読書。
『2045年問題』 松田卓也
を読んだ。
このままの速度で上昇カーブを描きながらコンピュータが進化していくと、
人工知能は2045年に人類すべての知能を超えることになる、という、
レイ・カーツワイルというMIT卒業の発明家で企業家の人の未来予測を主軸として、
コンピュータと人類の関係の今後を考える本です。
著者はSFに詳しい宇宙物理学者で神戸大学名誉教授の方でした。
コンピュータの進歩はユートピアを招くかディストピアを招くか?
どうも、進化した人工知能は、人類に隷属することなく、
その優れた知性によって、人類を敵視しせん滅してしまう可能性があるとのこと。
このあたりは、ディストピアSF小説から多大な影響を受けているなあという
印象を受けましたが、だからといって、そんな可能性はさらさらないと
一方的に否定することは難しくもあります。
環境を破壊したり、戦争したり、人類が人類程度の知能でもって
やっていることは危なっかしくてしょうがない、と
人類以上の知能を持つ人工知能は考えるかもしれない。
そして、『ターミネーター』のスカイネットのように反乱を起こすことだって
考えられるというわけです。
また、進化した人工知能との共存の道はどうなるか、という可能性についても、
いくつかの方向が示されていました。
なかには『マトリックス』のように、意識をコンピュータ内に取り込んで、
仮想現実内で生きる存在になるという見通しも。
これは、「シミュレーション現実」というそうです。
ところで、本当に近い未来、それは5年後だとか10年後だとかで考えてみて、
コンピュータの進歩による人類への影響はあるのでしょうか。
それについては、大きくあるだろうということでした。
どんどん、人間の仕事をコンピュータが取って代わるようになる、と、
現在でも100万人規模のiPhoneなどの工場がロボットを採用して、
雇用人数を半減させるという話なども併せて載っていました。
中間的な職業の求人の無さはますます増えていくだろうとのことです。
社長やその取り巻きの高度な技術を必要とする職業や、
ロボットが得意ではない家事などの労働、介護などの「気持ち」を使う仕事は
生き残っていくとは言われていました。
工場勤務だとか、オフィスでの仕事だとか、そういうのはどんどん減っていくと
考えられるということでした。
どれだけの規模でそうなっていくかはわかりませんが、
傾向としては間違いないのではないかと、僕も考えたところです。
と、暗い話ばかりになりますが、本書のトーンとしては落ち着いていて、
危機をあおることもありません。
あとがきでは「明るい気持ちでいましょう」などと書かれているくらい。
現在、アメリカでは国防相が主導してシナプス計画を、
EUでは10年1000億円規模でヒューマン・ブレイン・プロジェクトを始めました。
脳を解明しコンピュータで再現するおおきな計画がすでに発動されているのです。
これらがもたらすものの行き着く先がどうなるのか、
本書で読んできたことなどを踏まえるとけっこう不安もあります。
しかし、きっと打開策や共存策はあるはず・・・。
そんなわけで、頭の隅っこででもいいからこういう案件を置いておいて、
それでいて各々みんなが自助努力と利他の精神で意識を変えていければ、
それが未来に繋がっていくのではないかと考えるところでした。
わかりにくいまとめですが、すべての道はローマに通ずということで。
『2045年問題』 松田卓也
を読んだ。
このままの速度で上昇カーブを描きながらコンピュータが進化していくと、
人工知能は2045年に人類すべての知能を超えることになる、という、
レイ・カーツワイルというMIT卒業の発明家で企業家の人の未来予測を主軸として、
コンピュータと人類の関係の今後を考える本です。
著者はSFに詳しい宇宙物理学者で神戸大学名誉教授の方でした。
コンピュータの進歩はユートピアを招くかディストピアを招くか?
どうも、進化した人工知能は、人類に隷属することなく、
その優れた知性によって、人類を敵視しせん滅してしまう可能性があるとのこと。
このあたりは、ディストピアSF小説から多大な影響を受けているなあという
印象を受けましたが、だからといって、そんな可能性はさらさらないと
一方的に否定することは難しくもあります。
環境を破壊したり、戦争したり、人類が人類程度の知能でもって
やっていることは危なっかしくてしょうがない、と
人類以上の知能を持つ人工知能は考えるかもしれない。
そして、『ターミネーター』のスカイネットのように反乱を起こすことだって
考えられるというわけです。
また、進化した人工知能との共存の道はどうなるか、という可能性についても、
いくつかの方向が示されていました。
なかには『マトリックス』のように、意識をコンピュータ内に取り込んで、
仮想現実内で生きる存在になるという見通しも。
これは、「シミュレーション現実」というそうです。
ところで、本当に近い未来、それは5年後だとか10年後だとかで考えてみて、
コンピュータの進歩による人類への影響はあるのでしょうか。
それについては、大きくあるだろうということでした。
どんどん、人間の仕事をコンピュータが取って代わるようになる、と、
現在でも100万人規模のiPhoneなどの工場がロボットを採用して、
雇用人数を半減させるという話なども併せて載っていました。
中間的な職業の求人の無さはますます増えていくだろうとのことです。
社長やその取り巻きの高度な技術を必要とする職業や、
ロボットが得意ではない家事などの労働、介護などの「気持ち」を使う仕事は
生き残っていくとは言われていました。
工場勤務だとか、オフィスでの仕事だとか、そういうのはどんどん減っていくと
考えられるということでした。
どれだけの規模でそうなっていくかはわかりませんが、
傾向としては間違いないのではないかと、僕も考えたところです。
と、暗い話ばかりになりますが、本書のトーンとしては落ち着いていて、
危機をあおることもありません。
あとがきでは「明るい気持ちでいましょう」などと書かれているくらい。
現在、アメリカでは国防相が主導してシナプス計画を、
EUでは10年1000億円規模でヒューマン・ブレイン・プロジェクトを始めました。
脳を解明しコンピュータで再現するおおきな計画がすでに発動されているのです。
これらがもたらすものの行き着く先がどうなるのか、
本書で読んできたことなどを踏まえるとけっこう不安もあります。
しかし、きっと打開策や共存策はあるはず・・・。
そんなわけで、頭の隅っこででもいいからこういう案件を置いておいて、
それでいて各々みんなが自助努力と利他の精神で意識を変えていければ、
それが未来に繋がっていくのではないかと考えるところでした。
わかりにくいまとめですが、すべての道はローマに通ずということで。