読書。
『かないくん』 谷川俊太郎:作 松本大洋:絵
を読んだ。
言葉のほうが先に出来上がって、
それから絵が描かれたそうですが、
言葉と絵の双方、
威張ることなく媚びることなく、
尖ることなくダレルことなく、
初めから一つのものであったかのように、
そこにありました。
この絵本の中で発せられた言葉には、
温度があるかのよう。
吐く息や、声の響きの輪郭が、文字になったかのよう。
そんな言葉が語っていく。
この絵本の絵は、そういった言葉に、
張り合うでもなく、よいしょするでもなく、
引き立て役を引き受けたわけでもなく、
しっかり、言葉の柔らかさとシンクロして
情景をあらわしている。
それは、一緒にダンスを踊るようでもあり、
餅をつきあうようでもある。
言葉というのが縦の糸で、
絵が横の糸で、
丁寧に織られてできた素敵な織物のように、
大事にしたくなる、そんな絵本です。
「死ぬとどうなるの?」
と帯に書かれていますが、
読むとそのテーマからまず感じるものがあるでしょう。
そして、感じるものが薄っぺらじゃなくて、
「うまくいえないけれどもしっかりある」ことがわかるのではないか。
昨今、迅速主義が流行り、
すぐに答えを言え、意見を言え、考えを述べよ、
と迫られることが多くなりました。
もしも、すぐに言えなければ、意見がない、考えがないとみなされてしまう。
でも、感じたことが醸成して言葉になるまでには時間がかかるものです。
早急に言葉にしてしまったら、失われるものがあって、
それが実はとても尊いものだったりする。
だから、この絵本を読んだ人は、
すぐに答えを出そうしなくていいんだと思います。
しっかり感じていれば、ある日、あっ、という感じで言葉になって
でてきたりします。
それをお楽しみにするといいんじゃないかな。
好い絵本、素敵な絵本、すごい絵本。
まるで、無機質じゃない、生きている絵本でした。
「死」っていうものも、無機質じゃないのかもしれない、
そう思えてしまいました。
『かないくん』 谷川俊太郎:作 松本大洋:絵
を読んだ。
言葉のほうが先に出来上がって、
それから絵が描かれたそうですが、
言葉と絵の双方、
威張ることなく媚びることなく、
尖ることなくダレルことなく、
初めから一つのものであったかのように、
そこにありました。
この絵本の中で発せられた言葉には、
温度があるかのよう。
吐く息や、声の響きの輪郭が、文字になったかのよう。
そんな言葉が語っていく。
この絵本の絵は、そういった言葉に、
張り合うでもなく、よいしょするでもなく、
引き立て役を引き受けたわけでもなく、
しっかり、言葉の柔らかさとシンクロして
情景をあらわしている。
それは、一緒にダンスを踊るようでもあり、
餅をつきあうようでもある。
言葉というのが縦の糸で、
絵が横の糸で、
丁寧に織られてできた素敵な織物のように、
大事にしたくなる、そんな絵本です。
「死ぬとどうなるの?」
と帯に書かれていますが、
読むとそのテーマからまず感じるものがあるでしょう。
そして、感じるものが薄っぺらじゃなくて、
「うまくいえないけれどもしっかりある」ことがわかるのではないか。
昨今、迅速主義が流行り、
すぐに答えを言え、意見を言え、考えを述べよ、
と迫られることが多くなりました。
もしも、すぐに言えなければ、意見がない、考えがないとみなされてしまう。
でも、感じたことが醸成して言葉になるまでには時間がかかるものです。
早急に言葉にしてしまったら、失われるものがあって、
それが実はとても尊いものだったりする。
だから、この絵本を読んだ人は、
すぐに答えを出そうしなくていいんだと思います。
しっかり感じていれば、ある日、あっ、という感じで言葉になって
でてきたりします。
それをお楽しみにするといいんじゃないかな。
好い絵本、素敵な絵本、すごい絵本。
まるで、無機質じゃない、生きている絵本でした。
「死」っていうものも、無機質じゃないのかもしれない、
そう思えてしまいました。
この絵本の中で発せられた言葉には、温度があるかのよう。吐く息や、声の響きの輪郭が、文字になったかのよう。そんな言葉が語っていく。この絵本の絵は、そういった言葉に、張り合うでもなく、よいしょするでもなく、引き立て役を引き受けたわけでもなく、しっかり、言葉の柔らかさとシンクロして情景をあらわしている。それは、一緒にダンスを踊るようでもあり、餅をつきあうようでもある。「死ぬとどうなるの?」と帯に書かれていますが、読むとそのテーマからまず感じるものがあるでしょう。そして、感じるものが薄っぺらじゃなくて、「うまくいえないけれどもしっかりある」ことがわかるのではないか。昨今、迅速主義が流行り、すぐに答えを言え、意見を言え、考えを述べよ、と迫られることが多くなりました。もしも、すぐに言えなければ、意見がない、考えがないとみなされてしまう。でも、感じたことが醸成して言葉になるまでには時間がかかるものです。早急に言葉にしてしまったら、失われるものがあって、それが実はとても尊いものだったりする。だから、この絵本を読んだ人は、すぐに答えを出そうしなくていいんだと思います。しっかり感じていれば、ある日、あっ、という感じで言葉になってでてきたりします。それをお楽しみにするといいんじゃないかな。好い絵本、素敵な絵本、すごい絵本。まるで、無機質じゃない、生きている絵本でした。「死」っていうものも、無機質じゃないのかもしれない、そう思えてしまいました。