てであるペ
ルシャ湾沿岸の産油諸国の状況とは程遠いものだ。
それぞれのロシア人が、石油や天然ガスの販売からの充分な配当額を
期待するには、ロシアの総人口は余りにも多すぎるのだ。
今後10年のロシアの戦略的課題である、最も高い生活レベルを持つ国
の上位5カ国に入るためには、高額な追加税が付く商品の販売から得ら
れる、追加的な収入源が必要なのだ。
他方で原料での発展の方法を保っていても、イノベーションの発展無しで
は、現状を保つことは出来ない。
つまりこれまでの伝統的な資源産地は、徐々に枯渇してしまうのだという
ことだ。
現在、海底深くには資源が埋蔵されている可能性が認められているが、ハ
イテク技術の利用無しでは、この採掘作業を行うのは不可能に思われる。
つまりロシアには世界有数の原料大国で在り続けるためにも、何らかの
別の選択肢ではなく、経済の近代化を図る必要があるのだ。
※「ハイテク技術の利用無しでは」言い換えれば日本の技術協力無しでは
と言うべきだろ。
しかし自らを大国と称している以上、まちがってもそんなことは言えないだろ
うね
5月22日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル
原料ベースからハイテク中心へ移行する時期が来ている。
あらゆるスペシャリストたちが、さまざま客観的要因を挙げて、強
く移行を呼びかけている。
しかし一方で現状を変えることで、はじめ複雑な利益バランスが
崩れるだろうし、また経済の変革は大変なお金が掛かるだろうと
理解する必要があるということを、主な論拠として、この移行に反
対する人々もいる。
厳密に言うと石油、天然ガス、木材などの原料輸出から得られる
収入が、予算の大部分を占めるような国家発展モデルは、そう悪
いものではない。
このモデルはこれまでも、そして現在も生き残りのための大きな力
を発揮している。
ですから多くの人々は予算や政治生活及び私生活の慣れ親しんだ
体制、社会的安定を維持し実際的には、経済の近代化を止めたほ
うがいいのではないかと考えている。
これに関連して産業後社会調査センター所長は、著しい量の天然資
源を有していること事態が、その国の近代化ポテンシャルに、非常
にネガティヴな影響を及ぼしていると述べ、さらに次の様にコメントし
ている。
「経済発展のレベルや速度と、そして天然資源の保有量との関係は、
それほど顕著なものではない。
これまでも様々な時期に多くの国が、農業や原料を主体とする経済か
ら、工業中心の経済へと移行に成功してきた。
原料依存型の問題点は、絶対に変えられないものではない。
それどころか資源の生産、輸出から得られるお金は、産業を一新する
ためにも使われうるものだ。
これは先ず第一に、国のエリート達が主導権を握り、政治的枠組みを
作っていく必要があるのだ」
センター所長は、この様にコメントしている。
多くの専門家は経済近代化の際に重要なのは、資源輸出からの収入
を最適な形で利用することである。という意見で一致している。
ここでは原料が輸出にも輸入にも充分であるという原因が、重要な役
割を果たしている。
いわば資源を販売して得られる収入は、全ての人を満たすものでなけ
ればならないのだ。
こういった意味でロシアの状況は、もちろんまさに石油が全てであるペ
ルシャ湾沿岸の産油諸国の状況とは程遠いものだ。
それぞれのロシア人が、石油や天然ガスの販売からの充分な配当額を
期待するには、ロシアの総人口は余りにも多すぎるのだ。
今後10年のロシアの戦略的課題である、最も高い生活レベルを持つ国
の上位5カ国に入るためには、高額な追加税が付く商品の販売から得ら
れる、追加的な収入源が必要なのだ。
他方で原料での発展の方法を保っていても、イノベーションの発展無しで
は、現状を保つことは出来ない。
つまりこれまでの伝統的な資源産地は、徐々に枯渇してしまうのだという
ことだ。
現在、海底深くには資源が埋蔵されている可能性が認められているが、ハ
イテク技術の利用無しでは、この採掘作業を行うのは不可能に思われる。
つまりロシアには世界有数の原料大国で在り続けるためにも、何らかの
別の選択肢ではなく、経済の近代化を図る必要があるのだ。
※「ハイテク技術の利用無しでは」言い換えれば日本の技術協力無しでは
と言うべきだろ。
しかし自らを大国と称している以上、まちがってもそんなことは言えないだろ
うね
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5月22日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル