Fish On The Boat

書評中心のブログです。記事、それはまるで、釣り上げた魚たち ------Fish On The Boat。

生活保障と社会的包摂

2014-08-14 15:20:20 | 考えの切れ端
まだ、たまにこの間本で読んだ、
社会的包摂などについて考えています。

それで、みなさんは「ベーシックインカム」っていうものをご存知ですか。
日本語に訳すと「基盤的収入」といっていいのかな。
Wikiで調べると、「基本所得補償」となっていますね。
ベーシックインカムの詳しくはWikipediaの「ベーシックインカム」を調べてもらうこととして、
そういうのに代表される生活保障というものが
社会的包摂にどう役立つかを僕はちらっと考えたりしてます。

何の教育もなしに日本でいきなりベーシックインカムが始まったら、
「自己責任」型の考え方を強調してしまうかもしれない。
世の中は公平で、そこで競争をしているという前提があって、
自己責任の考え方は正当であるということになります。
日本では多いとされていますし、空気みたいなものかもしれないですよ、
自己責任論って。しかし、それの世知辛さってあるでしょう。
要するに、「人に迷惑をかけるなよな」というものの裏返しの意味で、
自己責任論ってあるところがあります。
「迷惑をかけるな」、それはそうなんですが、
いろいろな意味での弱い立場にある人たちを
切りすててしまう考え方だとも言えるのではないか。
だから、僕は自助と、少しのというか薄いというか
そんな利他的繋がりがいいんじゃないかって
最近は折に触れて書いていたりします。
また、連帯感を強く持つことで安定するんじゃないかっていうことも
考えていて、薄いつながりとは反対のことを言うようではありますが、
そこらへんはもっと深く探っていこうと思っています。
ということで、話は自己責任のところで長くなりましたが、
今回の主旨は、社会的包摂について多少なりとも勉強したほうがいいと思う
ということなのです、僕も少しだけ本で勉強しましたし。

生活保障の面について話を進めていきます。

食べていくための労働であり、充実と交流を得るための労働であり、
というのが今の日本の労働だけれど、生活保障がしっかりしている国では、
労働は充実と交流を得るためであるという点が強く意識されているらしい。

本には明記されていなかったけれど(北欧などのことだと思う)
ある国々での就労支援の意識は「充実や交流」といった社会的包摂のためのものとされていて、
日本のように、「食べるために」のみではないようだ。
そういう意識の社会では、雇い主の労働者に対する待遇も変わってくるだろう。

「いいかお前らちゃんと働かないと食べていけないんだぞ」というのは、
雇い主がする雇用者へのすごい足元の見ようじゃないかな。
仕事先がたくさんあるような好況のときはそういうことを言いにくいけれど、
不況だとか停滞だとかしているときには、そういう汚い態度の人もでてくるわけで。

そこで生活保障(ベーシックインカムなど)がきちんとなされている社会だとどうかといえば
「お前らちゃんと働かないと充実と交流が得られないんだぞ」と雇用主が言ったとしても、
そんなことを言っている会社から充実なんか得られないのはわかっているので、
そんなところでは働かないということになる。

それはそれで社会的排除をされたということなんだけれども、
食えなくされるという極度の貧困に追い込まれるわけじゃないのがまだ救いかもしれない。
というか、そんなことを言う雇い主みたいなタイプではやっていきにくくなるだろうし、
おおよそ、そんなタイプの人は暴利をむさぼるタイプが多いんじゃないかな。

ベーシックインカムなどの生活保障は過去の劣悪な労働条件下で頑張ってきた祖先たちを思うと
すごく贅沢に感じられるけれど、そういう過去を経て僕らが勝ちとり創造する制度として
誇りを持ってやったらいいことじゃないかな。
IT革命だって贅沢なんだしそれを喜んで享受したのと同じようにしたらいい。

そんなわけで、生活保障がちゃんとなされている国であれば、
貧困対策と包摂対策を別々に考えてやれるということじゃないかな。
生活保護の不正受給だとかがニュースになっていたりもしますが、
社会的包摂をとれる社会システムがあり、民衆の側の理解があり、
ということであれば、働ける人は意欲を持ちやすいかもしれないです。

逆にいえば、食べるために働かなければいけない状態だからこそ、
不正や不公平や汚さなんかが生まれやすいのかもしれないですよね。
無理に働く、だとか、なんにせよ無理強いされてやることには、
なんらかの問題って出てきやすいんじゃないかなぁ。

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