1010 Radio

ラジオから色んな情報が発信されるように、車いすの視点から情報や思いを発信。

中国の拡大に譲歩を余儀なくされるアメリカ

2012-05-17 | ラジオ
中国はアメリカ金融市場における拡張を開始した。
今回史上初めてアメリカ連邦準備制度が、中国工商銀行によるアメリカのバンクオブイーストアジアの買収を承認したことを、ロシアの専門家たちはこのようにコメントした。
このほかアメリカ連邦準備制度はシカゴに中国銀行の、そしてニューヨークに中国農業銀行の支店を、それぞれ開設する許可を与えている。

ロシア銀行協会のトスニャン会長は現在、世界一の経済大国の座を勝ち取ろうとアメリカと張り合う中国は今回、強い手に出たとして次のように語っている。
「こうした中国の拡張は遠いところに目標を据えたものだ。今日、世界制覇がなされる手段は武器の力ではなく経済力だ。
金融分野に入ることで中国は、他の手段によってアメリカ市場で自分の場所と影響力を確保するよりも、ずっとアメリカのプロセスにかなり大きな影響を講じることができる。これは中国がアフリカ、アジア、欧州へとどう出て行くかということにも関係してくる」
会長は、このように話している。

世界金融恐慌によってアメリカは、柔軟性を発揮せざるを得なくなってきている。アメリカは中国が持つ巨大な金外貨準備高のような、世界にかける強力な金融のテコを使った圧力に、すでに対抗できなくなっているからだ。これについてコンサルティング会社ネオコンのハジン社長は、次のように語っている。
「中国は大量のドルを準備外貨として抱えている。これはアメリカの輸出と関係してくるものだ。アメリカは大型の資本を獲得しようとする中国を、これ以上拒むことはできない。そうでなければ中国は、アメリカの国債を買わなくなってしまうだろうからだ。そうなればアメリカ予算にも、金融システムにも計り知れない打撃となる」
社長は、このように話している。

この帰結は中国石油化学工業公司が先日、アメリカ市場に上場したことでも裏づけられる。
この会社は4月末、アメリカのエネルギー会社デヴォンの抱える5つのプロジェクトでシェアを獲得したばかりだ。
これに先立ち中国石油化学公司は、カナダの石油市場でも22億ドル分のシェアを獲得した。こうした市場はつい最近まで中国資本には、全くアクセス手段のなかったものだった。

資本の〈謎〉――世界金融恐慌と21世紀資本主義
クリエーター情報なし
作品社

5月9日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル