Fish On The Boat

書評中心のブログです。記事、それはまるで、釣り上げた魚たち ------Fish On The Boat。

「最近ノ若イ者ハ!」

2009-04-30 20:28:19 | 考えの切れ端
「近頃の若者はなっていない」
そう、道破する、お年を召した人たちの言葉にでくわすことがあります。
自分の若い頃はもっとまともだった、しっかりしていたと言いたげに、
この言葉を発するのでしょう。

でも、今読んでいるロシアの19世紀の本にも、
「近頃の青年はなっていないと言われているが」
という一文がでてきます。
さらに、これは本当かウソかわかりませんし、
年代もあやふやではありますが、一説に紀元前3000年のエジプトの古文書にも、
「近頃の若者はなっとらん」というのがでてくるそうで。

これらの言葉を信じて考えれば、人間が発祥して、
年々その性質が劣化していっているということになります。

んなわきゃーないよね。
人の記憶というものは、実はあやふやなもので、
年を取るごとに、都合の良いように作り変えられたりしてしまうそうです。
これは何か、脳の本に書いてあったか、「ほぼ日」かなんかで読んだ。
年を取ればそれだけ人生経験をつみ、考え方も知識もしっかりしてくる。
その、しっかりしてきた脳の状態を、過去の自分にもあてはめてしまう。
とくに、若い頃から、自分に対して客観的にみてこなかった人が
そうなるんじゃないかな。
客観的にみれていれば、その当時の自分のいたらなさみたいなのって
わかるはずだし。そうしてこないで、その当時の自分の行いを
肯定して、反芻せずに記憶にとどめてしまった人。
そういう人が、「最近の若い者は」と言い出すんじゃないですか。
まぁね、若い頃から立派な人もいるだろうけど、
大体の人って、年を取ってから見る、
未熟な若者と、実は同じようなものなんじゃないか。
そういう認識をするときって、思考がガクンと傾げますよ。
僕は高校生とかをみていて、僕もあーだったかなぁって、自分を彼らと同等とみなす
ことでそうなります。
年をとった人も、是非そうしてほしいですね。
「近頃の若い者は」っていうのは、想像力の欠如だよ。
そして、無差別に若者に対して権威をもとうとする行為なんじゃないでしょうか。
まぁね、若い頃っていうのは、自分の「これだ!」っていう行いに対して
静謐な視線でクールに分析する知性もなかったりするかもしれない。
だから、その未熟さだってわからないんだよ、きっと。
未熟さがわからなくて、結局、「未熟じゃなかった」っていう認識にたどりついて
しまうんじゃないか。「自分に対する無知の知」、その意識がないんですよ。

若いときって、何かに熱中してしまいがちです、万人ではないかもしれないけど。
熱中が、主観的すぎて、ふと立ち止まって考えるということをしなかった人は、
ちょっと考えてみるといいです。若者の姿と自分を照らし合わせて。
そして、そうじゃないだろうと思いながらでも、彼らと自分が同等とみなす
シミュレーションをしてみてください。
こういうことで、世代間に生じる亀裂を浅くすることができるんじゃないですかね。
ま、これは年上からのアプローチですけどね。
年下からのアプローチっていうのは、なかなか考え付かないね。
概して勝手だったりするからね。年上のいい意見なり考えなりを知ると、
年下からのアプローチができるようになるんじゃないか。
じゃ、やっぱり年上からいろいろ発信するべきなんだろうなぁ。

今日はここまで。
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訂正

2009-04-30 17:05:48 | days
日刊スポーツのサイトより。

>インフルエンザの世界的流行は20世紀に3回あった。
>1918年発生の「スペイン風邪」では世界で約4000万人が死亡した。

昨日書いた記事に、スペイン風邪での世界の死者は200万人と書きました。
すんません、間違っていたようです。
200万人というのは、どっから出てきたんだろう、見切り発車でした。
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