読書。
『地球温暖化後の社会』 瀧澤美奈子
を読んだ。
地球温暖化についての本は、ここ2年くらいに二冊読んでいて、
どちらも恐怖や不安を煽るような印象がありました。
・『地球温暖化/人類滅亡のシナリオは回避できるか』 田中優
・『私たちの地球は耐えられるのか?』 ジル・イェーガー 手塚千史訳 松本聰解説
それが今作では、読者に余計な心配をさせないという心遣いが感じられました。
そして、環境問題に対しての慎重な姿勢も感じられます。
また、巻末に書かれていますが、温暖化の問題について、
これからの科学技術のありかたについて、疑問と不安をもったのが
この本を書くきっかけだったそうです。
本書でも、温暖化による気候変動によって、
異常気象だとか伝染病の流行だとかが起こりうることとしてあげられています。
だけど、読み進めるとわかりますが、それで不安を煽るような書き方は
されていないんですね。
だからそれに対処していこうという静かな気概を伝えてくれて、
方策の現状や案件などを教えてくれます。
人間らしい、「希望を持つ」ということを
捨てないでいてくれているのが読んでいて嬉しいところ。
前に読んだ二冊だと、「きみら、もう終りなんだよ、わはは」
と言われているような気がしないでもなかった。
パニック映画が大好きですっていう人が書いたような
読み物にも読めなくもなかったんです。
たとえば、前に読んだ2冊には、メタンハイドレートという物質が登場しました。
化石燃料に代わるエネルギー源として注目されているとともに、
これが多く蓄積されているシベリアの氷河の下などで、
もしも氷河が溶けだしてメタンハイドレートが空気に触れて溶けだしたら、
二酸化炭素の比ではない温室効果ガスとして
地球温暖化を急速に進めていくことを危ぶんでいました。
そこまでいったら、取り返しがつかないという境界線を見せられているようで、
読んでいて怖い思いがしました。
今作ではそこには触れていません。
なにか発見があって、業界内で興味の薄れていっているトピックなのか、
それとも、話がややこしくなるから書かなかったのか。
この瀧澤さんという著者の、この件に関する考え方も、
知りたかったといえば知りたかったですかねぇ。
また、他にこの本の面白かったところは、
今の農薬は改良されていてほとんど残留しないようになっている、だとか、
ゴミの分別はエコのためかと思われているけれど、
実は各自治体のゴミ処理能力に合わせて設定されている、だとかです。
それ以外にも、バイオ燃料の、全然エコじゃない面や
食糧不足を生む面だとかの紹介などなど、
ぽこぽこと面白い情報が盛られていました。
そうそう、レジ袋は買い物で使う一次使用のほかに、
家庭でのゴミの始末などの二次使用で衛生管理に一役かっているから、
一概に「エコの敵」とはみなせない、なんてところは痛快でした。
僕自身のエコに対する取り組みっていえば、
なんだろうなって考えるんですが、あんまりありませんね。
電気をこまめに消すっていうのをやりますが、
それだって大した効果はないようなんですよねぇ。
あとはドライヴを控えていることですかね。
地方に住んでいるので、ちょっと買い物に行くのにも
都市部だとかまでやっぱり自動車で行くことになるんです。
そういうのは仕方がないとして、気晴らしのドライヴには行かなくなったなぁ。
そういうのも楽しかったんだけれども。
さて、2010年の幕開け、そして10年代の幕開け。
本格的に地球温暖化と格闘しなければならない時代に入ってきました。
ちょっと遅いのかもしれませんが、
こういう本を読んでおくことは悪いことではないと思います。
さっきも書きましたが、この本は世界的調査機関IPCCの調査報告に
対しても慎重な姿勢で書かれています。
そのあたり、読んでいて好感が持てるかと思います。
少々、つっこみ不足な感もあるといえばあるのですが、
日本人らしいバランス感覚でのまとまりかたをしている本ではないでしょうか。
ちなみに、この本が発行されたのは、2009年2月20日ですので、
まだそれほど古くはありませんことをお伝えしておきます。
『地球温暖化後の社会』 瀧澤美奈子
を読んだ。
地球温暖化についての本は、ここ2年くらいに二冊読んでいて、
どちらも恐怖や不安を煽るような印象がありました。
・『地球温暖化/人類滅亡のシナリオは回避できるか』 田中優
・『私たちの地球は耐えられるのか?』 ジル・イェーガー 手塚千史訳 松本聰解説
それが今作では、読者に余計な心配をさせないという心遣いが感じられました。
そして、環境問題に対しての慎重な姿勢も感じられます。
また、巻末に書かれていますが、温暖化の問題について、
これからの科学技術のありかたについて、疑問と不安をもったのが
この本を書くきっかけだったそうです。
本書でも、温暖化による気候変動によって、
異常気象だとか伝染病の流行だとかが起こりうることとしてあげられています。
だけど、読み進めるとわかりますが、それで不安を煽るような書き方は
されていないんですね。
だからそれに対処していこうという静かな気概を伝えてくれて、
方策の現状や案件などを教えてくれます。
人間らしい、「希望を持つ」ということを
捨てないでいてくれているのが読んでいて嬉しいところ。
前に読んだ二冊だと、「きみら、もう終りなんだよ、わはは」
と言われているような気がしないでもなかった。
パニック映画が大好きですっていう人が書いたような
読み物にも読めなくもなかったんです。
たとえば、前に読んだ2冊には、メタンハイドレートという物質が登場しました。
化石燃料に代わるエネルギー源として注目されているとともに、
これが多く蓄積されているシベリアの氷河の下などで、
もしも氷河が溶けだしてメタンハイドレートが空気に触れて溶けだしたら、
二酸化炭素の比ではない温室効果ガスとして
地球温暖化を急速に進めていくことを危ぶんでいました。
そこまでいったら、取り返しがつかないという境界線を見せられているようで、
読んでいて怖い思いがしました。
今作ではそこには触れていません。
なにか発見があって、業界内で興味の薄れていっているトピックなのか、
それとも、話がややこしくなるから書かなかったのか。
この瀧澤さんという著者の、この件に関する考え方も、
知りたかったといえば知りたかったですかねぇ。
また、他にこの本の面白かったところは、
今の農薬は改良されていてほとんど残留しないようになっている、だとか、
ゴミの分別はエコのためかと思われているけれど、
実は各自治体のゴミ処理能力に合わせて設定されている、だとかです。
それ以外にも、バイオ燃料の、全然エコじゃない面や
食糧不足を生む面だとかの紹介などなど、
ぽこぽこと面白い情報が盛られていました。
そうそう、レジ袋は買い物で使う一次使用のほかに、
家庭でのゴミの始末などの二次使用で衛生管理に一役かっているから、
一概に「エコの敵」とはみなせない、なんてところは痛快でした。
僕自身のエコに対する取り組みっていえば、
なんだろうなって考えるんですが、あんまりありませんね。
電気をこまめに消すっていうのをやりますが、
それだって大した効果はないようなんですよねぇ。
あとはドライヴを控えていることですかね。
地方に住んでいるので、ちょっと買い物に行くのにも
都市部だとかまでやっぱり自動車で行くことになるんです。
そういうのは仕方がないとして、気晴らしのドライヴには行かなくなったなぁ。
そういうのも楽しかったんだけれども。
さて、2010年の幕開け、そして10年代の幕開け。
本格的に地球温暖化と格闘しなければならない時代に入ってきました。
ちょっと遅いのかもしれませんが、
こういう本を読んでおくことは悪いことではないと思います。
さっきも書きましたが、この本は世界的調査機関IPCCの調査報告に
対しても慎重な姿勢で書かれています。
そのあたり、読んでいて好感が持てるかと思います。
少々、つっこみ不足な感もあるといえばあるのですが、
日本人らしいバランス感覚でのまとまりかたをしている本ではないでしょうか。
ちなみに、この本が発行されたのは、2009年2月20日ですので、
まだそれほど古くはありませんことをお伝えしておきます。