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世界経済は投資をめぐって闘う

2012-05-23 | ラジオ
アナリストらは投資家の信頼が主要通貨としての価値を持ち、投資環境の魅力のあるなしが国の将来を左右すると指摘している。
ロシアは外国投資の呼び込みにおいて、すでに大きな成功を収めており、2011年の投資規模は650億ドル、2010年に比べて50%の増加となった。
しかも欧米諸国の魅力は下がってきている。専門家らはすでに投資の流れが変わってきていることを指摘している。

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アメリカのピーターソン世界経済研究所は、WTOのドーハラウンドが妥結しなかった場合、世界経済に何が起こるのかという問いを設定した。ドーハラウンドは11年にわたって妥結が先送りにされてきた。
また世界経済危機によって状況はさらに悪化した。その結果、国際貿易システムは崩壊する危険性があるとの結論を示しているのだ。

現代発展研究所のマースレンニコフ氏は、このような悲劇的な予測は何も新しいものではないと指摘している。
「これは国際貿易の将来について、唯一の悲観的なシナリオではない。そしてそれは現実的な見方の一つだ。
国際貿易をめぐる状況は全く良いものではない。昨年、成長テンポは半分以上に減少した。WTOは自らの予測を発表したが、それによれば2012年の国際貿易の成長は4%以下になるとされている」
マースレンニコフ氏は、このようにコメントしている。

ピーターソン研究所の専門家らによれば、将来的にはアメリカや日本に有利になり、ロシア、中国、インドは経済的な困難が待ち受けているということだ。
ロシアの政治学者、ディスキン氏はこのような予測は驚くべきものだと指摘している。
「このような結論は非常に奇妙なものだ。というのも世界経済や、ほかの指導的分析機関の予測と大きく異なっているからだ。それらはちょうど反対のこと、つまりBRICSの世界経済における役割が、高まることを予想しているからだ」
専門家は、このようにコメントしている。

どちらにせよ今回の予測は、投資家の注意を引きつけるという一つの目的のために行われたものだ。
アメリカ経済は国際投資家に大きく依存していると、ディスキン氏は指摘している。
「アメリカの金融システム全体は、アメリカ国債のリファイナンスにかかっている。現在の借り入れ金額は1%程ですが、もしもそれが3%にまで上がればアメリカにとって大きな負担となり、支出を大きく削減しなくてはならない。
そしてそれはアメリカ国民の生活水準に直接関わるものだ。今回の予測は以前と同じように、投資家らの資金がアメリカ国債に回るよう促すためなのだ」
ディスキン氏は、このようにコメントしている。
しかしどれほど権威のあるアナリストでさへも、経済プロセスに影響を与えることはできない。逆に多くの専門家らは、新しい勢力の役割が伸びていく一方であるとの考えを示しているのだ。

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5月11日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル
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