読書。
『本当は誰が一番?この国の首相たち』 八幡和郎
を読んだ。
東久邇宮稔彦首相から始まる戦後の首相たちを、
管直人首相までずらっと紹介し、
首相としての成果を著者が独断で評価値をつけ、
何をしたかだとか、その当時の情勢だとか、などを説明した本です。
僕が初めて認識した総理大臣は、
中曽根さんなんです。それ以前は知らない。
しかし、本書によると、もうその当時から
本当の意味での才人だったり大物だったりした首相は
登場しなくなっていて、誰でも、つまり資質不足の人でも
総理大臣になれる時代に突入していたとのこと。
生まれてこのかた見てきた首相がどれも小物とは、
「総理大臣」というイメージのスケールは
きっと僕以降の世代にとっては小さいものなんじゃないでしょうか。
ちなみに、僕が「好ましい総理大臣だった」と思う人は
小渕恵三首相です。その他はあんまりわからない。
それにしても、80年くらいまでの政治家って、
歴史的人物が多い感じがしました。
吉田茂、岸信介、池田勇人・・・。
昔は今よりもビジョンが持ちやすかったのでしょうか。
そういうシンプルさってあったのかもしれない。
ここ30年くらいは、小手先の政策ばかりのように、
本書を読んで感じました。
バブル経済が弾けると言われていた頃も、
何もしなかったし、弾けてもなかなか対処しなかった。
それで、小さなことを「改革だ」としてやっていて、
こりゃ、それ以前の政治家が「ナタの切れ味」
でもって政治をしていたのが、
ここ最近の政治家は「安全カミソリの切れ味」
でもって政治をするようになっているように見えてしまう。
たぶん、時代の変化にスピードに、旧来の政治家としてのスタンスが
合わなくなってしまって、それに合うような人材が現れるまでの
過渡期であって、もうそれを超える時期に来ているように、
僕なんかには感じられたのですが、どうでしょう。
また、中盤から小沢一郎さんの名前がちょくちょく出てきますが、
どうにも、時の首相を混乱させたり、意地悪したり、
嫌がらせをしたりして、まともに政治をさせない役割を担っています。
壊し屋なんて言われる人ですが、その通りでした。
それと、東日本大震災が起こった時の対処で管さんが
ボコボコに叩かれている言葉を見つけたりしますが、
僕は管さんは外れクジをひいてしまったわけで、
それまでに危機管理のシステムや実際の防災・減災の取り組みが
たらなかったという点で、過去の何代にもわたる政権にも
大きな責任があったと見ます。
一部だとは思いますが、そこらへん、民衆の異常な思考のうねりというか、
スケープゴートにされたように見受けられました。
巻末には著者が語る理想の首相像というのがありますが、
これはどうでしょうね、はてさて、と言ったところ。
「首相でみる現代史」とも言えます。
著者の考えのフィルターを通してのものですので、
異論があったり、違和感があったり、
読む人によっていろいろかもしれんませんが、
なかなか面白いので、時間のある方は是非。
『本当は誰が一番?この国の首相たち』 八幡和郎
を読んだ。
東久邇宮稔彦首相から始まる戦後の首相たちを、
管直人首相までずらっと紹介し、
首相としての成果を著者が独断で評価値をつけ、
何をしたかだとか、その当時の情勢だとか、などを説明した本です。
僕が初めて認識した総理大臣は、
中曽根さんなんです。それ以前は知らない。
しかし、本書によると、もうその当時から
本当の意味での才人だったり大物だったりした首相は
登場しなくなっていて、誰でも、つまり資質不足の人でも
総理大臣になれる時代に突入していたとのこと。
生まれてこのかた見てきた首相がどれも小物とは、
「総理大臣」というイメージのスケールは
きっと僕以降の世代にとっては小さいものなんじゃないでしょうか。
ちなみに、僕が「好ましい総理大臣だった」と思う人は
小渕恵三首相です。その他はあんまりわからない。
それにしても、80年くらいまでの政治家って、
歴史的人物が多い感じがしました。
吉田茂、岸信介、池田勇人・・・。
昔は今よりもビジョンが持ちやすかったのでしょうか。
そういうシンプルさってあったのかもしれない。
ここ30年くらいは、小手先の政策ばかりのように、
本書を読んで感じました。
バブル経済が弾けると言われていた頃も、
何もしなかったし、弾けてもなかなか対処しなかった。
それで、小さなことを「改革だ」としてやっていて、
こりゃ、それ以前の政治家が「ナタの切れ味」
でもって政治をしていたのが、
ここ最近の政治家は「安全カミソリの切れ味」
でもって政治をするようになっているように見えてしまう。
たぶん、時代の変化にスピードに、旧来の政治家としてのスタンスが
合わなくなってしまって、それに合うような人材が現れるまでの
過渡期であって、もうそれを超える時期に来ているように、
僕なんかには感じられたのですが、どうでしょう。
また、中盤から小沢一郎さんの名前がちょくちょく出てきますが、
どうにも、時の首相を混乱させたり、意地悪したり、
嫌がらせをしたりして、まともに政治をさせない役割を担っています。
壊し屋なんて言われる人ですが、その通りでした。
それと、東日本大震災が起こった時の対処で管さんが
ボコボコに叩かれている言葉を見つけたりしますが、
僕は管さんは外れクジをひいてしまったわけで、
それまでに危機管理のシステムや実際の防災・減災の取り組みが
たらなかったという点で、過去の何代にもわたる政権にも
大きな責任があったと見ます。
一部だとは思いますが、そこらへん、民衆の異常な思考のうねりというか、
スケープゴートにされたように見受けられました。
巻末には著者が語る理想の首相像というのがありますが、
これはどうでしょうね、はてさて、と言ったところ。
「首相でみる現代史」とも言えます。
著者の考えのフィルターを通してのものですので、
異論があったり、違和感があったり、
読む人によっていろいろかもしれんませんが、
なかなか面白いので、時間のある方は是非。
東久邇宮稔彦首相から始まる戦後の首相たちを、管直人首相までずらっと紹介し、首相としての成果を著者が独断で評価値をつけ、何をしたかだとか、その当時の情勢だとか、などを説明した本です。「首相でみる現代史」とも言えます。