読書。
『ITビジネスの原理』 尾原和啓
を読んだ。
マッキンゼー、リクルート、google、楽天、などなど転職を10回も重ねた、
それも一流企業を渡り歩いた著者による、ITの歴史を辿りながらのITビジネス分析考。
ITビジネスに限らず、日々インターネットに触れて暮す僕らみんなにとって
興味深いことが書いてある本でした。
IT企業はどうやって利益を生んでいるか、だとか、
「パズドラ」に代表されるソーシャルゲームを分析すると、
どんなタイプのゲームがあり、それはどんな要素で構成されているか、だとか、
クラウドソーシングという新しい就労のバリエーションについて、だとかが
まず中盤までの間に説明がされ、
そこからは、ITのコミュニケーション面を重点的に、
そのテクノロジーやコミュニケーションの変容や、
そもそもの人間の所属の欲求や承認欲求というところにまで対象化して
説明してくれます。
「薄いつながりを強化する」というキーワードもあったなぁ。
学者や専門家と違って、難しい言葉では語られていません。
それは、いっぱしの知識は必要なのですが、
大抵の言葉は理解できるレベルでした。
ビジネス語も含めて、よく使われる言葉で書かれた本と言えるでしょう。
そして、ITの大筋がよくわかりますし、
いま、この時期の必読書、と言えそうです。
この時期というのは、著者の言葉を借りれば、
時代の曲がり角ということなんですよね。
インターネットの環境が整ってきて、
それをどう使うかというのが今求められていて、
その曲がり角ということです。
今回の読書でも、また僕の頭にひっかかる言葉がありました。
___________
モノを買うというのは、ただ品物を買っているだけではなくて、
その商品にまつわる物語を買っていたり、売っている人との関係性を買っていたりする
と思うのです。その関係性を手に入れたとき、人はもっと幸せになれるし、
インターネットというのは、それを実現できる力を持ったツールであるはずだ、
と思うのです。
__________
そして、著者は、それこそを楽天という会社はできるはずだ、
というように話を流れさせていましたが、
これはもう気持ちの持ちよう、意識が何かのきっかけで変われば、
楽天に限らず、いたるところでそういうアニミズム的な、
モノに宿っている作り手や売り手などの物語や関係性、魂のようなものを
みんな感じとるようになるんじゃないのでしょうか。
この間読んだ、大森荘蔵さんと坂本龍一さんの
『音を視る、時を聴く。』でいう「あったかみ」であり、
佐々木俊尚さんの『レイヤー化する世界』でいう「いとおしさ」であり、
そういった他者への敬意が、マルセル・モースに言わせると、
「自分自身の何か、自分の生命、自分の時間がモノに宿っていてそれを交換している」
でありますが、そういうのが、技術革新に劣らない生産性の向上あるいは維持にも
なるとモースは言っています。さらに、社会的包摂というものも、
それらに関連してくるような予感があります。
ひいては、生きづらいこの社会が、生きやすくなることにも繋がっていくことが
可能のようにも思えてきます。
要するに、先にも書いたように、
「他者への敬意」をちゃんと持つということなんですよね。
「他者への敬意」については、糸井重里さんが「ほぼ日」で書かれていたことが
何度もあると思います、僕もそれに影響を受けていたりするわけです。
というように、話は逸れたかのようでいて、
これは本書の中心的な内容でもあります。
社会学、というほど堅苦しくない、やっぱりITの本なので、
インターネットが手放せないみなさん、未読の方は手に取ってみてください。
にほんブログ村
『ITビジネスの原理』 尾原和啓
を読んだ。
マッキンゼー、リクルート、google、楽天、などなど転職を10回も重ねた、
それも一流企業を渡り歩いた著者による、ITの歴史を辿りながらのITビジネス分析考。
ITビジネスに限らず、日々インターネットに触れて暮す僕らみんなにとって
興味深いことが書いてある本でした。
IT企業はどうやって利益を生んでいるか、だとか、
「パズドラ」に代表されるソーシャルゲームを分析すると、
どんなタイプのゲームがあり、それはどんな要素で構成されているか、だとか、
クラウドソーシングという新しい就労のバリエーションについて、だとかが
まず中盤までの間に説明がされ、
そこからは、ITのコミュニケーション面を重点的に、
そのテクノロジーやコミュニケーションの変容や、
そもそもの人間の所属の欲求や承認欲求というところにまで対象化して
説明してくれます。
「薄いつながりを強化する」というキーワードもあったなぁ。
学者や専門家と違って、難しい言葉では語られていません。
それは、いっぱしの知識は必要なのですが、
大抵の言葉は理解できるレベルでした。
ビジネス語も含めて、よく使われる言葉で書かれた本と言えるでしょう。
そして、ITの大筋がよくわかりますし、
いま、この時期の必読書、と言えそうです。
この時期というのは、著者の言葉を借りれば、
時代の曲がり角ということなんですよね。
インターネットの環境が整ってきて、
それをどう使うかというのが今求められていて、
その曲がり角ということです。
今回の読書でも、また僕の頭にひっかかる言葉がありました。
___________
モノを買うというのは、ただ品物を買っているだけではなくて、
その商品にまつわる物語を買っていたり、売っている人との関係性を買っていたりする
と思うのです。その関係性を手に入れたとき、人はもっと幸せになれるし、
インターネットというのは、それを実現できる力を持ったツールであるはずだ、
と思うのです。
__________
そして、著者は、それこそを楽天という会社はできるはずだ、
というように話を流れさせていましたが、
これはもう気持ちの持ちよう、意識が何かのきっかけで変われば、
楽天に限らず、いたるところでそういうアニミズム的な、
モノに宿っている作り手や売り手などの物語や関係性、魂のようなものを
みんな感じとるようになるんじゃないのでしょうか。
この間読んだ、大森荘蔵さんと坂本龍一さんの
『音を視る、時を聴く。』でいう「あったかみ」であり、
佐々木俊尚さんの『レイヤー化する世界』でいう「いとおしさ」であり、
そういった他者への敬意が、マルセル・モースに言わせると、
「自分自身の何か、自分の生命、自分の時間がモノに宿っていてそれを交換している」
でありますが、そういうのが、技術革新に劣らない生産性の向上あるいは維持にも
なるとモースは言っています。さらに、社会的包摂というものも、
それらに関連してくるような予感があります。
ひいては、生きづらいこの社会が、生きやすくなることにも繋がっていくことが
可能のようにも思えてきます。
要するに、先にも書いたように、
「他者への敬意」をちゃんと持つということなんですよね。
「他者への敬意」については、糸井重里さんが「ほぼ日」で書かれていたことが
何度もあると思います、僕もそれに影響を受けていたりするわけです。
というように、話は逸れたかのようでいて、
これは本書の中心的な内容でもあります。
社会学、というほど堅苦しくない、やっぱりITの本なので、
インターネットが手放せないみなさん、未読の方は手に取ってみてください。
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