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中東で始まる軍拡競争(2)

2011-09-19 | ラジオ
ではここで今度はサンクトペテルブルグ現代中東研究センターのイサエフ所長の意見を紹介したいと思う。
「核大国以外の残り全ての国々が、核開発技術を手に入れる道は大変制限されている。まして軍事用の生産技術は尚更だ。
しかしそれでもやはり核爆弾を保有できた国々には、別なアプローチがある。 イラク、アフガニスタン、リビアでの戦争は地域の核軍拡競争を駆り立てているように思える」
所長は、このように考えている。

一方で西側のイスラエルに対する態度も、アラブ世界の憤激を呼び起こしている。
イスラエルが核兵器を保有している事は、世界でも周知の事実だが、おまけにイスラエルは自国の核開発に対する、国際機関による査察を受け入れていない。
イスラエル当局の軍事的な積極性から考えれば、その隣国も軍拡競争に加わるのは確かだろう。
イスラエルの隣国レバノンの雑誌『アルムタワスィト』のナスルッラ編集長もそう考えている。
「アフガニスタンやイラク、リビアでの戦争は多くの国々にとって力の強いものが常に正しいという事を、またしてもはっきり物語るものだった。
多くの国は外からの侵略に対し、自分達は無防備だと感じている。そうした場合、自分達を守るものは何か。
それは兵器を持つ事、願わくは核兵器や大量破壊兵器を保有する事だと考えるようになっている。ここ数年のうちに、アラブ諸国を含め多くの国々の軍事予算は、かなり膨らむと思う」
編集長は、このように考えている。

ここ数ヶ月間の出来事は言うまでもなく、アラブを筆頭に多くの国々を軍備増強へと向かわせている。
カダフィ大佐自身、リビアの核プログラムを縮小し最大限の忠誠を示しながら、あらゆる手段で西側と協力したにも関わらず、そのことが彼の言ってみれば元友人達による打倒から、自分の身を守る事には繋がらなかった。
そうした状況の中で一体誰が、カダフィ大佐の二の舞になりたいと思うだろうか。

イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策 1
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講談社

9月6日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル