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イランに対しIAEAと最大限の協力を行うよう呼びかけるロシア

2009-10-03 | ラジオ
イランが国内第2位のウラン濃縮施設を建設しているとの報
告を行ったことを受けて、ロシアはイランに対しこれに関する
情報を完全に提示するため、IAEAとの間で最大限の協力を
行うよう呼びかけている。
これはニューヨークでイランのモッタキ外相と会談を行った、
ロシアのラブロフ外相が会談終了後明らかにしたものだ。

これに関連してロシアの声の特派員が、ニューヨークから次
の様なコメントを伝えている。
ラブロフ外相はロシアはイランに対し、ウラン濃縮施設の建
設に関するロシアの立場を訴えたと指摘し、10月1日にジュ
ネーヴで開かれる国連安保理5ヶ国にドイツを加えた6ヵ国と、
イラン最高安全保障委員会のジャリリ事務局長との間で開か
れる会議の中で、イランからの回答を得たいとの考えを明らか
にし、ラブロフ外相は次のように述べている。

「イランがウラン濃縮施設を建設していると発表したことを受け
て、今回の会議は特別な意味を持つようになった。
この問題に関して我々は、メドヴェージェフ大統領が最近ピッツ
バーグで明らかにした、ロシアの立場を伝えた。
我々はイランの代表団に対し、新たなウラン濃縮施設に付いて、
IAEAが完全な情報を得られるよう、IAEAと積極的な協力を行う
よう呼びかけた。
イランに対して不透明なままである、全ての疑問を解消すること
は、イランの核プログラム問題の解決に向けたプロセスを、スタ
ートさせることに繋がるだろう。
イラン側が我々の呼びかけに、耳を傾けてくれることを前提とし
て、ジュネーヴでの協議では今日の話し合いを、何らかの結果
を得ることが出来ると期待している」
ラブロフ外相はこの様に述べた。

また外相は最近イランが、中距離ミサイルを発射させたことに付
いても触れ、これは国際社会の懸念を呼ぶものである。
しかし自制心を発揮しなければならないと述べると共に、発射自
体は国際的な合意によって禁止されているものではないが、イラ
ンの核開発をめぐる問題が、未解決なまま行われていることから
懸念を呼ぶのは当然のことと強調した。

ラブロフ外相はニューヨークで開かれた、露米経済会議の定例会
合に出席したなかで、イラン問題に関して一方的な措置を講じる
ことは許してはならないとの見解を明らかにしていた。
「IAEAはイランの核プログラムが、軍事目的のものであるとの証
拠を入手していないが、我々はこのことを100%確信する必要があ
る。
故にロシアはイラン領内でのIAEAの監視作業を断固として支持し
ている。
一方でイランに対する新たな制裁発動に付いては、一方的な措置
を許すことなく、国際社会がひとつになって話し合うことが必要不
可欠だ。
またイランに対する武力行使の可能性に付いては、IAEAがイランの
核プログラムを監視する可能性を失う危険があり、好ましからぬ結
果を引き起こす可能性がある」
ラブロフ外相はこのように述べている。

一方イランはこのところ、自国の核問題をめぐる協議のなかで、次
第に国際社会を相手に複雑な外交ゲームを楽しむようになってきて
いる。
これに関連して雑誌『国際政治のなかのロシア』編集長は、イラン
は手の込んだ外交を行う国だと指摘している。
編集長は続けて次の様に語っている。
「イランはウラン濃縮施設を有していることを自ら発表し、直ぐにIAEA
を視察に招いた。
現在両者は日程に付いて調整を図っているが、話がまとまり次第IA
EAはイランを訪れ、今のところ禁止されていることは行われていな
い。今後の動きを見守っていこうと言うだろう。
そしてイランは我々は問題を透明なものにしたと主張する。
そうやってイランは仲介役6ヵ国の間の意見を分裂させ、協議の進
展を妨げようとしているのだ」
編集長は、このような見解を明らかにした。

9月29日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル