Fish On The Boat

書評中心のブログです。記事、それはまるで、釣り上げた魚たち ------Fish On The Boat。

1日タッテ

2009-06-16 19:15:18 | days
映画『群青』の試写会から一夜明けました。
ぐわーっと考えて書いたことにも、ちょっと違和感があるようにもなってきました。
あれはあれで、いい映画だったんじゃないか、と思うようになってきています。

「喪失」というものを表現していて、そこに力が注がれていたのかもしれない。
そして、それがあってこそ、最後の曲が深い救いになったということですね。
多くを語る映画ではないけど、地味にっていうのは変かもしれませんが、
愛を失うその反動の大きさを、そのままの形であらわしてくれた映画だったかなぁ。

ハリウッド的な感じの映画ではないので、ハリウッドなれしてると
面食らうのかもしれませんね。邦画は邦画でいいもんです。
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『群青 愛が沈んだ海の色』試写会

2009-06-16 00:41:09 | 映画
mixiのお友だち、kuzuohさんにお誘いをいただいて、
長澤まさみちゃん主演の映画『群青 愛が沈んだ海の色』
の試写会に行ってきました。
どうもありがとうございました。

久しぶりに札幌の街中まで行って、地下鉄に乗ったり電器屋をぶらぶらしたり、
そして人の多さを感じたりと、そういう時間は短かったですが、
ちょっとした刺激になりました。
田舎に住んでいると、そういうのがないからねぇ。

さて、映画。
沖縄のとある島。
三人だけの、同い年の子どもたち。
そのうちの二人がくっつくんですね。もう一人は実は片想いをしている。
それで、まさみちゃん演じる涼子とくっついた男子は、
若さゆえの愛への無鉄砲さで、海に沈んで死んでしまう。
ここに、『群青 愛が沈んだ海の色』というタイトルが示すものがあります。
愛する人を失って、心が壊れてしまう涼子という女性を
まさみちゃんは演じました。
撮影のときは21歳だったと思いますが、その年齢で
こんな難しい役どころを演じきっているのは見事でしたね。
できればすっぴんでやって欲しかった。
そのほうがリアリティがでたんじゃないかなぁ。

以下、mixiの日記の一部を張ります。
ネタバレ注意。
___

結論からいいますと、主人公の涼子(まさみちゃん)の
心が壊れてしまって、それがどう再生していくかという
ところが見せ場なんですね。
ダイスケの心遣いとか、はっきりと描かれていませんが、
島民の気遣いとか、時間が癒してくれるとか、自然が
癒してくれるとか、いろいろあると思うんです。
ポジティブな進行の仕方だと。
でも、それらが再生の萌芽にもなりません。
そこは現実的に描かれていると言っていいのでしょう。
そんな簡単に、壊れた心が再生するものでもない。
で、亡き母の音楽によって、最終的には再生の糸口が見つかった、
みたいな感じなんです。
確かに、素晴らしい曲です。
エンディングテーマの歌にもなっていますが、名曲だと思います。
人生の苦味、諦念、そういったものを抱きながらも、
神経質にならない感性で、きれいなものを感じたときの、
本当の慈しみみたいなものを感じさせてくれる曲でした。
そんな素晴らしい曲に、ストーリーや登場人物が置き去りに
されているような印象を受けたんですよねぇ。
そこまで内容が追いついていなくないかなと感じさせられました。
超自然的な要素で完結させるんじゃなくて、
そこに生きる人々の働きかけや生き様によって、解決して欲しかったです。
そういう人間ドラマになっていて欲しかった。難しくてもやって欲しかった。

そう書いていくと、超自然的な解決に頼るしかなかったということは、
それが物語の作者の「神の手」的な作為がなかった場合を考えてしまいます。
もしも現実だったらどうだったか、と。
そうなると、とても悲しい、悲しすぎるくらいのお話になります。
演出なしに涼子の境遇だけで悲しい。
じゃ、やっぱり、母の曲が救いになっているわけで、音楽賛美の傾向をもつ
作品だったのかなぁ、と堂々巡りして考えてしまいますね。
壊れた心の再生には、それくらいしか奇跡はないんだよ、
というような終点にいきつくのかなぁ。
『愛が沈んだ海の色』ですからね、焦点は「喪失」にあったかもしれない。
でも、それぞれのキャラクターが奮闘する熱気みたいなものも
欲を言えば感じさせて欲しかったですね。
ほんと、普通の、悪く言えば平凡な人間
しかでてこなかったように思います。
まぁ、それがリアリティなのかもしれませんが。
___

という具合です。
書いていて、なんか書き足りないとか、
書くことによって逆にちょっと本当のところから離れてしまっている
というような感もありますが、そこはそこ、
映画を観てご自身なりに考えてみてください。
まさみちゃん、光ってたなぁ。
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