読書。
『投資家が「お金」よりも大切にしていること』 藤野英人
を読んだ。
非常に客観的に日本人のこと、
とくにお金に対する意識を中心として見ている本だなと思いました。
そうやってあぶりだされた、守銭奴であり、
ケチな日本人の姿を文章中から目の当たりにして、
「そうだそうだ」と膝を打ったり、
「そうなのか」と驚いたり、
「ムムムム」と痛いところを突かれて、
唸るような気持ちになったりしました。
地に足が付いている論説でありながら、
歯切れのいい文章なので、けっこう興奮して
読み進めることになります。
言うまでもなく、面白いです。
真面目な人は本流になれないのが、この国の性格なのかなぁ。
「大人になれよ」的な言い方をして、
どれだけ要領よく責任を回避できるかを考える人たちが、
本流になっているみたいです。
大企業だとかそうらしい、顕著に。
いかにリスクを背負わないか、と。
失敗したらハラキリだっていうような深いイメージがあるから、
リスクを避けてあいまいな感じの、
「失敗は無いけど、大きな成功もない」っていう方向で仕事するのでしょうか。
周囲からの目、客からの目も、「腹を切れ」
っていう目だったりするんじゃないか。
日本人の意識が変わっていくしかないです。
僕が最初に就職した会社では、
僕は幹部候補として入っていて、
幹部だけの会議にも新入社員の身で顔を出してたんだけど、
そこの上司に初めて言われた訓示みたいなのって、
「出る杭になるなよ」だった。
目立つな、やりすぎるな、って最初からくぎをさされた。
日本的ってのはそういうのなんだろう。
おおくの日本の会社には、
社会主義的な平等主義のような側面があって、
それには責任回避の性格がある。
そういうことが本書を読んでいると、
脳裏に浮かびあがってきます。
「言われたことしかできない」
なんて言われ方で批判されてきた若い世代は、
そういう社会の有り様を敏感に感じ取っていて
ある意味やる気を失くした感じになって
そんなスタンスになっているのかもしれなくて。
それって、悟った感じですよね。
彼らはそうやって社会から影響を受けてきたと、
言えないことはないでしょう。
ぜんぶ雑用に感じられるってのがあるかしれない。
それでもって雑用もはかどらないしっていう。
また、「互恵関係」という、
重要なキーワードも登場しました。
____
まわりとの関係で私たちは
生かし生かされているのだと認識することが、
経済を理解する上でもっとも重要なことです
____
と書かれていますが、「経済」ってものは本来、
言葉の意味の上に置いてもそういうものだそうです。
みんなつながっている、っていうとで、
これは、人と人のあったかみやいとおしさに繋がる話ですね、
つまり、モースの『贈与論』的な姿勢をよしとする言説が
またひとつ見つかったということです。
進むべき目標はやっぱりそこなんです。
経済は回るし、生きやすくもなるだろうという、
よいコンセプトだとぼくは考えています。
そして、それは、やっぱりみんなの気の持ちようで実現する。
気持ちですよ、気持ち。
気持ちを感じられるかってところです。
本書には星を5つつけたいところですし、
心意気をすごく感じましたが、
もうちょっと説明が欲しいところがあるように感じられて、
それは僕の読みの足りなさでもなく、
「行間を読め」ってものだとは思うのですが、
少し気になってしまいまして、
星4.9くらいで考えてください。5点満点です。
よく書いてくださいました!
と拍手を送りたくなる本です。
『投資家が「お金」よりも大切にしていること』 藤野英人
を読んだ。
非常に客観的に日本人のこと、
とくにお金に対する意識を中心として見ている本だなと思いました。
そうやってあぶりだされた、守銭奴であり、
ケチな日本人の姿を文章中から目の当たりにして、
「そうだそうだ」と膝を打ったり、
「そうなのか」と驚いたり、
「ムムムム」と痛いところを突かれて、
唸るような気持ちになったりしました。
地に足が付いている論説でありながら、
歯切れのいい文章なので、けっこう興奮して
読み進めることになります。
言うまでもなく、面白いです。
真面目な人は本流になれないのが、この国の性格なのかなぁ。
「大人になれよ」的な言い方をして、
どれだけ要領よく責任を回避できるかを考える人たちが、
本流になっているみたいです。
大企業だとかそうらしい、顕著に。
いかにリスクを背負わないか、と。
失敗したらハラキリだっていうような深いイメージがあるから、
リスクを避けてあいまいな感じの、
「失敗は無いけど、大きな成功もない」っていう方向で仕事するのでしょうか。
周囲からの目、客からの目も、「腹を切れ」
っていう目だったりするんじゃないか。
日本人の意識が変わっていくしかないです。
僕が最初に就職した会社では、
僕は幹部候補として入っていて、
幹部だけの会議にも新入社員の身で顔を出してたんだけど、
そこの上司に初めて言われた訓示みたいなのって、
「出る杭になるなよ」だった。
目立つな、やりすぎるな、って最初からくぎをさされた。
日本的ってのはそういうのなんだろう。
おおくの日本の会社には、
社会主義的な平等主義のような側面があって、
それには責任回避の性格がある。
そういうことが本書を読んでいると、
脳裏に浮かびあがってきます。
「言われたことしかできない」
なんて言われ方で批判されてきた若い世代は、
そういう社会の有り様を敏感に感じ取っていて
ある意味やる気を失くした感じになって
そんなスタンスになっているのかもしれなくて。
それって、悟った感じですよね。
彼らはそうやって社会から影響を受けてきたと、
言えないことはないでしょう。
ぜんぶ雑用に感じられるってのがあるかしれない。
それでもって雑用もはかどらないしっていう。
また、「互恵関係」という、
重要なキーワードも登場しました。
____
まわりとの関係で私たちは
生かし生かされているのだと認識することが、
経済を理解する上でもっとも重要なことです
____
と書かれていますが、「経済」ってものは本来、
言葉の意味の上に置いてもそういうものだそうです。
みんなつながっている、っていうとで、
これは、人と人のあったかみやいとおしさに繋がる話ですね、
つまり、モースの『贈与論』的な姿勢をよしとする言説が
またひとつ見つかったということです。
進むべき目標はやっぱりそこなんです。
経済は回るし、生きやすくもなるだろうという、
よいコンセプトだとぼくは考えています。
そして、それは、やっぱりみんなの気の持ちようで実現する。
気持ちですよ、気持ち。
気持ちを感じられるかってところです。
本書には星を5つつけたいところですし、
心意気をすごく感じましたが、
もうちょっと説明が欲しいところがあるように感じられて、
それは僕の読みの足りなさでもなく、
「行間を読め」ってものだとは思うのですが、
少し気になってしまいまして、
星4.9くらいで考えてください。5点満点です。
よく書いてくださいました!
と拍手を送りたくなる本です。